憎しみよりも深く、きみを想う 隻腕の騎士と宝石乙女

日車メレ / cielo

エレンが婚約させられたのは、初恋相手だった隻腕の騎士カーティス。偶然の巡り合わせに心躍る毎日。優しい彼に夜ごと淫らな快楽を教え込まれる。「君の肌、甘くてたまらない」指と舌で愛撫されれば、無垢な身体はたやすく絶頂へ上り詰めて――。幸福を感じていたある日、偶然彼が自分に復讐しようとしていることを知ってしまい!?募る想いと運命が交差する、切なくも深い蜜愛！

• カテゴリ: TL
• ジャンル: TL小説
• 出版社: プランタン出版
• 掲載誌・レーベル: ティアラ文庫
• ページ数: 288ページ
• 電子版発売日: 2023年12月08日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 12MB

[s · ★★★★★]

作家さん買い

日車さんのシリアス&美麗な扉絵に惹かれ、紙書籍を購入。
いや〜、買って良かった。
も〜、この設定、大好物です！！
健気なヒロインと苦悩するヒーローに、胸が苦しくなりました。
特に、後半のヒーローの涙、たまりません！
思わずもらい泣きw
そして、このシーンの挿絵が最高。
悶えますw
ホントに、あっという間に読んでしまいました。
このレーベルにしては珍しく、読ませるお話です。
オススメします！

＃泣ける ＃切ない

[ブクログ · ★★★★★]

めちゃくちゃ良かった！
魔力を込めた特別な石を作り出すことのできる宝石乙女と呼ばれるヒロインと、その石のせいで隻腕となってしまった騎士ヒーロー。
華々しい騎士生命を奪っていった宝石乙女に憎しみを募らせ、復讐を誓うが、その宝石乙女が街で会っていた娘と知り…
両親を亡くし、幼い頃から叔父に利用され搾取され続けてきたヒロインが成長していく姿と、憎しみと愛情の間で苦しむヒーローの姿がとても良かった。
純粋で可愛らしく一生懸命なヒロインのラストの成長ぶりに涙が出そうでした。
とても面白かったです。

[ブクログ · ★★★★☆]

無知であることは、果たして罪なのか。
敢えて教育を施されず、軟禁状態で10年も犯罪の片棒を担がされていた無垢な少女に罪を問えるのか。
彼女によって腕を失った彼が、彼女に憎しみを抱き復讐をするのは正当なのか。

結局、どちらも無知だった。
彼女は前述通り、自分が生み出していたものが何か知らないままだった。
それによって、彼に恨まれていたことも。
彼もまた、彼女がどういう状況に置かれていたのか、彼女が自ら望んで犯罪に関わっていたわけではないことを知らなかった。
お互い、互いの深いところを知らないまま惹かれてしまった。
ゆえに、後半どうしても崩壊が訪れた。

一度罪を知ってしまえば、元には戻れない。
自分の無知が齎した結果を知ってしまえば、以前のような無垢な恋や愛はできないだろう。
だから、当初はこのまま別離エンドかもしれないなと、それもやむなしだと思っていたけれども、終盤互いに本心を打ち明けることができたのが、契機になった。
ヒーローの涙は、事態の打開にききますな、間違いなく。
あの場面は挿絵の効果もあって、こちらももらい泣きしそうになった。

汚れない愛情ではないかもしれない。
時折、罪を思い出して苦しいかもしれない。
それでも、二人は幸せなのだろう。
もしかしたら、無知だった頃よりも強く、深く。