母を失うこと

母を失うこと

歴史を剝ぎ取られ母を失った人々の声を時を超えてよみがえらせる、現代ブラック・スタディーズの古典的作品にして、紀行文学の傑作。

「歴史が個人の物語になるとき、ソウルを揺さぶる一冊になる」
──ブレイディみかこ

ブラックスタディーズの作家・研究者、サイディヤ・ハートマンが、かつて奴隷が旅をした大西洋奴隷航路を遡り、ガーナへと旅をする思索の物語。奴隷になるとはいかなることか? そして、奴隷制の後を生きるとはいかなることか? ガーナでの人々との出会い、途絶えた家族の系譜、奴隷貿易の悲惨な記録などから、歴史を剝ぎ取られ母を失った人々の声を時を超えてよみがえらせる、現代ブラック・スタディーズの古典的作品にして、紀行文学の傑作。

"わたしは、消滅した人々の残余を発見するという目的とともに、ガーナに降り立った。(…)奴隷制という試練がいかにして始まったのか、理解したかった。いかにしてひとりの少年が綿布二メートル半やラム酒一本と、そしてひとりの女性がかご一杯の宝貝と等価になったのかを、了解したかった。類縁と他者を隔てる境界を越えたかった。名のない人々の物語を語りたかった──奴隷制の餌食となった人々や、捕囚を免れるために辺鄙な、荒漠とした土地へと追い込まれた人々の物語を。(「プロローグ」より)"

【目次】
プロローグ よそ者の道
第一章 アフロトピア
第二章 市場と殉教者
第三章 家族のロマンス
第四章 子よ、行け、帰れ
第五章 中間航路の部族
第六章 いくつもの地下牢
第七章 死者の書
第八章 母を失うこと
第九章 暗闇の日々
第十章 満たされぬ道
第十一章 血の宝貝
第十二章 逃亡者の夢

訳者あとがきにかえて──『母を失うこと』についてのノート

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母を失うこと のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2023年12月22日

    アフリカ系アメリカ人の研究者が奴隷制度を研究するために、ガーナにわたり旅をする資産の物語奴隷になるとはいかなることか?霊性の後を生きるとはいかなることか?奴隷貿易の悲惨な記録から歴史をはぎ取られ、母を失った人々の声を時越えて蘇らせる紀行文学の傑作。
    アフリカ系アメリカ人は合衆国の人種差別から逃げよう...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年12月14日

    本書は、アフリカン・アメリカン研究の作家・研究者であるサイディヤ・ハートマンが、かつて奴隷が運ばれた大西洋奴隷航路を遡り、ガーナを旅する紀行文学である。

    私たちが奴隷制をイメージするとき、アフリカが被害者、欧米が加害者、という構図で考えることが多いのではないか。しかし、実際はそんなに単純ではない。...続きを読む

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