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【統計モデルの正しさを知るためにシミュレーションを活用しよう】
心理学における研究の最前線では、高度な数理統計モデルが利用されています。しかし、数学理論をもとにした抽象的な議論や統計の誤用のもととなる倫理的な指摘は実感を持って理解しにくく、具体的かつ直感的に理解するには工夫が必要です。
そこで本書は、数学的な仮定や理論を「目に見えて」「具体的な」ものとしてとらえるために、プログラミングによる数値シミュレーションを利用して解説します。数値シミュレーションによる解説の利点は2つ挙げられます。1つは抽象的な概念をイメージしやすいグラフに落とし込むことができます。もう1つは具体的に操作できる世界を与えることによって、パラメータが変わればどのような結果が導かれるのかが理解しやすくなることです。これによって、統計の基本となる確率分布の性質と使い方、統計モデルを誤用すると何が起きるか、実験に妥当なデータの量はどれくらいなのか、といった今押さえておきたい知識を1冊にまとめます。
■こんな方におすすめ
統計を学んだはずなのに自信がない方、統計の実践にあたって不安のある方、統計に苦手意識のある方
■目次
●第1章 本書のねらい
1.1 はじめに
1.2 シミュレーションとは
1.3 シミュレーションでわかること
1.4 プログラミングをはじめよう
1.5 本書の構成
1.6 本書のねらいと使い方
●第2章 プログラミングの基礎
2.1 言語の基礎
2.2 オブジェクトと変数の種類
2.3 関数をつくる
2.4 プログラミングの基礎
2.5 演習問題
●第3章 乱数生成シミュレーションの基礎
3.1 確率変数と確率分布
3.2 確率分布の期待値と分散
3.3 乱数生成シミュレーションで確率分布を模倣する
3.4 任意の相関係数を持つ変数が従う確率分布
3.5 演習問題
●第4章 母数の推定のシミュレーション
4.1 統計的推測の基礎
4.2 母平均の信頼区間
4.3 相関係数の標本分布と信頼区間
4.4 演習問題
●第5章 統計的検定の論理とエラー確率のコントロール
5.1 統計的検定の論理
5.2 Rによる統計的検定の実際
5.3 エラー確率のシミュレーション
5.4 一元配置分散分析のデータ生成
5.5 反復測定分散分析のシミュレーション
5.6 演習問題
●第6章 適切な検定のためのサンプルサイズ設計
6.1 統計的検定とQRPs
6.2 タイプⅡエラー確率のコントロールとサンプルサイズ設計
6.3 サンプルサイズ設計の実践
6.4 いろいろな検定におけるサンプルサイズ設計の実践
6.5 非心分布を使わないサンプルサイズ設計のシミュレーション
6.6 演習問題
●第7章 回帰分析とシミュレーション
7.1 回帰分析と確率モデル
7.2 シミュレーションデータで統計指標の意味を理解する
7.3 回帰分析における仮定と注意点
7.4 発展的な課題
7.5 確率モデリングへ
7.6 演習問題
■著者プロフィール
小杉考司:専修大学人間科学部、教授。博士(社会学)。専門は数理社会心理学。心理統計学のエッセンスと社会心理学・集団力学の両方を視野に入れた数理モデルの構築を目指す。主な著書として「言葉と数式で理解する多変量解析入門」(北大路書房)など。
紀ノ定保礼:静岡理工科大学情報学部 准教授。博士(人間科学)。研究領域は、認知心理学や社会心理学、人間工学、交通行動研究など。主な著書は「改訂2版 RユーザのためのRStudio[実践]入門ーtidyverseによるモダンな分析フローの世界ー」(技術評論社、2021)など。
清水裕士:関西学院大学社会学部 教授。博士(人間科学)。社会心理学、グループ・ダイナミックスが専門。また、フリーの統計ソフトウェアHADを開発している。主な著書は「社会心理学のための統計学」(誠真書房、2017)、「放送大学教材 心理学統計法」(放送大学教育振興会、2021)など。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
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