初期の内澤研さんがスタイリングした、シングル「不自然なガール」(2010年)の衣装では、ドレスの肩に左右に広がる角状の突起を置きシルエットの斬新さを引き出している。これはセブンの宇宙人を数多くデザインした成田亨さんと同じ発想だ。また、三田真一さんデザインのシングル「Magic of love」(2013年)の衣装は、斜めの線の多用による構成や、黒、グレー、青、赤という配色が、地球防衛軍などの制服を彷彿とさせる。そしてToshio Takedaさんデザインのライブ「Perfume「Reframe 2019」」の衣装にいたっては、貝やクラゲなどの海洋生物をモチーフにしたかのようなデザインで、もう言うまでもないが、怪獣の場合の衣装である着ぐるみ(=非生体)に生体性をもたせたいときに用いられるアイデアだ。
だから、この冊子では衣装の写真もいいのだけれど、それぞれの衣装に付けられている制作裏話のようなコメントもよかった。それらのコメントはデザイナーの苦労話だけではなく、将来それらを目指す人への道しるべともなりうる豊富なアイデアが書かれている。シングル「Spending all my time」(2012)での全寮制の女子学生の制服のような衣装のコメントでは、制服という1つのモチーフながら、襟や胴部のコルセットの形態というような細部を3人の個性に合わせるかのように少しずつ変化させていることが書かれていて、私のようなアパレル完全素人であっても楽しく読めた。