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父はなぜ別人になって生きようとしたのか?
1994年5月、大阪市東淀川区に住む大屋隆司の父親・横山道雄が突然、失踪した。この失踪騒ぎの後、みるみる衰弱していく父を看病する中で、隆司はこれまで知らなかった父の過去を知る。
父の戸籍上の名前は「大田正一」といい、死亡により除籍されていた。
大田正一といえば太平洋戦争末期に「人間爆弾」と呼ばれた特攻兵器「桜花」を発案したとされる人物である。大田は終戦の三日後に遺書を残し、茨城県神之池基地を零戦で飛び立ち、そのまま帰ってこなかった。
ところが、大田は生きていた。「茨城で牧場をやっている」「新橋の闇市に連れて行った」「青森で会った」「密輸物資をソ連に運んでいる」……断片的な目撃談や噂はあったものの、その足取りは判然としなかった。
1950年、大阪に「横山道雄」となって現れた大田は、結婚した女性との間に三人の子供をつくり、幸せな家庭を築き、94年にその生涯を終えた。
それから20年後の2014年、大田の遺族を名乗る女性からの電話に興味を持った著者は、大田の謎多き人生について調査を始める。それは隆司ら家族にとっても父を知るための貴重な時間となっていく。
「本当の父親」を探す旅の結末は――。
Posted by ブクログ 2024年03月26日
特攻兵器「桜花」を発案した男の数奇な人生を綴った本。桜花を発案した太田のことをテレビのNHK特集で知り、あの時は太田のことをとんでもないやつだ!と思っていたが、NHK特集は一部の取材によって構成され、太田は悪であるかのように論じきっていたことが分かった。本書は太田の生い立ちや彼を取り巻く人々の執念深...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年09月03日
戦史中の謎の一つ、特攻兵器桜花の発案者大田正一が実は生きていた。特攻隊の歴史を追い続ける筆者が知った真実。
太平洋戦史に詳しい人なら知っているだろう大田正一。戦後まもなく消息を断ち生存説もあった人物。
戸籍のないまま生きながらえた大田正一の生涯を探る作品。
本当に事実なら戦後第一級のスクープだろ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年12月22日
この前に読んだ「知覧からの手紙」と逆の立場で「特攻兵器」を扱ったものを読んでみたくて、この本を手にした。
これは、特攻兵器である「桜花」のアイディアを海軍に提唱し、以降「桜花をつくった男」として戸籍を失い、自分の名前を変えてまでも生きた男の話である。
実に奇遇なことに、カミカゼ特攻で亡くなった多...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年10月16日
2日間でさらさら読めました。
聞き取りや事実に基づいての内容が多いため、納得できる部分が多かったです。こういった本に、筆者の妄想は不要なので。
なにより筆者の取材力と、交友関係の広さには感服です。関わった方々の証言をこうして残して下さる事に感謝。
個人的には源田さん関連の話が、尾を引きました。こ...続きを読む
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