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モーツァルトはあらゆるジャンルで名曲を残していますが、彼自身は音楽形式の中で総合芸術たるオペラを最高峰に位置づけていました。本書ではモーツァルトの名作オペラ7作品を、「愛」をテーマに読みといていきます。18世紀の優雅、華麗なロココ社会では、表面は徹底的に上品にとりつくろわれ、人間が本来持っている感情や欲望を表すことはタブーとされていました。オペラもまた、ひたすら美しく心地よいものであることを求められていた中で、モーツァルトはあえてタブーを破り、決してきれいごとだけではないありのままの人間の姿を、オペラの中で描きだしてみせたのです。最も具象的な表現形態であるオペラでは、モーツァルト自身の愛の苦しみや喜びが、一音一音にのせられて、または歌詞の中で如実に吐露されています。時代によりモーツァルト像はさまざまに変貌していますが、人間としてのモーツァルトの真情を聴きとり、その真実の姿に近づくために、多くの方にぜひ読んでいただきたい一冊です。
...続きを読むPosted by ブクログ 2010年04月27日
モーツァルトのオペラとそこから見出せる彼の人生、当時の音楽界について書かれた読みやすい1冊。
特にここで言いたいのは
一般的にアンチ貴族オペラとして認識されている「フィガロの結婚」について
実は別にそんな事はなくて、彼が描きたかったのは男心と女心のすれ違い。
全然単純じゃない人間の心を巧みに描き出...続きを読む
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