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アメリカ音楽留学から帰国した著者を待っていたのは厳しい現実だった。活動の場を求めて奔走し、うつ病に苦しみ、友情に救われながら、南博は今日もひたすらピアノを弾く。
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Posted by ブクログ
ジャズピアニスト南博が、NYのバークリー留学から帰国し、日本でのフリーのミュージシャンとしての仕事ぶりを描いた自伝的エッセイ。 あるジャズフェスティバルで南さんの作った曲を聴き(残念ながら本人の演奏ではない)、それがものすごい美しい曲(曲名はわからない)で、どんな人が作ったのか気になっていたところ...続きを読むでたまたま書店でこの本を見つけ、即決で買いました。 独特の静謐で軽妙な表現は彼の音楽にも通ずるものがあると思います。第2章のアイスランドのエピソードが印象的でした。アイスランドの壮大な風景に感銘を受けた様子が凡人には思いつかない言葉で表現され、もしかしたら彼のこの感動があの曲に反映されたのかも、と勝手にリンクさせて、曲を思い出しながら読み進めました。 アイスランドだけでなく、国際的な交友関係から派生する世界の文化に触れた話はどれも面白いです。中国ツアーの困難とか、デンマークの友人の話とか。 ピアニストとしての話より、マネージャーやプロデューサー、ピアノの先生としての仕事もこなさなければいけない苦労がリアルに綴られており、音楽でメシを食っていくのは大変だなと思わせる面もあります。 南博という音楽を構成する要素がちりばめられた良書。
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