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「悪」は排除するべきものではない。悪と善は相対的なものに過ぎない。大事なのは、総体としての生身の人間の中に「悪」を正しく位置づけることだ。罪を犯し、非行に走った少年であっても、「悪」を正しくその子の中に位置づけてやれば、それは人生をプラスの方向に導くためのエネルギーともなるのだ――。家庭裁判所調査官として、数百人の非行少年を更生に導いてきた著者が説く「悪理学」。
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Posted by ブクログ
■「悪の三原理」(L・ワトソン) ・第1原理 よいものは場所を移されたり、周囲の文脈から外されたい、本来の生息環境からどけられたりすると悪いものになりやすい。 ・第2原理 よいものは、それが少な過ぎたり多過ぎたりすると非常に悪いものになる。 ・第3原理 よいものは、お互いに適切な関係を持てなか...続きを読むったり、つきあいのレベルが貧困化したりすると、極めて悪質なものになる。 ■犯罪初年、触法少年、虞犯少年 ・「犯罪少年」とは、14歳以上、20歳未満で犯罪行為をした少年 ・「触法少年」とは、14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年 ・「虞犯少年」とは、20歳未満で将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をする虞がある少年 ■「悪」と攻撃性 「悪」は悪い行為を生じさせる心的過程又は心的エネルギー。 犯罪やいじめなどの問題行動のほとんどは、攻撃性の歪んだ発動によるもの。 それぞれの犯罪・非行には加害者の敵意、怒り、被害者の悲しみ、加害者に対する憎しみ、といった陰性の感情が付随するため、攻撃的な人格や行動傾向は否定的に評価され、抑制されるべきものとみなされてしまう。 ところが、注意しなければならないことは、子供の攻撃性は親や教師など子供にとって大切な人との適切なかかわりによって、主体性、積極性、自主性といった「生きる力」を獲得するための肯定的行動にもつながるものだということ。 攻撃性は成長に伴い自分の意思、要求を通すための自己主張や、困難に立ち向かう勇気、主体的な行動を促進していく。
子育ての時にもう一度読みたい。 子どもが見せる悪さ、攻撃性が何を意味するのか。大人のその対処の仕方によって、子どもの人間性の育ち方が違うと、強く感じた。 社会福祉や臨床倫理が、「司法」の強制力や権威的立場を有効に活用することも、ケース対応での一方法だと思った。
全く門外漢だったが、とてもよく整理をされていて、少し突っ込んだ、対応策なども明確に示している本でした。 実務者の方で悩みを抱える人にはとても良い本だと思いますが、非行少年が悪いのではなく、その環境を改善していかなければ、何も変わらないと言う部分はふにおちました。大変勉強になりました。
悪いことをした子供を厚生する仕事をしている人が書いた本。 家族関係は住んでいる家の間取りの影響を受けるというくだりがおもしろかった。
多くの具体例があり、困っている親、学校関係者が直ちに参考になるのかと期待してしまった。「ガチ」な本で、専門家から見た少年の更生法について、理論的に述べられていた。 私の読解力が甘いのだが、新潮新書か?と思った。
【312冊目】18年間家裁調査官を務め、22年間大学で教鞭を執った方による少年非行・少年犯罪へのアプローチに関する本。 斬新に見える本書のタイトルとは異なり、内容はごく一般的な矯正と臨床的アプローチの解説。勉強にはなったけど、期待した内容とは違ったかな。
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悪さをしない子は悪人になります(新潮新書)
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廣井亮一
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