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Posted by ブクログ
抽象論に挟まれた具体の自らの仕事、という構成、そしてそれにより仕事の「正当性」を主張する様子は、いかにも「現代建築家」らしくて気持ちが悪いところもある。
また、自身が触れた映画や文学や哲学の論考をこれでもかというほどに引き合いに出す様子は、土木やデザインに親しもうとしている読者に対して「この分野はとっつきにくいものなのだ」という印象さえ与えるのではないかと危惧もする。
ただ挙げられた三つの具体の仕事にはいずれも学ぶところが多く、このように仕事の「プロセス」に光を当てる書物がもっと世に出てほしいと、ことさら土木(デザイン)に関しては思うほど。
曽木の滝について:
初期から住民の意見をききまた景観デザインを取りこむこと、そしてそれらの対話ツールとして簡単な(断面を並べたような)模型を用意すること。そして施工者との協働。
緑の区間について:
木々(一本一本)の計画や、ヒューマンスケールの素材(コンクリートや石張か)へのこだわり。また、スペシャルデザインとしての「ガンダム」と汎用的な優れた普通たる「ジム」という考え方(ガンダムは知らないがまあ言いたいことはわかる。目指すレベルに応じたデザインというのがあるべきということ、きっと)。
地震復興について:
正直、筆者の避難行動リテラシーの低さに唖然としてその先の話の説得力の急落は否めなかったが、住民との協働の重要性は理解。
また、終盤で話題にあがった豊田市での矢作川流域の森林保全のことは知らなかったが感銘。
ただ終章に近づくほど、「正当性」のための理屈付けのような話がまた多くなるのは気になったし、読後感を損ねてしまったようには感じるが。
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