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恋愛,性欲,大逆,殉死──多彩な,時に問題視される小説を次々に発表.翻訳や論争や雑誌活動にも精魂傾け,軍医高官として論文執筆や公務もこなす.荷風や啄木や一葉など後進の作家にも目をかけ,子どもたちからは優しいパッパと慕われる.「時代より優れ過ぎた人」鷗外の歩んだ遥かな道程を,同時代の証言とともに辿る決定版評伝.
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Posted by ブクログ
読んでて楽しかった。鷗外の足跡がよく分かり、いろいろな作品を取り上げながら鷗外の文学者としての偉大な功績が書かれている。 13歳で今の東大医学部にら年齢をサバ読んで入学し19歳で卒業し、陸軍軍医におさまることからして驚異だ。明治の子供は幼くして漢文、漢詩、に接している。
森鷗外に関し、コンパクトに纏まった通史を知ることができる。 紙面が限られるので、やむを得ないところがあるが、各作品の紹介は、情報としては不十分が否めない。 なお、作品を読んでから、本著を読むべし。 (これはMUST) エピローグに戦後の鷗外研究の書籍一覧があり、これは参考になる。 以下抜粋~ ・刷...続きを読む新を急いだ慶応義塾のために、荷風は鷗外と連絡を取りつつ、いろいろと相談にのってもらったことが、残された資料からうかがえる。二月、慶応義塾大学文学部教授永井荷風が誕生し、五月、「三田文学」が創刊される。鷗外は毎号執筆することを約束し、「スバル」、「三田文学」を拠点とする鷗外の創作活動が、一層加速されるわけだ。 ・「八方塞がり」を「かのように」で処理するのは一つの方法だが、綾小路の言葉にもあるように、「突貫」する意欲を失ったら現実に飲み込まれるだけである。この一節に示された緊張感こそ、鷗外自身の一を示していよう。 ・「制度」がそのものとして正しく機能しない、ゆがんだ人間社会の空隙に向かう鋒であり、いちは鷗外の思いを代弁する存在になっているようにも思う。
鴎外の生涯について知っている、そして、著作についても大体の作品名と内容を知っている、という人向けかもしれないなと思いました。 例えば、留学から帰国して書かれた「舞姫」のように、彼の人生のイベントとその時に書かれた作品には関連性が見出されたりするわけですが、本書は彼の人生を追いながら「この時期にはこの...続きを読む作品を、こういった雑誌を創刊し…。その頃の時世はこういうもので、当時交流あった文学者は…」と、タイミング毎に横串で紹介してくる形式なので、「森鴎外」という人物について「へぇ、こんな時期にこんなものを」的な気づきといいますか、すこし視野が広がって理解が進んだ気がします。面白かった。
没後100年ということで出版されたもの。近代文学の勃興期に、鴎外を始め、今も名を留める方達が、熱く活動する。今ならYouTuber ということになるだろうか。 その後、鴎外の道は苦渋に彩られる。彼の作品にもそれは影を落としているように思う。
森鷗外は高校の授業で『舞姫』を読んで、「大塩平八郎」「護持院原の敵討」「堺事件」を読んだくらいで、あまり読んだことが無い。色々気になるのもあるので読んでみよう。 ちょっと硬い感じのイメージだけど、子供たちには優しいパパだったというのが好印象。
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