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「なぜ紛争地に行くのか?」――何度となく尋ねられた問いへの答えがここにある。「国境なき医師団(MSF)」看護師として海外派遣18回を経験した著者が、現場で交流した市民や仲間の姿をいきいきと描く。活動中の暮らしや人道援助のエキスパートたちの素顔など、意外なエピソードも満載。国際貢献したい人が本当に知りたいこと、紛争なんて異世界のことだと思っている人に知ってほしいことが詰まった、紛争地医療のリアルが鮮やかに見えてくる1冊!
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Posted by ブクログ
戦争や紛争の悲惨さだけでなく、そこに暮らす人々の日常、スタッフたちの姿が丁寧に書かれています。「国境なき医師団」のことを知ってほしいです。あなたの寄付が救いになります。
白川さんの1冊めの本よりも、一人一人の難民に焦点を当てた内容でした。患者さんそれぞれには強みがあって、医療をしている側が患者さんから勇気や希望をもらえることがたくさんあるんだなとわかりました。そして、日本に帰ってきてすごく平和だけら、安心するのではなく、心身にトラブルが生じてしまうことを知り、上手く...続きを読む変えていかないといけないのではと思います。
いつも聴いているpodcastの番組に著者の白川優子さんがゲスト出演していて、本書の紹介をしていました。 白川さんは現在「国境なき医師団(MSF)」日本事務局に採用担当として勤めていますが、18回の派遣経験を持つ看護師です。 以前、白川さんが著した「紛争地の看護師」を読んだのですが、そこで紹介...続きを読むされている世界各国の紛争地の実態に大いに驚きました。本書でも紛争現場の様々な立場の人々の素顔がリアルに描かれています。 同じ人間が生み出している悲惨で理不尽な人道危機。白川さんをはじめとして「国境なき医師団(MSF)」のみなさんの現地での献身的な医療支援活動には本当に頭が下がります。
白川優子(1973年~)氏は、埼玉県生まれ、高校卒業後、坂戸鶴ヶ島医師会立看護専門学校定時制課程を経て、看護師資格を取り、地元の病院に勤務。その後、国境なき医師団(MSF)への参加を目指し、英語を習得するために、2004年にオーストラリア・カトリック大学看護学部へ留学、卒業後、ロイヤル・メルボルン病...続きを読む院で働き、2010年に帰国。帰国後すぐにMSFに参加登録をし、同年にスリランカに派遣されて以来、パキスタン、イエメン、シリア、南スーダン、フィリピン、ネパール、パレスチナ(ガザ)、イラク、アフガニスタンなど、紛争地を中心に10ヶ国/18回の緊急医療援助に従事。現在、MSF日本事務局で採用業務を担当している。 本書は、『紛争地の看護師』(2018年)に続く著書で、2022年に出版された。尚、初出は、集英社ウェブイミダス「『国境なき医師団』看護師が出会った人々」として、2018~2021年に連載されたものである。 前著では、白川さんがMSFの看護師になった経緯を含め、これまでの活動について概ね時系列に書かれていたが、本書では、活動の中で出会った患者や現地の人々、医療や支援を行う仲間、派遣地の暮らしなどについて、赤裸々に綴られている。 私は、前著を読んだときに一番印象的だったのは、世界中の紛争地にこれほど頻繁に赴き、医療活動を行っている白川さんが、実はとても普通の感性を持った人だということだった。そして、本書の中でも、(強い信念がなければこうした活動などできないことは大前提としても)「私だって本当は行きたくないのだ」と書いてしまうのだが、それ故に、紛争地で起こっていることが、別世界の出来事などではなく、我々が当たり前に過ごしている日常につながった所の出来事なのだということを、一層強く感じるのである。 また、白川さんは、現場での医療行為が、その根本原因となっている紛争を止める力になっていないというジレンマを感じ、ジャーナリストへの転身を考えたことがあったものの、シリアのイドリブ県でのある女の子との出会いをきっかけに、ひとりひとりに寄り添える看護の力に気付いたと書いているが、そうした思いが現場に不可欠の医療を支えていることがよくわかる。 私は従前より、国家・民族・宗教間の対立に強い関心を持っており、自らプライベートかつ一人で、(米国が大使館をテルアビブから移転する直前の)エルサレムとヨルダン川西岸(ガザは当時でも入れなかった)に滞在したこともあるが、こうしている間にも、ガザやウクライナ(や、日本では報道されることすらない世界中の紛争地)で、市井の人々が戦火に苦しんでいることに胸が痛む。本書冒頭には、白川さんがガザの街中で人々に囲まれている写真(2015年か2016年)も載っているが、彼らは今も無事だろうか。。。 遠く離れた日本に住んでいる一般人にできることは、関心を持つことに(ほぼ)限られるが、その関心を持つためにも、一度は読んでおくべき類の一冊だろう。 (2025年9月了)
「紛争地の看護師」に感銘を受けて、本作も読んでみました。筆者の白川優子さんは「国境なき医師団(MSF)」の手術室看護師として主に諸外国の紛争地でもある、シリア、南スーザン、イエメン、パレスチナ等に派遣された経験を持っています。 前作との違いは、同じエピソードでもより住民目線で描かれています。白川...続きを読む優子さんのお人柄にも触れることができ、看護師だからできることがあると言っておられますが、私は彼女だからこその支援ができているのではないかと感じます。彼女が関わった患者さんやその家族、医療関係者…表情がやわらかいんですよね!掲載されている写真がカラーだからというのもあるけれど、それだけではないと思います。興味を持って読めたのは、イスラム教徒の女性が黒い布(アバヤ)で全身を覆うのはなぜかとか、派遣された国での白川さんの生活の部分です。 ただ、やはり世界に紛争地があること、そして日々住民が恐怖に慄き、受けるべき医療が受けられない現実もあるということ…、その地で日々身を粉にして働いている、白川さんのような頼もしい存在がいることを忘れてはいけないと思いました。
MSFについていろいろわからないと思っていたことがよくわかった。活動に加わりたい思いもあるが、キャリアを積んでいくこととのバランスを考えると難しい、、というのがやはりこの本を読んでの今の思い。まずは技術修練を積むしかないのだが。
待ちに待った白川優子さんの著書。 ほぼ泣きながら読んだ。なんと尊い方なんだろう。その生き方が羨ましくてたまらない。もちろん真似できるものではないので、こうやって著書を読ませていただくことができてありがたい。 信頼する医師との出会いのお話も素晴らしかった。素晴らしい出会いは何物にも代え難い。
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紛争地のポートレート 「国境なき医師団」看護師が出会った人々
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白川優子
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紛争地の看護師
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