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急速な近代化によって「なぜ」「どうして」を放棄し、都合の悪いことには「仕方ない」と目をつぶってきた日本人。いま日本人に必要なことは「鈍感力」ではなく、「感じる力」を磨くこと。観察することを職業とした写真家が、スポーツ、道具、俳句、映画、音楽、写真などから豊富な例をあげながら、未来への警告を鳴らす。浅井流「モノの見方」の裏に、本当の幸せを探すヒントがいっぱい。
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Posted by ブクログ
渡辺淳一著「鈍感力」に対抗しているのか。浅井慎平氏は日曜朝のサンデーモーニングでもお馴染みの有名な写真家。自分探しってある時期になると若者たちは一斉にやりたがるんだけど。ボクもそのクチだったからあんまり言える立場じゃないけど。著者が言ってるように自分を探すんじゃなくって人を知るとか他人の中に映る自分...続きを読むをまずは探さないと。それは甘いだとか逃げてるってすぐ言われちゃう。まるでちっぽけな自分。惨めで孤独な自分。否定されてコテンパにやられてこそ自分。墜ちよ墜ちよなんて昔誰かさんも言っていたように。そっからが第一歩。そっからは逃げちゃダメ。ちゃんと何かがわかるようになる。すごくよく理解できる。30になっても40になっても50になっても死ぬ間際まで自分を見つけられずに探している人もいる。本来それがフツウ。それは不幸でもなんでもない。探しに出ただけ勇気があったと思える。ちょっと冒険だったけど確かなものが残る。自分は自分の中にはいない。
著者である浅井愼平氏は、私の母校(中学・高校)の出身者の中で、おそらく一番の有名人である。一番の有名人といっても、あまり有名でないのが悲しいのだが…。プロの写真家として昔から活躍しており、私が中学生の時、文化祭で彼の講演会を聞いた記憶がある。 ちなみにこの本は、題名こそ渡辺淳一氏の「鈍感力」へのアン...続きを読むチテーゼとなっているが、内容は渡辺氏の著書とはほとんど関係なく、著者の人生観をまとめたエッセイである。写真家などの芸術家は、鈍感ではとても勤まらないから、物事をもっと敏感に感じて欲しいと願うのかもしれない。
一体この本の主題は何だろうと思うほど、内容が複雑である。美術論でもあり、社会学でもあり、多くのことが書かれているが、終始一貫しているのは、観察力を大切にしたほうがいいということ。 ただ、複雑とはいえ、丁寧に書かれており読みやすく、勉強になることが多い。
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