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「お金をもらうなら、ちゃんと仕事をしろ。ここは戦いの場である」「菓子作りの精神は、30年たってもブレない」「甘ければ甘いほど、素材の味は出てくる」……。多くのパティシエに影響力を持つ洋菓子界の第一人者、河田勝彦(オーボンヴュータン)が、これまでの職人人生で感銘を受けた11個のフランス菓子を題材に、「菓子職人」として歩んできた人生と菓子作りの哲学や情熱を語る。カヌレ、シュークリーム、マカロンなどの「レシピ」や仕事場の写真を多数収録。
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Posted by ブクログ
「菓子屋」としての誇りと信念がひしひしと伝わってくる名著です! 何気なく食べているお菓子も、絶妙な計算の上で成り立っているんだなぁと感激しました。 この本を読んでからオーボンビュータンに行ったら、お菓子大量買いしちゃうこと必至。
世田谷区尾山台のオーボンヴュータンのオーナーパティシエ河田さんのフランス修行から始まる話。 フランスでの初めの三年間は、よけいなまわり道ばかり、一カ所の店に長く勤めることができない。一週間あれば自分の持ち場の作業は出来るように。だって毎日同じことの繰り返しだから。一カ月も居ると店全体の流れが掴めちゃ...続きを読むうから、もう飽きしまって、それ以上その店での仕事が続けられなかった。 「勝手に僕がフランスという国に来ているのに、日本人である自分の意見をフランスで通すなんて不可能。フランスで学びたいことがある以上、僕が変わらなければ仕方がない」「本から得るものは大きいよ」と、店の若い子たちにも言ってる。そして、本を買うのならフランス語で、写真がついていない文字だけの、難解なものを買いなさい、と。辞書を引きながら、見た目はこんな感じだろう、味はこんな感じかなあと、自分なりに想像することで夢中になれる。これが日本語であれば、苦労もせずに簡単に予想がついちゃう。考えないと、その面白さは生まれない。
著者で、パティスリー「オーボンヴュータン」店主の河田氏は1944年生まれ。菓子職人をめざし、渡仏して修行し、帰国してお店をひらき、っていうエピソードが書かれているのだけれど、いやいや今とは時代が全然違うー。フランス菓子なんて日本人はほとんど見たこともなかったわけだし、フランスでの修行だって、お金がな...続きを読むくて和食屋で働いたり、パリ五月革命に遭遇したり、ブドウ狩りのアルバイトで奴隷のように働かされたり、すごい苦労があったようでびっくり。でも、そんな苦労はさらっと書かれていて、それよりもっと、何度もくり返し書かれている菓子職人としての心がまえや情熱、働くということついて、仕事のしかた、などなどになんだかいろいろ感動してしまった。お菓子づくりの専門的な話も、食べる専門のわたしでもすごく興味深く読めた。食べるなら、こういう人のつくったお菓子を食べたい!と強く思った。11のお菓子にまつわる思い出や思い入れのエピソードもよかった。今はやりのスイーツというより、伝統的なフランス菓子という感じなのもいい。お菓子の本というと、やっぱりレシピや、カラー写真でのお菓子の紹介が多いけれども、こういう読みものとしてのお菓子関係の本をもっと読みたいなと思った。いろんなパティシエの修行話とか。(この本を読んでいて、フランスの地方の伝統菓子を復活させたというピエール・エルメ氏に興味がわいて。レシピじゃないエルメ氏の本が訳されたらいいのに)。オーボンヴュータン、わたしは一度しか行ったことがないんだけれど、またすぐにでも行きたくなってしまいました。
河田勝彦さんの自伝的著書。 初めて顔を知りましたが、町のおっちゃんぽくて親近感… 結構毒舌な感じですが、おいしいお菓子を食べてほしいという 想いがビシビシ伝わってきて、こっちも「よし一生懸命食べる!」 という気になりました(笑)
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