無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
観音像はいかに平和を象徴する存在として広く認識されるようになったのか。近代以降に美術概念の影響を受け制作されるようになった観音像は、寺院や墓地のように従来から仏像が設置されてきた空間だけではなく、公園などの公共空間にもモニュメントとして建立された。戦前から戦時期には興亜や戦死者慰霊の観音像が多く建立され、大東亜共栄圏を象徴するモニュメントという時代性も背負うことになった。
戦後、戦争死者の慰霊や地域の復興などを目的に、観音像は平和を象徴するモニュメントに姿を変えていき、ランドマークとなる巨大な観音像も作られていった。また、平和観音の寄贈活動、硫黄島やレイテ島に建立されたマリア観音など、ほかの尊格の仏像とは異なるユニークな活動もみられるようになった。
戦争や社会状況、人々の信仰や思いを背景に時代ごとに性格を変えながらも、平和の象徴として共通認識されることでモニュメントとして独自の発展を遂げた観音像の近・現代史を描き出す。
Posted by ブクログ 2022年01月23日
めちゃくちゃ面白いし綿密な観音像の調査に圧倒された。
個人的な関心事として「羅漢信仰は近代以降どこへ行ったのか?」があるのだが、マリア信仰と観音像の身体性が一致したことに1つの答えがある気がする
あとタウトが巨大観音像を「キッチュ」なものとして嫌悪感を示したそうだが、多分マツケンサンバとか見てたらタ...続きを読む
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。