勿忘怪談 野辺おくり

ひびきはじめ

懐かしや、恐ろしや。

記憶の抽斗をそっと開けて覗く
昭和レトロ実話怪談!

田んぼに裏山、井戸にお宮、
三軒長屋に駄菓子屋さん。野良犬が自由に闊歩し、サイドカー付きのバイクが土埃をあげて走っていた昭和。
その時代に子供時代を過ごした体験者たちの記憶から零れた懐かしくもぞっとするレトロ怪談を中心に、現在の一風変わった怪現象、不穏な恐怖譚を集めた実話怪談集。

・畳の縁に整然と子供が並べた玩具。葬列のような不気味な光景は不吉な予兆…「野辺おくり」
・祖母の田舎で一緒に遊んだ全身緑の異形…「スーパージェットマン」
・井戸に落ちた獣を弔って以来、家の土間に何かが来る…「井戸」
・小学生女子4人で行った降霊遊び。順番にし、の先にある文字は…「キューピッドさん」
・山中の廃墟の裏に転がる桃と泣き声…「廃スナック」

他、恐怖と郷愁がジワリ迫る46話を収録。

• カテゴリ: 小説・文芸
• ジャンル: 小説 / 国内ホラー
• 出版社: 竹書房
• 掲載誌・レーベル: 竹書房怪談文庫
• ページ数: 224ページ
• 電子版発売日: 2021年11月29日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 1MB

[ブクログ · ★★★★★]

昭和レトロ怪談というから読んでみたが、わりと年齢のいった提供者達から採録しているので、自然と昭和の出来事になっているのだろう。いつの時代にもありそうな話が多かった。強いて言えば「キューピッドさん」は昭和時代に流行ったものだし「駄菓子屋さん」は昭和の光景だし、「アンカーボルト」は町工場があちこちにあった下町の風景だろう。「スーパージェットマン」は神社で遊ぶのは昭和の光景だが、正体はなんだったのだろう。連れていた男の子も何者だったのか。昭和の時代はまだ異界と現世が密接に繋がっていたのだろうかと考えさせられる。