海上護衛戦
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海上護衛戦

小説・文芸
880円 (税込)
440円 (税込) 10月22日まで

2pt

4.7

海軍で海上護衛総司令部参謀をつとめ、シーレーン(海上交通線)確保の最前線に立っていた著者がその戦略を綴った護衛戦の貴重な体験記。現代日本の防衛を考える上でも欠くことのできない記録である。

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海上護衛戦 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    貴重な史料だし、ある海軍参謀の仕事に関わる読み物としても非常に面白い。血湧き肉躍るようなものではなかったとしても。
    日本は英と違って海上護衛の考えが著しく乏しかった。兵站線を考慮せず戦線を拡大した日本は、船腹喪失が増えても護衛に関しての着眼がなく、護衛総司令部はできても十分な兵力があてがわれず、状況は改善しなかった。レイテ沖海戦など航空戦力を失い、丸裸で特攻のような使い方をしたが、これを護衛に回していたら勝てないのは変わらずともまた戦争は違った様相を呈していただろうと思う。
    中央の参謀でジリジリと部隊がやられていくのを見てるのはどんな気分だろうか。心臓が強くなければ務まらないな。
    軍令部の連合艦隊東京出張所とか天皇の側近気取りといった批評も初めて知り実情が少しわかった気がした。いつまでも艦隊決戦にとらわれてまともな思考ができていなかった海軍の参謀たちというところも。

    0
    2025年06月14日

    Posted by ブクログ

    ローマ帝国一千年の礎は諺にもある通り「全ての道はローマに通ず」である。即ち平時においても戦時においても兵站・輸送は国体の護持に欠かさざるものであることを歴史において証明している。著者は、日本という海洋国家がいかに海上輸送を確かにしなければ開戦な能わずを主張していた。当時の日本の才ある人々が帝国海軍の中にあり、様々なデータを元に日本が戦うべきか戦うとしたらどのように戦うべきかを論じていた。後世から観ると軍の暴走やメンツばかりで論理的な勝算があったかわからない先の大戦であるが、開戦の是非は別にしても少なくとも数字的な根拠はあったことが本書によりわかる。おそらくこの数字的なベースが山本五十六をして短期決戦を条件に開戦に踏み切らせたが、その数字的な根拠もかなり条件が規定されていて、緒戦の好結果で浮足だち足元を忘れた帝国陸海軍のますますの専横、特に連合艦隊本部の決戦志向が海上護衛による輸送の確実化を阻み、輸送路の遮断による後方の国体の維持を不可能にしていったことが本書によりこくめに描かれる。この南方輸送の遮断は、原料不足による工業力衰退、そして支援物資の欠乏を出来させて敗戦への一本道へ誘ったのである。対する米国は、日本という国家を知悉しており、海上輸送こそが国家の生命線であり、これを破壊することこそが勝利への道であることを開戦より心得ており、これを徹底した。その本気度は米国潜水艦による補給線の遮断に投入された潜水艦数からも明白であり、しかも投入された潜水艦隊がドイツが得意としたウルフパック戦法を習熟していたとなれば質・量ともに日本を圧倒していたということになる。一方、護る日本の方は海上護衛というには護衛艦艇の割り振りや対潜水艦戦の習熟度と全てに後手を踏んでおり、ほぼ丸裸に近い状態でこれでは輸送していたのが実態であり、これでは先細るのも必定であった。
    本書を戦記として読むのもいいが需要と供給の供給側の戦略として読むと啓示に富む。売り上げが亢進すると生産量が上がり、既存生産力や原材料供給では足りなくなり、その確保がないと早晩売り上げが落ちていくという経営工学にも相通ずるところがあり、大戦という国家を上げた一大プロジェクトにおいてもその原理原則は変わらないという証左である。勿論、戦争というプロジェクトはやらないという選択肢を選べなかったことが最大の間違いであったわけであることは揺るがないのであるが。

    0
    2018年04月10日

    Posted by ブクログ

    資源(石油)獲得の為に、始まった戦争であるにも関わらず、決戦重視で資源輸送への意識の低さの実態がよくわかる本。
    戦争当初から、海上護衛やロジスティクスに対する意識が高かったとすると、どういうような戦争過程になっていたかという想像にかられる。
    潜水艦による商船・タンカーへの攻撃が、日本のロジスティクスを破壊していったことがわかるが、当初から護衛&護衛戦略をつけていたら、潜水艦からの被害がどこまで減らせたか興味がさらにわきました。

    0
    2014年11月13日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    徴用船舶の護衛を担当した海上護衛総司令部の参謀であった大井大佐による、シーレーン防衛の重要性を説く本です。

    潜水艦・航空機の本格活用に伴い、物資を搭載した船舶を敵の通商破壊からエスコートすることは戦争を継続していくためには不可欠ですが、日本海軍は運用思想の相違からそれを重要視していませんでした。

    詰めの甘さからくる楽観視や後手後手の対応、海上護衛の観点から見る連合艦隊の柔軟性の低さによって、貴重な人命と資源が簡単に海に沈んでいきます。

    連合艦隊がいかに戦い、そして散ったかを書く本は多いですが、敗戦の直接の原因の一つである補給について個人名を出しながら痛烈に批判する本著は、海自がシーレーン防衛を最重視している理由を理解できます。また、華々しい連合艦隊の裏で、彼らを支えるために沈んでいった多くの船員たちの戦いを知るきっかけになるでしょう。

    0
    2014年08月21日

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