あらすじ
この十余年に描かれた膨大な作品群から、もっとも重要な短篇を作者自らセレクト。
書き下ろしの解題では、創作の背景や自身のルーツが仔細に明かされる。『明日また電話するよ』に続く自選集。
山本直樹1万2千字インタビュー「水と夢と家族」収録
【目次】
渚のアルバム
便利なドライブ
田園
日々の泡
ファンシー
奥さん、いいじゃないですか
夕方のおともだち|前編
夕方のおともだち|中編
夕方のおともだち|完結編
学校|前編
学校|後編
山本直樹1万2千字インタビュー「水と夢と家族」
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
佐々木文庫より。ちょっと南Q太を一服して、他のものが読みたいな、となったので、手に取ったのは、山本直樹で。僕、ずっと、江口寿史とかと混同してたな、この人。ということに今更気づいて。全然違うな、と。むしろ大友克洋っぽいな、画とか線が、と。エロいんだけど、それだけじゃないのがすごいな、と。だから、そそる感じはないんだな。でも、いいんだな。(11/5/2)
Posted by ブクログ
<内容紹介>
不安の残像──著者自身が認める、ベスト・ワークス。
この十余年に描かれた膨大な作品群から、最も重要と思われる短篇を作者自らセレクト。
書き下ろしの解題では、創作の秘密や自身のルーツがはじめて明かされる。
山本直樹の精髄が凝縮された、異彩の書 。
単行本発収録のカラーページも必見の、『明日また電話するよ』に続く自選集。
Posted by ブクログ
山本直樹の作品を初めて読んだ。杉野さんが好きな理由が少しわかった気がする。この人のマンガに出てくる人たちは、何かが足りてなくて、なんとなく寂しそうだ。それがすごくいい。
Posted by ブクログ
表題作がとくに鮮烈です
かなり残酷で痛々しい描写なんだけれど
会話からにじみ出る距離感とかにすごく心を引きつけられます
けして美人じゃないけれど、ミホ女王様のその自然さに
とても色気と魅力を感じました
いいおんな!!
Posted by ブクログ
またしても、読んだことない作品は二つぐらいしかなかった。でも、私の好きなペンギンの出てくる話が収録されていて、しかも、それが伊藤整の日本文壇史からインスパイアされて作られたことがわかって、よかった。前には、元ネタは秘密と書いてあったので。
Posted by ブクログ
自選短編集の第2部。表題作は、フラグメンツの第1巻に収録されたものでした。
山本直樹は、少年少女たちの日常の焦燥や諦念をとくにエロを中心にして描くわけだが、そこに非日常的・現実的な現象を混ぜ込むことがしばしばある。たとえばある登場人物が何の前触れもなくコマから消える、あるいはそれまでのセックスの相手が次のコマでは別の人間に変わっている。それ自体は作中においては日常の延長的なな事象にすぎないが、これがあるがゆえにひとつのファンタジーとして成立する。日常性と非日常性を架橋するその仕掛けが、山本直樹の作品は他とは異なる理由でありただのエロ漫画にならない理由なのだと思う。