【感想・ネタバレ】禁忌山荘【母さんと僕だけの世界】のレビュー

あらすじ

「母さんとひとつになれた……夢が叶ったんだね」生まれ出でた場所に男根を埋め、怖々と腰を振る直人。ひと気のない山荘を訪れた母子を襲った想定外の大雪。外界と遮断された極寒の世界で肌を温め合ううち、欲情を催した息子に流され、和花は禁忌を犯してしまう。愛に目覚めた母子は恋人同士のように互いを求め合い……

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匿名

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ただ只管の《母子相姦》。

官能小説の中で、近親相姦(今作の場合は実母子)をテーマとする作品いうのは、その《禁忌(タブー)を侵す背徳感》をいかにして読者の感情に訴えて、興奮度を上げさせると云うのが一番重要なファクターだと考えるが、そういう意味において本作は「ほぼ0点」だと言える。
それは、当の母子間がそういう《背徳感情を愉しませてしまっている》からだ。当人達が勝手にどんどん進めていって、率先して楽しんでしまっているから、読者によっては『置いてけぼりに遭った』様な感想になる方も少なくないと思われる。
ただ『とにかく半端無い快楽感が早く欲しいんだから、四の五の言わずにヤッちゃえば良いんだよ』と考える読者には、《前置きや心理的葛藤がゼロ》の本作は「手っ取り早くて愉しめる作品」に映るのであろう。
そういう意味で〈読者を選ぶ〉作品で有るのは間違い無いし、好みが分かれるところに有るのは致し方有るまい。

ただ、昔の様に手練れの小説家が活躍していた時代と比べれば、その《官能表現》に於いて「隔世の感」を感じてしまうのは本当に寂しい。つまり文章表現に於いて《国語力から見直した方が良いと思えるくらい》、現在の官能小説界は稚拙さが酷く目立つと云う事だ。〈LINEのやり取りの延長線上〉の如き文章力では、心から読んで愉しめる域には、自分の様な歳の人間から見れば《お話に成らないぐらい程遠い》としか見られない。

この業界において〈文章表現に何らかの規制が掛かっている〉と言うのなら話は別だが、文章表現にイチャモンを付ける手合いに対しては、憲法で保障されている《表現の自由》で対処すれば良い筈だ。
とすれば、『チャンとした書き手の不在』は本当に嘆かわしく感じるところである。かつての手練れ作家も〈大御所〉の様に成り、往時の冴えの有る作品は望めない。こんな話で恐縮だが〈日本人の国語力の低下〉がこんなところに現れているのではと考えると本当に情けない気分に陥る。
本書がそうだとは言わないが、LINEやnoteで「書いてみた」程度の、筆力以前の問題であるような駄作を『スゴい新人が出て来た!』と宣伝している出版社の方々には「お気の毒」と伝えると共に「チャンとした作家を育てて!」と心から祈るばかりだ。

#ハッピー #アガる #スカッとする

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2025年06月26日

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