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一行一行、蟹の味がするようでしょう――。向田邦子から村上春樹、三島由紀夫からエラリー・クイーン、芥川龍之介から江戸川乱歩など、水のようにたゆたいながら広がっていく連想。“本の名探偵”によって、古今東西の作品や人物が、時空やジャンルを超えて縦横無尽に結びつけられていく。そしてその先に待つ、豊穣な時間。やがて物語の舞台は、泉鏡花の故郷・金沢へ。泉鏡花文学賞受賞作。(解説・野崎歓)
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Posted by ブクログ
作品派なので作者には興味ない、と言いつつ、個々のエピソードに惹かれる。本の話とは作者の話でもあり、そこには作者への敬意と優しさがある。落語が好きな人らしい三段話とサゲのある筆だった。
読み始めて、雪月花の続編と気付いた。縦横無尽に本に関する話題が続く。だから纏まった感想を述べるのは難しいので、散文的に記す。 ・橋本治が落語を知らかったのではという指摘。嘘だろうと思った。橋本さんには歌舞伎や文楽のことを随分教えて貰った。ちょっと信じられないが、小林信彦の読みの方向として過っている...続きを読む訳ではないという。 ・その小林信彦の「悪魔の下回り」。落語の言い回しが随所に使われている。小林さんを50年以上愛読しているが、この本は随分前に読んだので、細かい箇所は忘れてしまった。悪魔の下回りは大阪に澤田隆治を訪ねてきた小林信彦を香川登枝緒が評した言葉とのこと。痩せて黒づくめだったという。 この対面については、小林さんの立場から日本の喜劇人に記されているのを読んでいる。北村さんほどではないが、それでも自分の範疇にある話があると嬉しくなる。 ・作家と編集者のやり取り。米国でも編集者がかなり原稿に手を入れている。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーの名も出てくる。作家は書くべきものを知っているが、どう表現するかを知っているわけではないと。 ・後半の私的かるた作り。いろんな小説の印象的な一文を抜き出したかるた。編集者や編集長と語り合う。つまり同好の士ということか。僕でも判るのがあると嬉しくなる。読んだ本なのに答えが判らないのはちょっと悔しい。 ・最後は徳田秋声について。記念館と縁が出来、金沢を訪ねる。徳田秋声は読んだことが無い。室生犀星も「蜜のあわれ」を映画化のときに読んだだけ。読んでみようかな。
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