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己は人間として「失格」なのだと断ずる男・大庭葉蔵は、三つの手記と三葉の写真を残して消えた。1948年、入水直前の太宰治が筑摩書房の雑誌「展望」から放った異端にして普遍の世界的人気作。初版単行本表紙&本作冒頭の直筆原稿を掲載したカラー口絵付き。
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Posted by ブクログ
2026/02/01 神に問う。無抵抗は罪なりや? 堀木のあの不思議な美しい微笑に自分は泣き、判断も抵抗も忘れて自動車に乗り、そうしてここに連れて来られて、狂人という事になりました。いまに、ここから出ても、自分はやっぱり狂人、いや、癈人という刻印を額に打たれる事でしょう。 人間、失格。 もは...続きを読むや、自分は、完全に、人間で無くなりました。
内なる葛藤が激しく、脆く、恐ろしい。周りと違うことを憐れんでいるようで、己を特別な存在だと思っているようにも見えた。そんな穿った見方をするのは私の歪みだろうか。身に覚えがあるからか。叫びのような言葉を浴び続けてしばし放心。圧倒されて夢中で読み耽った。最高。
人間失格は新潮文庫で3回読んでるが、帯の場面が大好きなのと他の人の解説を読みたくて購入。自分へのクリスマスプレゼント。 帯の「それは世間が許さないではない。あなたが許さないのでしょう」という場面が1番好き。ずっと心に残ってる。筑摩書房がそこに焦点を当ててくれてこの上なく嬉しい。SNS上の不毛なやり取...続きを読むりにも通ずるものがある。 古典の条件は時代が変わっても新しいことにあるというが、その定義でいうと人間失格は間違いなく古典。解説にもあったが、現代の問題意識に通ずるものがある。 解説も名文だったな。気軽な気持ちで読んで欲しいというのが頭に残っている。筑摩書房と太宰の関係も知れてよかった。
人と関わることへの恐怖や自己否定の感情が、痛いほど率直に描かれていると感じた。 主人公は常に他人の顔色をうかがい、道化を演じることで社会に適応しようとするが、その姿は次第に自分自身を追い詰めていく。 有名なフレーズ、「恥の多い生涯」という言葉に象徴されるように、主人公が自分を許せず、社会からも切り...続きを読む離されていく過程は、弱さや醜さを隠さずにさらけ出す語り口でやや不快ですらあるが、その正直さゆえに強い説得力を持っており、それに惹かれ読み込んでしまう。 暗く救いのない物語でありながら、人が人として生きることの難しさを突きつける作品である。 読む側の心の状態によって、共感にも拒否にも変わる点が、何度も手に取り、読んでしまう理由なのだろう。
大学を卒業する前に読んで以来、2度目の『人間失格』 前回は新潮文庫のを読んで、以下のような感想を記していた。 /「名作」と言われているので、タイトルに惹かれたのも含め、ずっと読みたかった。 読みやすかったけど、しっくりこなかった。 また年を経て、読み直したい。/ そこから社会に出て幾年経って打ち...続きを読むのめされた私は、この作品に共感せられるようになった。 完全に自分のことを書いている、とは思わないが、分かる部分が多くて、自分の内面をこんなに描写してくれた太宰に感嘆した。そして、自叙的なんだけど、あくまでもフィクションの小説に仕立てるあたりは、読み終えてため息が出た。 (ただ、追い詰められてにっちもさっちも行かなくなって薬物に溺れていく描写には、読んでいて心臓が早鐘を打つ感じがして、恐怖を覚えて少し手を止めたりはした) ここで、母と友人の『人間失格』への印象を記す。 母「あれでしょ、クズでどうしようもない男がぐちぐち言っているやつでしょ」 友人「数頁読んで面白くないと思った。つまらんなあって」 私は、母と友人のそれらの感想を聞いて、そして彼等の私から見えうる性格を鑑みて、妙に納得した。特に友人は、私より賢く、健康的で、現実的に考えて生活をしていると思えるから、そういう感想をもって然るべきと思った。そして、私はその友人を尊敬して頼りにもしているし、気も合う。 ただ、私は現実的より情緒的に生きているというだけのことだ。だから、太宰作品の暗さを、内面をえぐっていくどうしようもなさを、自分との共通部分として面白く感じることができる。 それが、いいとか悪いとかはない。少なくとも生きづらい。でも、太宰作品を楽しめる。 私はそういう人間である。 -- 人間に訴える、自分は、その手段には少しも期待できませんでした。父に訴えても、母に訴えても、お巡りに訴えても、政府に訴えても、結局は世渡りに強い人の、世間に通りのいい言いぶんに言いまくられるだけの事では無いかしら。
大なり小なり人間は仮面をかぶっている。主人公は幼少期にそれを隠しながら生きていく。周囲を喜ばせるためのおどけをやったり。自分にも思い当たるところがある。自分の子供もそのような行動を幼児の時からやっている気もする 初めてのオーディブル小説。ナレーションもよく大変満足
葉蔵の孤独や生きづらさは、本当に特殊なものなのだろうか? 自分は「世間」とは何かがどうも異なる。決して理解し合ったり心を許すことができない。だけど道化で「世間」に紛れ込む。 誰かの書評を見て、自分と主人公は重なる部分があるのではないかと思ったことがこの本を読んだきっかけだった。 葉蔵は容姿に...続きを読む恵まれ、面白いことも言える。これは、人間社会で生きていく上で大変な武器だと思う。たとえ自分と世間との隔たりを感じても、葉蔵は社会に受け入れてもらえているではないか。だから葉蔵はなんて贅沢なんだろうと思った。 でも、容姿が良かったことがかえって葉蔵を甘やかし、不幸になってしまったのではないかと思う。女性から言い寄られ、かりそめにも孤独を癒すことができてしまった。自分から努力して相手を理解する必要が無かった。自分が優しくしなくても、葉蔵は誰かに救ってもらえた。 ヒモのようになってしまえば、一生懸命働く必要も無く、現実的な悩みが少ないため、悪く言えば暇で、より葉蔵の関心は内に内にと向かってしまったのではないか。 自分の内面を見つめすぎて、囚われすぎてしまうと、どんな人でも破滅できてしまうと思う。 葉蔵が「こうである」と評価した周りの人々1人1人は本当にそれだけの人間だったのだろうか?例えば捕まった時に話しかけて来た刑務官や、その後面倒見役になった人など。 葉蔵は「優しい」と評されていたけど、一緒に自害しようとした女性のことを何とも思わなかったり、その女性の家族のことも考えず、恐ろしいほど人に無関心で薄情だと思った。 それこそがこの本のテーマだったのだろうか? 葉蔵の1番の生きにくさは、人に関心を持てないことでは無いか? 一回では理解しきれず、感想が難しくうまくまとまらなかった。 けど、同じ境遇でも、葉蔵が容姿に恵まれていなかったら、もう少し平凡に生きれていたかもしれないとは思う。
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