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  • 試される民主主義 20世紀ヨーロッパの政治思想 (上)

    試される民主主義 20世紀ヨーロッパの政治思想

    ビジネス・実用

    3.0
    1~2巻2,860~3,080円 (税込)
    ウェーバー,ルカーチ,シュミットから,サルトル,フーコー,ハヴェル,ハーバーマスまで,二〇世紀ヨーロッパを舞台に,民主主義をめぐって数々の思想家たちが織りなしたドラマ.戦間期を扱う上巻は,民主主義の新しい思想的実践とその挫折を描く.戦後を扱う下巻では,冷戦下で三つの民主主義が競合し,文化変容を遂げる世紀末までを扱う.

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ユーザーレビュー

  • 試される民主主義 20世紀ヨーロッパの政治思想 (下)

    Posted by ブクログ

    民主主義は、一次大戦とロシア革命を機に新しい思想と実験が始まり、ファシズムと二次大戦を経て、ソ連型社会主義と西欧型社会民主主義、それにキリスト教民主主義が三つ巴となって展開していく様を丁寧に記している。完全には理解できなかったが、勉強になった。
    「決定権力を、資格ある専門家にではなく、無資格の労働者に与えても意味がない」p35
    「自由民主主義の安定を脅かす最大の脅威: リスク、不確実性、無知の3つの悪(ケインズ)」p37
    「戦争が国民をより均質化し、国民内部の階級差を減少させた」p43
    「社会主義は、その指導者がいかに人道的で善意に満ちていても、必然的に、計画を担う中央の権威を樹立することになる」p48
    「全体主義にならぬ社会主義はありえない」p49
    「社会主義と全体主義は絡み合って分離できません。どちらも目的は国家崇拝なのです」p50
    「(対ナチスの戦争)個人の権利を堅固な岩の上に樹立するための戦争であり、人格の高い水準を打ち立て、蘇らせるための戦争(チャーチル)」p55
    「(スカルノ)自由と解放は世界で特に恵まれた国民だけのものだろうか。インドネシア人は、オランダ人がインドネシアを支配することが正しいのに、ドイツ人がオランダを支配することがなぜ不正なのか、決して理解できないだろう。どちらの場合も支配する権利は純粋な強制力に依拠しているのであって、人民の承認に則っているのではない」p56
    「(チェコ共産党 デニェック・ムリナーシ)我々には政治的経験が欠けていた。我々の唯一の経験は戦争とナチのチェコスロバキア占領であり、その時期の半分は、我々はまだ子どもだった。その一つの帰結は、一方を敵に、その相方を他方に置く、世界を白か黒かに分ける見方だった」p60
    「(ハンガリー動乱)労働者と学生のデモは暴力的鎮圧以外の方法では統制不可能に思われた」p67
    「経済は手段に過ぎない。目的は魂を変えることにある(マーガレット・サッチャー)」p144
    「高度資本主義が「民主主義」や「自由」と特に結合しやすい親和性があるなどと見なすのは笑止千万である。資本主義の支配下で、民主主義と自由が長期的にいかにして「可能」なのか、だ(マックス・ウェーバー)」p144
    「(民主主義の危機)(サミュエル・ハンチントン)あまりに多くの人々が、あまりに多くの事柄を統治から得ようとしており、その結果、過剰なまでに統治に参加することを望み、そのことが国家運営をかつてなく困難にしている」p148
    「(政府の仕事は政治家に、究極的には官僚機構に委ねるべき)システムは、システムの周りの世界をそれ自身理解可能なものとすることによって、世界の複雑さを縮減してきた。あるシステムによる別のシステムへの干渉は、どんなものであれただちに逆効果を生み出す。したがって、政府が国家行政システムの外部からの「価値」を実現できるなどと考えること自体が、一種のカテゴリーの取り違えである」p149
    「(1979)「人権」が左翼と右翼を和解させる脱イデオロギー的、あるいはむしろ脱政治的な合意のシンボルとなった」p158
    「全体主義とは一度に完全かつ最終的な確実性を獲得しようとする試みである。これに対して民主主義とは、制度化された不確実性なのである」p224

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    2019年12月02日
  • 試される民主主義 20世紀ヨーロッパの政治思想 (上)

    Posted by ブクログ

    政治思想史を専門とするドイツ人学者による20世紀のヨーロッパ政治思想史。第一次大戦、ロシア革命当時からの主としてドイツとロシアに着目し、ヨーロッパの政治思想の変遷を明らかにしている。基礎的な知識のない私にとって理解するのが難しかった。
    「20世紀は何よりも「イデオロギーの時代」と捉えられることが多い」p3
    「イデオロギーは「政治的宗教」と呼んだり、チャーチルのように「神なき宗教」と呼ぶ者もいる」p4
    「どのようにしてイデオロギーがこれほどまでに魅力的たりえたか、を改めて意識することが我々には必要である」p4
    「19世紀末にパスポート管理を行っていたのはオスマン帝国とロシアだけである」p21
    「(バジョット)われわれは民主主義に近づけば近づくほど、粗野な大衆をいつも喜ばせてきた威厳や見世物が好きになっていく」p31
    「第一次大戦は大陸の4つの帝国すべて、つまりドイツ帝国、ハプスブルク帝国、ロシア帝国、オスマン帝国を一掃したのである」p32
    「(ロシア皇帝について)当時ヴェーバーが主張したように、カリスマはカリスマであることを立証し続けなければならないのに、多くの君主は明らかにそれに失敗した」p34
    「第一次世界大戦は、2つの政治的なイメージを遺産として残したように思われる。ひとつは、国家、労働者、資本家の妥協の政治、言い換えれば、合理的な利益の追求の政治である。もうひとつは、国民を救済することに意思を集中させる、軍事化された政治である。どちらも、19世紀の古典的自由主義の否定であり、しばしば「大衆の政治への参入」と呼ばれる挑戦に独自のやり方で対応する試みだった」p49
    「ヴェーバーの正当性の三分類、伝統、カリスマ、合法性・合理性」p79
    「ヴェーバーは、党の政治機構によって支えられる「指導者型民主主義」に代わるものは、党官僚と名士が舞台裏で影響力を競い合う「指導者なき民主主義」しかない、と頑なに主張した」p79
    「労働者と農民、および都市と農村とを結合した壮大な親社会主義連合に加えて、文化的ヘゲモニーの完全な制覇を実現した国はただ一つ、スウェーデンである」p123
    「(ルカーチ・1920年)「真の民主主義」とは「形式的な自由」ではなく「連帯の精神のもとで緊密に統合され協力している、ひとつの集合的意志をもったメンバーの活動」である」p163
    「(ヒトラー)国民社会主義は、最大限の科学的知識とその精神的表現に基づいた、現実に対する立派で高度に理性的なアプローチである。国民社会主義運動はカルトの運動などではなく、むしろ、人種主義の本質そのものに対する熟考から導き出された民族至上主義で政治的な哲学なのである」p176 
    「(カール・シュミット)ムッソリーニのような独裁の方が自由主義的議会主義よりもはるかに信頼しうる民主主義の表現となる」p227
    「(ヒトラー)わたしは独裁者ではないし、独裁者になるつもりもない。国民社会主義は、議会主義のもとで堕落してしまった民主主義の理念に真面目に取り組んでいるのであり、時代遅れとなった制度がもはや国民全体との実り豊かな関係を維持できなくなったという、まさにその理由で、われわれはそれを駆逐したのだ」p227

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    2019年09月30日

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