スマ見の作品一覧

2巻も素晴らしかった！！
1巻に比べるといくぶんマイルドな内容というか、より一般寄りな散歩アレンジを紹介している感じ。

とはいえ基本は変わらず、〈にほ〉と〈まよい〉が仲良くほのぼのと散歩をする様子を尊みつつ慈しむ作品。

個人的に共感MAXなのは〈知らない街を散歩する話〉のなかの「知らない街はいつもより早く陽が落ちる」(p59)という感覚。風景のひとつひとつが新鮮で「夢中になっているからかも」(p59)というのはまさにその通りだと思うし、単純に交通移動手段に不案内な為に時間が掛かっているからというのもあると思う。「用事のない街に降り立った時　私は本来いるはずのないエラーみたいな存在で」(p5...続きを読む3)という緊張感の指摘も凄く鋭い。

〈待ち合わせに早くついて散歩すると楽しい〉という話もめちゃくちゃわかる。集合時間を決める時にやたら遅めの時間を指定してくるタイプが相手の時は、最低でも１時間は早めに現着して散策しますね。誰かと同行の出張先などで朝11時にホテルのロビー集合、みたいなゆるい日程の時は早朝から出掛けて海に行ったり山に行ったり電車に乗ってみたりと超充実。そうじゃなくても当ても無くさまようだけで満足感でいっぱい。

〈おもしを観察する散歩〉はこれまた斬新。言われてみれば確かに、街中にはおもしが沢山。「支えずに寄り添うだけのやつ」(p135)は存在が健気。


読むヒアルロン酸のような、イノシン酸のような、目を通して心と身体が潤ってくるマンガ。
3巻が待ち遠しいよ！


1刷
2024.3.17

あー、良い！これは良いぞ！！とても良い！！！

自分の散歩好きのルーツを辿ると、小学生時代に道徳の時間とかで観ていた教育テレビ『このまちだいすき』に大いに影響を受け、中学の時に購入した副教材の社会科地図帳を眺めるのが面白くて知らない街に思いを馳せ、最初に入社した会社の社用車にはカーナビなんてまだ無い時代だったので分厚い道路地図帳をきちんと読み込んで行き方を事前シミュレートするのが習慣づき、今の会社は比較的日本のあちこちに赴けるようになった事であえて寄り道したり回り道したりする出張計画を立ててうろちょろしたい欲を満たせるので、ますます散歩に精が出るようになった…という感じ。
長年の経験により我な...続きを読むがらそれなりに散歩上手であるという自信はある。

のだが、本作に登場するふたりの女の子〈にほ〉と〈まよい〉の散歩スタイルには目を見張る事ばっかり。

度肝を抜かれたのは〈剥がしアートを鑑賞する散歩〉。貼り紙の剥がし跡に注目した事はさすがに無いわ。しかもそこに美というかアート性を見出すとは感性が鋭すぎてむしろ怖さすら覚える。
〈究極の器を探す散歩〉も凄い。茶碗とか花瓶を探す訳ではなくて、地面に埋設された量水器の蓋に刻まれている‘器’の字の表記にバリエーションがある事に気付き、究極の‘器’の字を探して歩き回るという、変態の領域に首まで浸かっているかのような散歩。
かたや〈最高のおにぎりを食べる散歩〉はめちゃくちゃよくわかる。散歩のお供にはパンでも麺でもなくおにぎりなんだよ。「おにぎり持って歩くと　世界って輝いて見えるな…」(p90)というまよいの気持ちはわかりみが深すぎてこれまた怖い。おにぎりは勇気や安心の塊みたいなものだもんね。‘俺は今おにぎりを持っているんだから大丈夫だ’みたいな。具は昆布が良いな。

どうです、皆様も読んでみたくなったでしょう。
散歩が好きな方には勿論、最近ゆっくり散歩なんてしてないなという方や歩くの嫌いだなめんどいなという方にもお薦めしたい作品です。


1刷
2024.3.17

好きすぎる〜
コタツに入りながら外に出る話が一番好き
ぬくぬくなのに外は寒いのが良すぎてニヤニヤしながら読んじゃった
オマケのあるある百選も近所で見たことある〜っていうのから全然知らないものまであってこれはどういうところに行ったら見られるんだろう？と考えるのが楽しかった

散歩すると見つかるちょっとした面白いもの、これって私だけ？という想像。その一つひとつが1冊にまとまるとこんなにも良い本になるんだ、と驚きました。散歩が好きな人、街の観察が好きな人はぜひ読んで欲しい魅力満載のマンガです。

さんぽひとつでも、人間はこんなにも想像力豊かになれるんだなーと感銘を受けました。
絵もとても可愛くて癒されます。