松平誠の作品一覧

「松平誠」の「東京のヤミ市」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 東京のヤミ市
    3.9
    新宿、渋谷、新橋、池袋、上野……焼け跡となった街に、ふたたび人とモノがあつまり、立ち上げられたマーケット。「戦後東京」の原風景を形づくったと語られ、いまや歴史の中に霞みつつあるヤミ市とは、いったい何だったのか。食べるものも着るものも「あるべきところにあるべきものがない」敗戦直後、人々は統制経済の網の目をかいくぐり、生きるための商いを、そこで営んだ。ゴザの上に芋を並べた露店は、やがて電気ガス水道をそなえた商店となり、カストリと焼き鳥の飲み屋ができ、ありとあらゆる雑貨が流れ込んでゆく。そうして日々の暮らしを立て直そうとする庶民たちの「復興」は、テキ屋たちのプロデュースにより加速され、巨大な盛り場を生み出していった。丹念なフィールドワークにより都市生活文化の探究を続けてきた著者が、ヤミ市のリアルな姿を蘇らせる!【本書の内容】第一章 望遠レンズでみるヤミ市 バルーンに乗って一九四七年の東京探訪/新宿はヤミ市のターミナル/渋谷―エネルギッシュな三角地帯/新橋―巨大など呑み屋街/銀座・有楽町―ヤミ市のできない都心/上野広小路―アメ横の母体/池袋―ボランタリーチェーンの理想と現実  第二章 覗きこむヤミ市 ヤミ市建築の変化―ヨシズ・バラック・マーケット/ヤミ市の地域・建築設計―新宿/ヤミ市建築の豪華版―新橋「新生マーケット」/ヤミ市の店舗建築とディスプレイ1―昼のマーケット/ヤミ市の店舗建築とディスプレイ2―バラック長屋の飲食店街/ヤミ市の店舗建築とディスプレイ3―三階建ての夜の街/インフラストラクチャーの構築  第三章 ヤミ市にひしめく人びと 第一世代の出自/初期ヤミ市商人からの脱却/ヤミ市地下活動へ/ヤミのプロ商人/ヤミ市を生き抜く 第四章 ヤミ市料理のレシピ 「国際的なメニュー」の登場―配給では食べられない時代/洋食編/韓国・朝鮮料理編/和食編/中華料理編/ドリンク編/デザート編 第五章 太陽の下のヤミ市 ブティック/荒物屋/日用雑貨・化粧品屋/パチンコ屋/生鮮食料品店/電気器具店 第六章 新宿ヤミ市・夜のシナリオ 夜のマーケット・それぞれの風景/酒場の作法 第七章 新焼け跡再興のプロデューサー テキ屋と焼け跡商売/「組」型経営管理法/東京のカポネ/土地をめぐるヤミ市の論理 第八章 ヤミ市の生活文化論 ヤミ市文化の闇/ヤミ市の産んだ食文化/ヤミ市パチンコ屋を逆照射する/カラオケと軍歌の相似性/ヤミ市の時代を駆け抜けて 主要参考文献 ヤミ市年表 ヤミ市キーワード集

ユーザーレビュー

  • 東京のヤミ市

    Posted by ブクログ

    “i
    あるべきところにあるべきものがない敗戦直後の生活の中で、テキ屋のつくったヤミ市は、それ自身が法とはどこかで対決せざるを得ない運命を背負っていた。

    1940年代末、庶民の生活が少し落ち着きを取り戻し、物が市場に出回るようになると、ヤミ市は消えていかなければならない。そして、それが消えていく先には、1950年6月の朝鮮戦争が待っていた。”

    松平 誠 著 「東京のヤミ市」より抜粋。


    不思議なもので、かつて「ヤミ市」だった場所にはいくら時間が経っても拭いきれない泥臭さと胡散臭さが漂う。

    私は天邪鬼のせいか世の中のスマート化とクール化に逆行するように、そうした街に何故か惹かれてしまう。

    0
    2021年02月26日
  • 東京のヤミ市

    Posted by ブクログ

     江戸東京博物館の依頼を受けた著者が、新宿ヤミ市の模型復元に取り組んでからまとめられた著作。「ヤミ市の調査やデータって、不完全ながらもあるもんだな〜」と感心。話の中心は、新宿・池袋・新橋。これに上野・渋谷などが続く。新宿東口でいえば、現在の高野や中村屋の裏、武蔵野館周辺は、全てヤミ市のマーケットだった。また、今日隆盛極める「焼肉料理」の発端は、終戦直後のヤミ市にあるという指摘には、目から鱗が落ちた。(「在日の人びとが、第二次世界大戦後に、自分たちの家庭で食べていたお国ぶりの内臓料理を、そのままヤミ市へ持ち込んだのが、ホルモン料理を広めるもとになった」(172頁)。)服部之総が戦時中同じ獄舎に繋

    0
    2020年03月19日
  • 東京のヤミ市

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    ヤミ市についてよく情報を集めている。
    時空を超えて闇市の歴史が現在を作ってるところや、食い物がないと人間がどれだけカオスになるかがわかり面白い。
    現代の飽食が当たり前じゃないと謙虚にもなれる。

    0
    2024年07月26日
  • 東京のヤミ市

    Posted by ブクログ

    戦後のヤミ市の状況をデータや写真を使いながら説明。さらっと読んだだけだが、庶民の食べ物や買い物の様子がとてもよくわかる。物価、代替食、ヤミ市の場所など興味深かった。

    0
    2020年10月13日
  • 東京のヤミ市

    Posted by ブクログ

     昭和2年生まれの我が母は、『まあ姉ちゃん』のヤミ市場面見て「あのとおりだった」という。
     我が娘が小学生の頃、マジンガーZ「闇の帝王」なぜ漢字で書くのと問うた、「ヤミと書くと違法商売してるみたいだから」。GHQは「朝鮮人、中国人をできる限り解放国民として処遇」と通達。空襲や疎開移転で「空き地」となった駅前で露天営業を始めた人々がいた。餓死者続出の東京で「カネさえ出せば食える」
    場所。米軍の残飯に米を足した雑炊などもあった。   昭和21年2月「新円切替」3月「物価統制令」はあっても配給に遅配、欠配があり、まして酒は「配給ではビール年間1人1.4本」早く酔うためカストリ(米、芋などと麹を原料の

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    2025年09月28日

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