ユーザーレビュー 「追われる国」の経済学―ポスト・グローバリズムの処方箋 リチャード・クー / 川島睦保 個人的に全面賛成というわけではありませんが、積極的財政政策の中にはちょっと無理がありすぎる主張の人も多い中で、バランスシート不況論は説得力があると思いました。 600ページを超える大作ではありますが、丁寧にわかりやすく解説していてオススメしたい本です。 公共事業に関しては日本やアメリカでインフラの老...続きを読む朽化が問題になりつつあるので、それなりに有効ではないかと思います。近年の自然災害の多さを考えると整備は必要でしょう。 とはいえ旧来の公共事業的なものが今後有効なのかという視点も持つ必要があるかなと。 投資と国の金融政策は切っても切れない関係ですので、マクロ経済とかの面も含めて知識を高めてくれる良書だと思います。 Posted by ブクログ 「追われる国」の経済学―ポスト・グローバリズムの処方箋 リチャード・クー / 川島睦保 経済を専門としてるわけではないので、難しいところもありましたが、被追国の問題点や対処方法がロジカルに説明されてとても面白く読めました。 政治家の方には、桜問題などやっていないで、しっかり読んでもらいたいと思います。 しかし、本書で述べられているケース3・4のフェーズから、1・2に戻るのは、いろんな...続きを読む意味でかなりパワーが必要となりそうです。 Posted by ブクログ 「追われる国」の経済学―ポスト・グローバリズムの処方箋 リチャード・クー / 川島睦保 伝統的なマクロ経済学の基礎から始まり、それを含んだ形で著者の理論を展開しているため非常にわかりやすい。 この理論を用いると現在の国際経済を簡潔に説明することができる。著者はその上で、日米欧の不況の解決策とその効果を実施例と共に提示している。 FRBはこの理論のもとで経済政策を行なっているようで、現...続きを読むにアメリカの経済は日欧よりも順調である。 この点で根拠も十分であり、少なくとも現状成果を上げていない伝統的な経済理論と比べれば信頼に足ると思われる。 おそらく現在最も有力な経済理論をわかりやすく解説している。とても良い本。 Posted by ブクログ 「追われる国」の経済学―ポスト・グローバリズムの処方箋 リチャード・クー / 川島睦保 600ページ超の大著だけど、それを感じさせない読みやすさだった。一読を進めたい良書。 【以下ネタバレあり】 民間部門が利潤最大化を目指していることを前提とした今の経済分析・政策論議は誤りであり、人々が債務最小化を行なっている現状を踏まえた議論が必要だ。 本書の主張を一言に要約すると、以上のよう...続きを読むになる。 2008年の世界金融危機(GFC)や、日本におけるバブル崩壊よりも前の経済は、資金の借り手が豊富で、物価面ではインフレ体質だったので、金融政策が有効だった。 しかし、GFC・バブル崩壊以後はバランスシート不況になっており、政府が「最後の借り手」として減少した民間部門の資金需要を補わなければならない。 また、先進国では、自国よりも新興国の資本収益率が高い状態となっているため、企業は国内ではなく海外での投資を小なうようになっていることも、国内での資金需要減少に拍車をかけている。 「追われる国」が直面する、バランスシート不況と資本収益率の低迷という問題に対しては、財政政策で前者に対処しながら、構造改革で後者を解決するのが望ましい政策だ。しかし、日欧では財政健全化のプレッシャーが財政政策を困難位にしている。 本書のこうした主張は、既存の経済学や、今の政策のあり方に疑問を投げかけるもので、説得力も感じられ、とても興味深かった。こうした挑戦的な主張をするには、勇気もいることだろう。 本当に財政政策を拡大させて良いものなのか、素人の僕にはよくわからないけど、それを脇においても、良い本だった。 少し気になるのは、なんとなく主張が強引に感じられる箇所もあることと、同じような内容が何度も何度も繰り返されること。 後者については、重複を排除すれば50Pくらいはページ数が減るかもしれないと思う一方で、これだけ丁寧に主張を繰り返してくれるので、筆者の主張したいことがわかりやすいので、むしろ良い方向に作用していると思う。 Posted by ブクログ 「追われる国」の経済学―ポスト・グローバリズムの処方箋 リチャード・クー / 川島睦保 リチャード・クー氏の書籍は通読しているが、本書は、これまでの主張に加え、バランスシートがキレイになった後の状況についての解説が新たに加わったこと、更にその処方箋、そして貿易不均衡に関する資本移動の制約提言が加味された。バブル崩壊以降、各エコノミストの主張(構造改革派、リフレ論者など)を追っかけてきた...続きを読むが、結局クー氏の主張が一番正しかったと証明された。 Posted by ブクログ リチャード・クーのレビューをもっと見る