「決定版」は大袈裟ですが、良い意味での教科書的な内容でした。
短歌の作り方に関する本編だけでなく、付章として「三分でわかる短歌史」や「読むべき歌集歌書リスト」が付いているのも、初心者には役立ちます。
この本を読んで強く気付かされたのは、次の内容です。
・「歌を詠む時、重要なことは『不要な説明の部
...続きを読む分を削り落とし、できるだけ詠嘆を抑え、最低限の描写を入れること』である」(高野公彦氏)
・「とかく詠みたい素材を第一句に据える人があって、唐突で頭でっかちになりがちになる点を留意して下さい」(篠弘氏)
・「正岡子規が『頭重脚軽の病』といったのも、意味ありげな語句や強い心情をあらわす語句が、いきなり初句や第二句に置かれているような不安定な歌に対しての否定的評言でした」(島田修三氏)
いずれも私の苦手とするところであり、私には果たして歌など作れるのだろうかと思ってしまいました。