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碁の戦略 知らずに打てない19の秘法
2009年6月5日 初版第1刷発行
著者 牛窪 義高
発行所 株式会社 毎日コミュニケーションズ
戦略とは、2,3例を言えば、「ここで尖閣を侵犯した船長を法を曲げてでも釈放したら、中国とは一時的には穏便に事が片付くかもしれないが、将来日本の法治や筋
...続きを読むはどうなるだろうか?」「原発の耐震安全基準を震度5、津波対策の想定を5mにしておけば、基準を高くしておくより工事費が安く済む。しかし、長期的にみて本当に安くつくのだろうか?」等と、いわゆる大局を見据えて考えることである。
著者も本書のはしがきにて、「「碁の戦術」が部分的な棋理を取り扱ったのに対し、「碁は戦略」は全局的なテーマを対象にしたものが多く、やや程度の高い意味があります。それはともかく、この二冊によって、私が平素アマチュアの皆さまにお話したいとおもっていたすべてを書いたつもりです。」と紹介されています。
本書の特徴は、19のテーマに関してそれぞれ具体的事例を示しながら、プロの視点で局面の分析解説を行っていることである。”全局的に考えると”ここではどう打つのがいいのか?というトップダウン的思考からの問題解決の目を養うのが目的といえよう。棋理を扱った書ではあるが、数多ある「定理」的な棋理ではなく、「公理」的性質の棋理に重点がおかれている。
本書の扱っている内容は、根本のさらに根のような性質であるため、読者諸氏が「理解」したと思った瞬間、本当に?「理解」したのかどうか実は確認しきれない性質のものでもあるので、やっかいなのであるが、何度もレベルがあがるたびに「ああ、本当に理解した」を繰り返すたびに、おそらく本当の理解へと少し接近していく性質の話をされていると判断します。
本書で扱っている19のテーマに関して以下に列記しておきます。
1.戦う場所の問題
2.厚みを生かす
3.腰伸びをとがめる
4.攻めの要諦
5.攻即是守
6.息が切れる
7.一路の違い
8.大きな手とは?
9.切りかえ
10.部分と全体
11.タイミング
12.返し技
13.反発と気合い
14.打たずの戦術
15.相手を迷わせる
16.大模様の消し方
17.機略<ハザマトビ>
18.形勢判断
19.上達と勝利へのポイント
恐らく本書を見たことがない方でも、高レベルの方ほど「その通り!」と、わが意を得たり!の感で読み進める事になるでしょう。
まあ、級位の方も、低段の方も、”理解しよう”などという視点にならずに、「へー」「ほー」「おおお!」って読んで感じ入ってみてはいかがでしょうか?
Posted by ブクログ
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