『チャイナハラスメント』という造語は、優れている。
日本企業が 中国で 立ち往生している 大きな現象を
ひとくくりでいえば 『チャイナハラスメント』なんですね。
中国に進出する理由が たんなる労務費が安いとか
大きな市場だから、利益を上げるチャンスがあるという
安易な 進出では、失敗するのも 当然かもしれない。
進出する際の理念や哲学をきちんと堅持しない限り、
ムリなんだよね。
国の産業(民族資本)を保護し、育成し、自立するのが
共産党及び政府のもくろみであるからだ。
進出する企業には 最初は甘い言葉で誘って、
その後 技術が 蓄積されれば、自主開発技術と言って、
中国で 研究センターを作らせ、そこで開発したもので
作ることによって、知的所有権の費用を払わなくする
という手法を使う。ほんとに 飛んで火にいる夏の虫
のような 状況と言える。
中国の内と外の区別があり、外には 嘘も平気で述べる。
面子がつぶされたら 必ず仕返しをする。
こね社会から カネ社会となり、賄賂は 円滑油なのである。
そんな中で 日本のビジネスマンは いくつかの失敗をする。
中国への歴史的事実からの後ろめたさ。
すみませんと言ったら、負けである。
どうどうと自己主張をすることの大切さ。交渉力を持つこと。
やたらに権威をありがたがる 日本人。
中国のリスクとは、
カントリーリスクが高い。
反日無罪という 合理化。
不利な条件があったら きちんと対応する。
人民日報の 日本企業たたき。
現物出資なるものの インチキさ加減。
→結局技術がとられてしまうことを覚悟。
ルールは 恣意的に かえられる。
付加価値を見つけ出す 三つのルート
1 研究開発での発見蓄積(新技術)
2 生産工程での発見蓄積(カイゼン)
3 製品の流通過程での情報蓄積(お客さんの要望、苦情)
マネジメント
1 他人を通して自分のしたいことを行なう
2 協働をうながす
マネジメントのポイント
1 分業(担当)とヒトの配置の工夫、適材適所
2 従業員間の意思の疎通が行なわれるための調整
3 インセンティブの工夫→ギブアンドテイク。
望ましい総経理像
1 中国の文化や習慣を理解しようとするヒト。
2 総経理の業務全般に精通していて、バランス感覚があるヒト。
3 権力を振りかざして威張らないヒト。他人を見下さないヒト。
4 人前で部下をしからず、別の場所で根気よく説得できるヒト。
5 決めたことを信念を持ってやり抜けるヒト。
6 規則違反には厳しい態度で臨み、公平な判断ができるヒト。
7 ストライキを打たれても動じないヒト。
8 誘惑(賄賂、オンナ)に動じないヒト。
交渉20ヶ条。
1 お人好しの日本人を捨てること。
2 原理原則をまげないこと。
3 交渉の決裂を恐れないこと。
4 譲歩は小出しに、時間をかけて粘り強く
5 ダメ元でよいから、こちらの条件を堂々と要求すること。
6 必ず天秤にかけてくるので、焦ったり失望しないこと。
7 政府の意向や行政指導を鵜呑みにしないこと
8 相手の発言内容をすべて信用しないこと
9 市場の大きさをちらつかされても焦らない。
10 権限をくすぐられてその気にならないこと。
11 相手の本心を読み取ること
12 小さな、くだらない問題から交渉してくると覚えておくこと
13 合意したことは文章にしておく
14 サインするときには 文章を確認すること
15 帰国前にサインすることはさけること
16 通訳は日本人を使う
17 『理解した』『わかった』は、『同意』したことではない。
18 今回だけは通用しない、最初から正当な利益を要求せよ。
19 日中友好とビジネスは無関係
20 歴史問題とビジネスは無関係。
『今後もチャイナリスクは低くならない』
あぁ。いい勉強した。