日高六郎の作品一覧
「日高六郎」の「戦後思想を考える」「日本と中国 若者たちの歴史認識」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「日高六郎」の「戦後思想を考える」「日本と中国 若者たちの歴史認識」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
著者は自身を戦中派と呼びますが、丸山真男のように「1910年代生まれで、1930年代の世相を相対化して過ごした世代」のようです。終戦間際に書いた時勢の所見では、大変冷静に戦時下の日本を俯瞰しています。まず、国が経済的利益の追求で始めた戦争を、アジアの解放というきれいごとでカモフラージュしていることに欺瞞を見ています。そして時勢を乗り切るにはアジアの解放を唯一の目的に切り替え、無条件降伏を求められたとしても、その目的を完遂して降伏せよと訴えます。たとえ降伏しても目的を達成することで結果的に戦勝とする、というレトリックなのでしょう。焼け野原の東京を見ながら、すでに戦後の国のあり方を考えていたことが
Posted by ブクログ
日高六郎の描く戦後日本の見取り図と問題構成。
真の左翼とでも言ったらいいのか、的確かつ冷静な指摘に驚かされる。
敗戦後の民主主義的なモチベーションが衰退し、経済的条件が社会を支配し、緩やかに管理社会化している。その中で、差別や疎外がますます強くなり、個人が無力化する。社会主義にも資本主義にももはや希望は見出せなくなっている。デモの限界も明らかになる。日本の資本主義が、再びアジア諸国を経済的な植民地化していく。水俣病にしても、マスコミにしても、天皇にしても、財閥にしても、結局戦前-戦中-戦後のある連続性を持っている。
このようなことが、逐一詳らかにされる。
自由、平等、博愛とはなんなのか。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
安保闘争の頃に生まれ、高度成長と共に育った若者たちに、どのように「戦後」を語ったらよいのか。
敗戦の混乱と、民主化への高揚した気分をどう伝えるか。
平和運動、民主教育運動、市民運動などに積極的に参加してきた著者が、自らの体験と重ね合せて戦後史をふり返り、新しい視角を提示しつつ、若者と連帯する方法を考える。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速
Posted by ブクログ
戦中・戦後の連続性/非連続性、戦後の経済発展における管理社会化と価値観の画一化、60年安保と韓国四月革命の共通点/相違点、大学での学生観察。これらのテーマの考察から日本人の「受動性」ないし「民衆の脆弱さ」を明かし、行動的な知識人や連帯の思想の必要性を説く。
内容としては今直近の問題であり、やや言い古されたことも多いと思った。むしろ驚いたのはこれが30年以上前に書かれたものであるということ。
これだけのことを書かれた書物が30年以上前にありながら、日高氏の憂慮はほとんど改善されないまま、むしろ深化し、拡散し、複雑化して今日に至っている。とはいえ、私たちがどうすればいいのか、それは変わっていない