監督としてのザッケローニの歴史とその現場に居合わせた人のインタビューで構成されている。監督人生をそれぞれの時期の紹介(解説)の後に、2めいほどのインタビュー(そのときに関わった、同僚、選手、会長など)がそれぞれの立場での感想を述べていてる。
プロの選手経験がないが、相手を尊重し、緻密なデータの蓄積
...続きを読むから、トレーニング方法を工夫して、少しずつチームを作っていくタイプの対話型であり、ディティールにこだわる監督である。
攻撃的と言われるよりも、むしろ「バランスが」大切であるというように、自らの哲学を押しつけるよりは現状を分析して、その中でベストな方法を選び、選手を説得するというスタイルであると思う。
この手の監督は、育成やチームを訓練することで結果を出すことが得意であるので、近年の解任の後でチームを作る立場しか与えられなかったのは不本意だろうと思う。
巻末には、サツキなどの大物監督の監督評、アジアカップ優勝後の本人へのインタビューなど、確かに本質を理解するにはよい本だと思う。