ヴァネッサ・ウッズの作品一覧
「ヴァネッサ・ウッズ」の「あなたの犬は「天才」だ」「ヒトは〈家畜化〉して進化した」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
ブライアン・ヘアは、イヌとボノボの研究者。学部時代の指導教員はマイケル・トマセロ、大学院はリチャード・ランガム。彼らの直系なのだから、学問的なおもしろさは推して知るべし。大学院の頃、ランガムの指示のもと、ギンギツネの家畜化で有名なシベリアのリュドミラ・トルートの研究施設で3カ月を過ごした。その時のエピソードがおもしろい。
イヌもボノボも、ヒトと同様、強力な「自己家畜化」の形質をもった動物種だ。本書で展開されるのは、ヒトの場合、この自己家畜化によって社会的知能が生み出されたという仮説。ネアンデルタール人が、われわれ現生人類に比べさまざまの点で「家畜化」の程度が少ないという指摘も興味深い。ただ、7章以降は偏見や政治の話題。話がジャンプし過ぎているような印象を受ける。
奥さんのヴァネッサ・ウッズは、ボノボに関する著作もあるジャーナリスト。ブライアンとヴァネッサそれぞれのTEDやYouTubeのトークも参考になる。
Posted by ブクログ
進化の本かなと思って読んだけど、徐々に差別や分断の話へと変わっていった。
最後の謝辞に『(二〇一六年の)大統領選の後、第一稿の半分を没にした』とある。政治に疎い私でも前後の文から、トランプ大統領が当選したときの話だと分かった。
人間は『ずっと子供のまま』というのは、何かのテレビで見た気がする。これは『幼いまま』という意味ではなくて『好奇心が強い生き物』という事。
人間は大人になっても好奇心が強い。とはいえ、子供のころよりその好奇心は縮小されているのはひしひし感じる。それでも年を取って好奇心ゼロになる人は少ない気がする。
p190にはアメリカの刑務所制度の問題点が書いてある。実は『ポリコレの正体』の三章のBLM運動の話の中に「BLMは刑務所制度を解体したがっている」という話が出てくる。これも、調べた方がいいかもと思いながら放置していたのだが、答えがこの本にあったと思った。
アメリカの刑務所制度は黒人にとって不利なのである。黒人の犯罪率が高いのは貧困や病気、失業などの環境要因が大きいのだが、それを無視して刑務所に放り込む制度となっている……という事だと思う。詳しくは本を読んでほしい。
疑問が繋がるの良い。このページすごく気持ちよかった。
ラストは、都会に暮らす人口が農村部に暮らす人よりも上回ったとある。農村部よりも都会暮らしの方が社会的地位が上がり、良い教育が受けられるので都会の方がいいとなっているが……そうなると、農村部にある『動物たちと人間社会の境界線』はどうなるのだろうかと思ってしまった。いや。これは日本だけなのかな。海外は土地が広いから棲み分けがしっかりされているのだろうか。
都市計画次第では、他者と接触しない作りになることもあるので、そのような都市よりは誰もが気楽に接触できるよう設計されている都市がいいとなっている。
都市ならばどこでもいいわけでもなさそうだ。
いろんな点に気付かせてくれた本でした。
Posted by ブクログ
ヒトが他の人類と違って繁栄できたのは、自己家畜化によって進化した協力的コミュニケーションという友好性を有していたから。一方でこの友好性は他者を非人間化し残虐に扱うことができるという負の側面もある。
協力的コミュニケーションの能力はイヌにはあるがチンパンジーにはない。友好的なキツネだけを交配すると認知能力だけでなく外形にも変化が生じた。脳の小型化や鼻面が短くなったりした。
ヒトには集団内の見知らぬ人という社会的カテゴリーが生まれ、それが人口増加と技術革新を生み出した。
ヒトは他者を非人間化し、残虐になる。非人間化の典型が猿化で、これは日本人、黒人、アイルランド人、ユダヤ人などあらゆる集団があらゆる集団に猿化されてきた。非人間化を抑えるには、教育ではなく接触が重要である。