強烈な個性を持つ登場人物たち、ドライブ感あふれる独特の文章、先の読めないストーリー展開、そして唯一無二の世界観。人気ライトノベル作家・西尾維新の魅力が全て詰まっているのが、本作「物語シリーズ」です。
ツンデレというよりツンドラって感じの毒舌ヒロイン・戦場ヶ原ひたぎをはじめとした、怪異と出会った少女たちと巻き込まれ型主人公・阿良々木暦が繰り広げる、不可解で不条理な物語群。独特な新房演出と物語世界がハマりすぎて、7シリーズ+2作の劇場版が制作されたアニメ版から入った人も多いのでは?(阿良々木くんのセリフが全てCV神谷浩史で再現される〜)
1冊あたりが分厚いうえに巻数も多く手を出しにくいイメージの西尾維新作品ですが、本シリーズは1話あたりがサクッと読みやすいボリュームになっているので、入門編にもぴったり。というか、サクサク読みやすすぎ、面白すぎで日常生活に支障をきたす……!
西尾作品らしいキャラクターのポップな破天荒さで読ませ、「人間の弱さが怪異を呼ぶ」というテーマで沼に引きずり込む――清く正しく読書を楽しんでいたはずなのに、いつの間にかぬかるみに足を取られたように心を囚われてしまっているだと……?
自分で自分がコントロールできなくなるほどに、猛烈に何かにハマりたい。そんな願望を持っている人なら読まない手はありません。めくるめく西尾維新ワールドに「蕩れ」ちゃってください!
感情タグBEST3
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心残り(できなかったこと)なんて誰にでもあると思うけど、
鏡の残りの反射率を「引っ張ってくる」ことで、
高校生活を思い返すという物語にしてしまう西尾維新には本当恐れ入ります。
暦の、ある意味自己犠牲的な正義感は、
どこからくるものなのか常軌を逸していて、
ヒロイン達の抱える問題を理想的な形で解決してやれなかった「心残り」というところに焦点を当てた物語でした。
これまでの本編では、必死にもがきながら、文字通り必ず死にながら(毎回ではないけど)、それでもいい方向に向かうように頑張ってきた暦だけど、後から思い返してみると、「あのとき、こうしてればよかったなあ」と思ってしまうあたり、やっぱり暦はどのキャラクターよりも人間くさく、人間らしさを持ってる魅力的な主人公だと思います。
信号が青になった時、
一歩目は右なのか、それとも左なのか、
そんな悩みをがはらさんのジャンプで
一掃してしまうあたり、がはらさんらしいなあと微笑ましく思いました。
印象に残ったシーンはいっぱいありましたが、
1番好きなのは、暦が鏡の中に吸い込まれた時に、思わず「し、しのぶっ!!」
と足元に向かって叫んだシーン笑
かなりマニアックなところ選んだかもしれないけど、やっぱり暦にとって忍は一連托生の存在なわけで、身の危険を感じた時に真っ先に助けを求める先は忍なんだなあと。
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まぁ、エクストラステージみたいな一冊。
芸風相変わらず。謎が提示される、これから出てくるであろう登場人物を予感させつつ引っ張りに引っ張る、ちゃんと広げたぶんの風呂敷は回収しつつ、次回作への布石はちょっとした台詞の中でばらまいていく。ここまで無駄がないと職人芸と読んで差し支えあるまい。
「本編にひたぎを出さない」というのも、読者に含みを持たせる上では作戦通りなんだろうか。
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化物語シリーズ
高校を無事卒業したアララギくん
突然引き込まれたのは「反対」「裏側」の世界?!
ブラック羽川の羽川さん
21歳になった八九寺
元気な「くちなわさん」の撫子
人間の忍
そして明るく陽気な老倉さん・・・
元の世界に戻るため、最終的に頼ったのは
やはり扇ちゃんだった。。
前作で綺麗にフラグを回収し、あと何を?!って思ったらそう来たかーー(笑)
そして「あぁついにこのシリーズも終わりだな」と
しみじみしたら
え?! 「接物語」ですってぇーー?
まさかのネクストシーズンの予告が!!(笑)
楽しみじゃねーーか!w
Posted by ブクログ
終物語の続編、阿良々木暦の心残りの物語。
アニメで見た時、あまりよく理解できなくて、ただ鏡の性質、カットされる20%の光の話がとてもしっくりきた。
今回文字で言葉で読んで、少しだけ理解出来た気がする。
心残りという現象、未来が決まっていないことへの不安感、本当に西尾維新マジックで描かれるひとの心の本質はすんなりと胸に取り込まれていく。
あとがきに書かれていた「すること」「しないこと」の話も答えが出る話ではなくてとてもよかった。
この話を卒業シーズンに読めて、またなにか大事なことを思い出せた気がする。
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すべてのひとに、20%はあるのだろう。
それが良いことかどうかは分からないけれど。
抑圧されてきた気持ち。
叶わなかった思い。
他人にはわからないし、なくても成立するように思える。
それでも確実に存在する20%を汲んでやれる者を知己と呼ぶ、のかもしれない。
心の裏側まで見られたくない。それくらいなら親友も恋人も、覚悟をせねば持てないなあ。
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前巻できれいにお話がまとまっていたので、どうするのかと思っていましたが、やはりおまけというか、カーテンコール的な内容でした。
時系列としては前巻の直後。合格発表を控えた阿良々木君がふと鏡に違和感を覚えた瞬間、世界に異変が起こるというのがあらすじ。作中でもセルフツッコミされていましたが、まさかの鏡の中の世界ネタ!?と思いきや、そこはさすがに西尾維新らしくひねってあります。まあ、お遊び的な内容には変わりありませんが。
ブラック羽川や真宵(おねーさんver)、撫子などなどが再登場したり、人間時代の忍のキャラが分かったり、おまけならではの演出が楽しかったです。しかし肝心のひたぎさんが全く出てこなかったのが意外でした。
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ゆめおちでなくてよかった。あんまり夢夢いうものだから。けっこうしっかり作れてた感あり。ゆるい企画だといえばゆるい企画やし。でもこれけっこう途中からいつもゆるく感じる。。。後日譚的なかんじなので、楽しく読ませてもらいました。
サルの手はあとにつながるような、こじつけてきな感がありました。
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終わり物語の「続」ってなんだよ(笑)って思ったけど、
読んでも読まなくても良いという位置づけの作品としては、とても素敵な後日談でした。
新たな一歩を踏み出す前に、後悔や、ちょっとした心残りと少しだけ向き合う、ささやかなお話。
余韻をちゃんと残して、随所に西尾維新らしさも出しつつ、物語シリーズの最後を締めてくれたんだなぁって思います。あんまり雑談部分もなく、テンポよく読めました。
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2006年から続いたシリーズもこれでほんとに終わり。
あとがきもどんどん返しなく綺麗に締め括られてるし、今度こそお別れかな。
少し寂しいけど、西尾維新の次のシリーズが面白いものになることを期待して。
Posted by ブクログ
物語シリーズ後日談
最終話「こよみリバース」
高校を卒業した暦。
洗面台でふと鏡に手を触れた瞬間、暦は意識を失う。
すぐに目が覚め、一見今までと変わらない世界に見えたが、
暦より身長の大きいはずの火憐が小さく、
無表情のはずの余接がキメ顔を決め、
影の中にいるはずの忍はいなく、
羽川はブラック羽川になっていて、
家には、10年同居しているらしい天真爛漫な老倉育がいた。
ただし、月火だけは一切変わってなかった。
そこで暦は北白蛇神社の神になった八九寺を訪ねると、
大人になった八九寺(傾物語)がいた。
さらにクチナワになってる千石から話を聞き、
鏡の世界、すべてが裏になった世界に来たのだと知る。
(月火は裏表がない人物だから元の世界と変わってなかった)
元の世界に戻る方法を探る暦。
忍は人間で城に住んでいて、
神原はデビル化していて、
元の世界では死んでいた神原の母と会う。
神原の母・臥煙遠江から情報を得た暦は高校へ行き忍野扇と対面。
扇と会話し、真実を知る。
暦が鏡の世界に来たのではなく、
暦が今までに思い残す心があって、それが引き金となって、
鏡に触れたとき鏡の世界を暦自身が引っ張ってきて、
元の世界を鏡の世界に変えてしまったのだと。
そこで、
鏡の世界を消すため扇から黒い鏡を受け取り、
北白蛇神社に奉納し、
世界は無事に元の状態に戻った。
後日、暦はひたぎと会い、思った。
鏡の世界にひたぎがいなかったのは、
思い残すことなく付き合っていたからだと。
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難しい。西尾さんの頭の中どうなってるんだろう。
謎解きシーンに至っても頭がごちゃごちゃして
理解に戸惑ってしまう‥
表から裏の世界へ迷い込んでしまった!と思いきや、阿良々木くんの心残りから世界を少し変えてしまう2日間。
Posted by ブクログ
実際はまだまだ続くけど一応完結後のおまけ。
鏡の世界に閉じ込められた阿良々木暦が矛盾なんて関係のない
ちぐはぐな世界から脱出しようとする話。
まあここまで来て夢オチなんてされた日には読者は黙っていられないですが。
まっすぐ前を見て生きているような登場人物たちにも様々な思いがあって、
そんな切り捨てられた20%を垣間見るお話でした。
ひとまずシリーズはここまでで続きはまたどこかで。
(長かった!)
Posted by ブクログ
続き。
読んでみようと思ったSF。
たった1つの冴えたやり方
目は無慈悲な夜の女王
アンドロイドは電気羊の夢を見るか※既読
オズマ問題
異星人に左右を正しく伝えられるか
ジャメブ
見慣れたはずのものが未知に見えるもの。
逆のデジャブは、未知を既知と認識してしまうこと。
出来杉君と結婚できたはずの静香ちゃんが、のび太と結婚することになり、同感じたのか。は、考えさせられます。
Posted by ブクログ
拾遺。
前半ある程度までの読みづらさよ。(^^;
全体的に懐かしい感じがする話でしたね。
もう一度会いたいキャラクターがそのままではないまでも、出てくる感じ。
暦自身の事件って久しぶりなんじゃないかな。
老倉のしあわせな様子が読めて嬉しかったです。(^^
Posted by ブクログ
「終物語」の後日談のようで、暦が反転した鏡の世界に迷い込むストーリーだった。
原因は、暦の高校生活に対する心残りで、最後にはやっぱり扇が出てきた。
扇は暦の分身であり相棒で、そんなに悪役っぽさはなかった。
鏡の世界に迷い込んだのではなく、吸血鬼能力を持つ暦が、鏡の世界を引っ張ってきたものだった。
鏡の世界にひたぎは出てこず、それは暦がひたぎに対して心残りがないと言うことで、元に戻った暦とひたぎの会話も良くて、良いカップルだなぁ。
最初の鏡文字は読みづらかったけど、その後の話としては面白かった。
Posted by ブクログ
ほんと自由だなぁ西尾維新。
まさしく趣味全開だなぁ。
老倉さん可愛いなぁ。
忍さんに命を差し上げたいなぁ。
遠江さんに抱かれたいなぁ。
……ひたぎさん。
Posted by ブクログ
完結後のエクストラステージ。あとがきによると泣きの1冊。
鏡の中に巻き込まれ、登場人物が裏返った世界。
鏡文字が非常に読みづらく、ちとさがごっちゃになる…。
今までの物語が映像化されている所からこれもやるとなると、声優さんの表現が気になる…どんな声になるんだろう?
Posted by ブクログ
自分と向き合うのが終物語だとしたら、自分の裏面と向き合うというべきか続・終物語だろうか。
鏡の世界というか、鏡の反射率というか、鏡を多角的に捉える視点が面白い。
「鏡に中の世界なんてありませんよポルナレフ」
そんなセリフが脳内をチラチラして困る。
納得できそうと言えばできるが、少々まとまりが悪い気がする。
鏡反射の残り2割に相当する老倉と八九寺の扉絵を愛でる物語で完結か。
...あれ?
接物語???
斧乃木ストーリーか?
まだ続くのか。
Posted by ブクログ
評価:☆3.5
直江津高校を卒業した阿良々木くんが卒業式の翌朝、洗面台の鏡を見ると鏡の中の異世界に吸い込まれてしまう。
その世界は元の世界と比べて少しだけ違っていた。
光の吸収された20%がどうとか言っていたが、要はこの世界は「裏返し」の世界だったと。
各キャラの隠していた思いが表れた世界・・・一番顕著だったのは老倉でしょうね。もうお前誰だよ状態w
いや何かさ、もう完全にifストーリーなわけで、こういうのってどうなのと。
作中でも阿良々木くんが「何でもアリな世界」と評しているけど、なかなか酷いメタ発言だと思うw
『読んでも読まなくてもいい』一冊を目指したとあとがきに書いてあったがそれも納得の内容。FD的な巻でした。
そしてどうやらまだ続くらしい・・・もういい・・・休め(AA略)
Posted by ブクログ
物語シリーズのオマケと作者はあとがきしているが・・やはり蛇足では・・それに巻末広告をみると、まだまだオマケがありそう・・
鏡、裏側の発想で遊んでいるけど、確かに設定がゆるすぎるような・・いつものメンバーも裏になって軽妙なダベリもなくぎこちなかったし。まぁ、登場人物の裏設定、紹介がメインなのかな?そうすると登場しなかったメンバーでの続続・終物語も出そうで・・まぁ、維新さんだから、何でもありよ(笑)
Posted by ブクログ
終物語の後日談。
今回の事件の発端が暦自身だったってのはある意味ラストに相応しいエピソードだったかと。
しかし暦が迷い込んだ世界が鏡の世界って、そんな企画でいいの?
裏表が反転した世界(実際には微妙に違うが)はキャラの色んな面が見れて面白かったけれども、鏡文字だけは読みづらくてダメだ。
こんな未来があったのかとも思うといろいろ考えちゃうものがあって・・・・・・。
もうちょっと暦には察し良くなって欲しかった気もするけど。
Posted by ブクログ
読まなくてもいい一冊(作者談)ってことでしたが、うん、このシリーズ、さすがに初期の勢いはなくなってきている気がします。それでも読んじゃうんですけど。物語よりも何よりも維新さんの後書きに感心させられたのでした。
Posted by ブクログ
本編のオマケ的話で確かに読んでも読まなくてもいい内容ではありますが。
この期に及んで新キャラ登場かよ、と思わせてからのまさかの再登場でしたね、老倉さん。かなりアレな娘だったしこういう幸せな世界も悪くない。
そして巻末恒例となった告知。終わる終わる詐欺はいつまで続く?
Posted by ブクログ
さすがに終わると思ったんだけどなー。一番好きなシリーズだし続いてくれるのはうれしいんだけど…。本筋は完結しているだけに内容的にもおまけの一冊。結末にすっきりしないのもこの巻にだけはご愛嬌。それが心残りとうまくかかっているのか?そして表紙はまさかのあの人!じっくり見ればヒントはあるけどこれは分からない。
「花物語」で扇ちゃんの性別がおかしかった伏線を回収するのかと思ったけどそれは違ったみたい。「花物語」関連で今までで一番ヤバそうな場面が出てくるんだけど…。バラエティ班で名前を挙げられていた主人公たちに西尾維新ファンはくすりとするはず。「SF三大かっこいいタイトル」も制覇したい。