小池真理子のレビュー一覧

  • ひるの幻 よるの夢
    短編集

    夢のかたみ
    静かな妾宅
    彼なりの美学
    秋桜の家
    ひるの幻 よるの夢
    シャンプーボーイ

    解説は張競
    中国でも受け入れられるが,中国に書き手がいないかもとのこと。

    シャンプーボーイはやや気合い抜けかも。

    全体では作家の話がでてくるところが面白いかも。
  • う わ さ
    短編集4話

    独楽の回転
    災厄の犬
    ひぐらし荘の女主人
    うわさ

    日常生活に潜む罠。
    冒険と犯罪の境界に挑む。

    まえの2話は他の本ですでに読んでいた。
    短編集の一覧を作らねばと思った。
  • 短篇セレクション サイコ・サスペンス篇1 会いたかった人
    恐怖小説短編集。

    会いたかった人
    倒錯の庭
    災厄の犬
    3話。

    巻末エッセイあり。
    単行本は結城信孝が解説を書いている。

    子供を生まないと誓い合った話。
    恐すぎて結末が読めない。
  • 青い夜の底 小池真理子怪奇幻想傑作選2
    解説 新保博久。編集を担当している。

    小池真理子の幻想恐怖小説は、恐いだけでなく,美的な感覚がある。
    終わり方も苦しいだけでなく、悲しい,わびしい,寂しいなどいろいろ。

    ありきたりでないところがよい。
  • 夜ごとの闇の奥底で
    解説 吉野仁 によれば、
    心理サスペンスであり、モダンホラーだとのこと。

    たしかに、心理不安,現代恐怖ということばはよく似合う。
    妹が事故で人を殺した時,不安さえなければ、すぐに救急車を呼び,
    必要があれば警察が来るだろう。

    不安だからこそ、冷静な時になら取れる行動が取れない。

    山奥のペンショ...続きを読む
  • 蔵の中
    大きな家に嫁いだ女性の物語。
    蔵の中に冷蔵庫がある。

    最後まで読んで,推理小説ではなく文学なんだろうなと思いました。
    結末はいろいろ考えられ,小池真理子の本を半分以上読まないと,推測できないかもしれないと思いました。

    1 冷蔵庫の中身はすでにない
    2 冷蔵庫の中身は別のもの
    3 その後冷蔵庫の中...続きを読む
  • 間違われた女
    間違いが何重かにある。

    1 男性がすでに引っ越した女性に手紙を出しているので、受け取っている女性は間違い

    2 女性が受け取った手紙の宛名を「マコ」と読んだが,送った人は「アコ」のつもりだった。

    3 受け取った女性の友人が引っ越した女性だったが、手紙を見ても自分宛だとは思わなかった。

    4 男性...続きを読む
  • 危険な食卓
    推理,恐怖小説短篇8話
    囚われて
    同窓の女
    路地裏の家
    姥捨ての街
    天使の棲む家
    花火
    鍵老人
    危険な食卓

    解説は篠田節子

    他の短編集にも入っているものがある。

    囚われては、愛犬も恋人も妄想という怖さ。
    同窓の女は、同級性に夫を押し付けられる恐さ。
    路地裏の家は、夫を殺す女性を目撃した少女。大...続きを読む
  • 懐かしい骨
    表紙が古い,人の顔の絵のものを読みました。
    解説は山前譲。

    壊した古い家から、骨が出て来た。
    兄妹が、それぞれ誰の骨かを想像し、一人の女性で一致する。

    警察からの調べで,以外な女性だったらしい。
    関係者が亡くなっているので、起訴,書類送検などにはならない。

    壮大な物語で,最後に「懐かしい」わけ...続きを読む
  • 天の刻(とき)
    短篇6話。解説 篠田節子。
    月を見に行く
    蝋燭亭
    天の刻
    襞のまどろみ
    落ちていく
    無心な果実

    R35, R40指定という話が解説にある。
    歳を取ったからわかる情景なのだろうか。
    死と恋愛に向き合う。
    日常生活と非日常の一部を叙述的に描写する。

    暗い。
    必ずしも後ろ向きでない。
    淡々としているの...続きを読む
  • 夏の吐息
    短篇6話。解説 堀茂樹。
    秘めごと
    月の光
    パロール
    夏の吐息
    上海にて
    春爛漫

    「上海にて」は、なぜ上海なのかがわからなかった。
    全体に死と恋愛とが交互に現れる叙述的な小説。
    小池真理子が目指しているものは分かった。
    明るい気分の時は、明るい気分じゃないときには読めないかもしれないと感じた。
    ...続きを読む
  • 水無月の墓
    推理小説短編8話。

    ぼんやり
    神かくし
    夜顔
    流山寺
    深雪
    私の居る場所
    水無月の墓

    なぜか暗い。
    時代なのだろうか。
    新人類の旗手の一人であるはずなのに。
    明るくないのは嬉しくない。

    「私の居る場所」のように、なにかもやもやとしたものが残る。
    「カミュ」のように暗いのと同じ文脈なのかと感じ...続きを読む
  • 闇夜の国から二人で舟を出す
    中身を見ずに手に取った。随筆集だとは知らず,小説だと思って買いました。

    なんどか飛ばし読みしているうちに、
    小池真理子 と 藤田 宜永 が別姓結婚または事実婚であることを知りました。
    小池 真理子 と 藤田 宜永  が2人とも直木賞を取っていたということを知りました。

    何も知らなかった人間にとっ...続きを読む
  • 午後の音楽
    私も同じ答えを導き出すと思う。なーんてね。

    メールのやりとりで物語は進んでいきます。
    心の変化が少しずつ文章から読みとれて
    気持ちが加速したり減速したり。

    でも、恋はいいですね。

    過程、が。
  • 無伴奏
    小池真理子作品、初体験。

    ノスタルジックなのに感傷的でなく、悲劇なのに重すぎない読後感。

    その時代の色に染まり、タバコの香りすら漂ってきそうな小池真理子の骨太な文章力に圧倒されました。
  • 柩の中の猫
    小池真理子の本で、最初に読むことをお勧めします。

    絵描きを目指す女性
    美術大学の先生
    その娘
    娘の飼っている猫 ララ
    ララは、ママの役割を果たしていた。

    描写は丁寧で、華美にはなりすぎず、
    直木賞を取られた「恋」よりは、分かりやすいので、
    最初に読むのに適していると思われます。

    話の構成、筋書...続きを読む
  • 欲望
    初めて読んだ恋愛小説

    主人公の回想で語られる 濃密で奇妙な男女3人の関係が語られる。主人公と同級生の男子との関係は、恋愛と言える関係とは違う。
    現象にあり得ない関係を、三島由紀夫の小説などと絡めながら、展開されていき、ラスト前の出来事へと進んでいく。

    ベタな恋愛小説なら途中で止めていたと思う。幻...続きを読む
  • 欲望
    恋愛小説は苦手なので、基本的には読まないのだけど、この小説は『この文庫が、すごい!』というムック本に紹介されており、「面白そうだな」と思い購入した。

    現実には体験出来ない恋愛が書かれていたのが、良かったのかもしれない。いっきに読めた。

    しかし、この登場人物みたいな男子とは恋愛したいとは、思わない...続きを読む
  • 会いたかった人
    どろどろしたのが読みたい気分だったので
    「女の“友情”は一周回って“憎悪”に変わる…?」
    という帯に惹かれて購入。

    一話目からかなりこわい、女、というか人間の怖さ。

    話の始まりはどれも日常的で引き込まれやすい。
    どのオチも面白かった。
  • 欲望
    切ない。
    登場人物それぞれが、それぞれの立場で切なすぎる。
    どこにも持って行きようのない切なさに、読んでいて苦しくなる。
    でも、たまらなく好きな作品。