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25年ぶりの親友との再会。TV出演した小夜子を見て連絡をとってきた女は、まるで別人のように変貌していた。うずまく疑念、そして……。表題作「会いたかった人」。他に男と女の妖しく美しい愛の行き着く果てを描く「倒錯の庭」、犬を飼い始めてからはじまる不運にみずからとりつかれていく男の物語「災厄の犬」を収録。静かな狂気を描くサイコ・サスペンス短編集。
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Posted by ブクログ
「会いたかった人」「倒錯の庭」「災厄の犬」が収録された短編集です。 小池真理子っぽさ全開の、静かにゾクっとするような、心がザワザワするような、居心地の悪い恐怖感が最高です。 どの話も、結末の想像はなんとなくつきますが、わかっていても、そこに向かっていく過程の抗えなさがいいです。
小池真理子さんは短編が多く、わたしも短編はとっつきやすくて好きなので、どうも相性が良いようです。 この本は、小池さんの短編セレクションの一作目、サイコサスペンス篇Ⅰです。下記の3作が入っていますが、ネタバレしない程度にこんな話よー、を書いておきます。 1.「会いたかった人」 TV出演を機に25年ぶ...続きを読むりの親友に再会したが、彼女は奇妙に別人のように変わり果てていた。うずまく疑惑の中で、25年前の軽い口約束から悲劇が‥ 2.「倒錯の庭」 別居中の人妻に異様なまでの愛を注ぐ若い男性。その愛情表現は常軌を逸するものであるが、人妻は心惹かれ陶酔し、最後は‥ 3.「災厄の犬」 犬を飼い始めてから不幸に取り憑かれる男が、犬のせいか、自分がおかしいのか、だんだんと崩れていく。 サイコサスペンスとしてわたしが一番好きなのは「会いたかった人」。どの作品にも言えるけど、普通の人間のちょっとした狂気が歯車的に狂いだすのが、小池さんの作風なのかな。 昔、母に夜道が怖いと言った時、「幽霊より人間の方が怖いよ」と言われたのを思い出しました。 ちなみに、サイコサスペンス篇Ⅱの「贅肉」の方が個人的には好きです。もっと狂気に満ちてるかも。
恐怖小説短編集。 会いたかった人 倒錯の庭 災厄の犬 3話。 巻末エッセイあり。 単行本は結城信孝が解説を書いている。 子供を生まないと誓い合った話。 恐すぎて結末が読めない。
人格としては作者さんのことがあまり好きではないのだけれど、読むものは面白い…… というか、人間の汚い分全体のホラーな感じの微妙な心地よさがあります。 人間――しかも、割と女のどろどろの部分にここまでフューチャーしたらこういう話になるのか……とまったく私が創造もしない話のオンパレードなので、そ...続きを読むれはそれで面白いなあ……と思ってはいます。 女のために罪を犯してしまう男とそれを嬉しいと思ってしまう女―― 当たり前の生活をしていたはずの人間が、当たり前じゃなくなる一瞬。 そんな人間ホラーを読みたい人にはオススメです。 ちなみに、短編が集まったものなので、とてもよみやすいかとは思います。
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