小池真理子のレビュー一覧

  • 恋

    没頭と陶酔

    10才頃から、基本的に絶えず手放せない読者中毒です。成人してからは、立て続けに読む日々の流れが突然醒めるクセがついてしまいました。
    年に2,3か月の冷却。それを繰り返して30年になります。
    醒めてる間の手持ちぶさたな日々が退屈で、中毒状態にもどりたくであがきます。でもそれには、かなり強めに引き込まれ...続きを読む
  • 欲望
    目眩く性と死…圧倒された世界でした。
    類子と正巳と阿佐緒、そして袴田…形の違う欲望でも、それぞれの欲望はとても強かったです。
    肉体だけでなく精神のエロス。かなり際どいことも書かれているのですが全く厭らしくないのはさすがです。
    正巳が性的不能者じゃなかったら、類子と正巳はここまで感応し合い、高まらなか...続きを読む
  • 柩の中の猫
    同世代でもネコ好きでもないのにどうしてこんなに懐かしくて苦しいようなキモチになるのか、不思議です。胸の内にひっそりと、彼らの生活が息づきます。
  • 贅肉 新装版
    短編集。
    女の醜い部分から綺麗な部分までが取り扱われている作品達でした!
    一瞬の出来事で被害者加害者の立場が逆転する爽快さは見てて飽きません。
    一気読み推奨です。
  • 蔵の中
    やっぱり、小池真理子、最高だ。
    色っぽくて緊張感があってドキドキする。
    殺害シーンも、愛を交わすシーンも、まるで自分がしている(笑)かのような錯覚に陥る。
    最後は、そうきたか!と。
    このまま婚家へ戻るのだろうか。それとも、、。
    この余韻の残し方も実に味わい深い。
  • 柩の中の猫

    8割方読んだところで、このままでは終わらない、どのような結末に落ち着くのだろうとは感じたが、予想外すぎる結末だった…。
    心理描写がうっとりするほど繊細。
  • 闇のカルテット 新装版
    この人の恋愛はあと一歩というところで裏切られる。その裏切りを心地いいと感じるか怒りを覚えるかはどくしゃしだいだ
  • 愛するということ
    小池真理子さんの小説が好き。
    ませた女の子が年上男性を好きになって、夢中になって、自分を無くして、捨てられて、
    こじらせた憧れを含めて、むっとする色気を感じて、うっとりしてしまう。
  • 冬の伽藍
    小池真理子作品はほぼ読んでいるが、その中でも一番と言っても過言ではないくらい、大好きな本。何度目かの再読。

    ラスト1ページのためのこの約600ページがある。
    静かで美しく、かつ情熱的な二人。事件はあれど、出会えてよかった。だめだと思いつつ断り切れない、英二郎の魅力が理解できなかったけども、、。

    ...続きを読む
  • 沈黙のひと
    父を早くに亡くし、母がゆるやかながらも進行性の病気にかかっている、そんな状況の私にはとても身につまされる小説だった。
    そうでなくてもある程度の年齢になれば親が老いて介護が必要になったり、段々と死に近づいていく。そんなときどんな風に向き合うかを考えさせられる。

    両親の離婚によってほとんど関わり合うこ...続きを読む
  • 天の刻(とき)
    すべての描写が素晴らしい。「天に刻」の心境に感服。ただ、さすがにこの本を勧められるような人はいないし、いても勧めはしない(できない)。自分がそうなったときに、自分に勧める感じかなあ。
  • モンローが死んだ日
    小池真理子さんの長編恋愛小説。
    やはり上手だなと感じた。
    できるなら寒い季節に読みたかったな。
    失踪した精神科医はいったい何者だったのか、どのような事情があったのか。
    彼にとっての鏡子との過ごした時間は何だったのか。
    行方を追う鏡子に思い切り感情移入しながらページを捲った。
    最後の長い手紙も鏡子への...続きを読む
  • 墓地を見おろす家
  • 存在の美しい哀しみ
    あれ、小池真理子、だよね?
    変化したような気がした。
    今まで持っていた、硬質な美意識とか、孤高の激しさ、とかのイメージがいい意味で裏切られて。
    人はみな、複雑で多面的で、色んなものを内包しながは生きている。そんな豊かさとか、優しさとか、深みを増した切なさとか、ひとすじ縄ではいかないさまざまな感情とか...続きを読む
  • 恋

    この本を開いて読み出したら、世界観にのめり込みすぎて、手を止めてもなかなか現実世界に戻ってくることが出来なかった。
    設定、ストーリーの細部、登場人物のひとりひとりまで愛しく感じられ、私自身この作品に『恋』をしたと言って良いくらい気に入ってしまった。
    このタイトル以上に相応しいタイトルは無い作品でしょ...続きを読む
  • ナルキッソスの鏡
    美しくナルシスティックで性的に倒錯している真琴や狂った益代と息子との異質な関係
    暗く冷酷で不気味さ漂う雰囲気の中に少し甘ったるくて官能的な文章がすごく好き。夢中で読み耽りました
    サスペンスとしても面白いけど、この小説の良さは歪んでる人間の内面の描写が魅力的なところだと思う。とくに真琴の内面を掘り...続きを読む
  • 沈黙のひと
    複雑な家庭環境を背景に、病を患った父とキャリアウーマンの娘の交流と、父の死後明らかになった父の秘密。そして母の元夫である父の想いが綺麗に織り成せていると思います。
    小池真理子先生の作品は初めて読んだのですが、難しいようでスラスラ読めて良かったです。
  • モンローが死んだ日
    この作家は元から好きですが、すらっと読めます。この年代の心境もよく表れていて、こんなトキメキしてみたいと思います。ある意味女性にとって憧れる先生です。女性にお勧めです。
  • モンローが死んだ日
    あー、よかった、、、。
    余韻に浸ってます。

    この世代の恋愛ものを書かせたら、大好きな作家さん。
    イヤらしくなくて、上品で。

    還暦を迎えようとしている年齢でも、こうやって、ときめくドキドキする気持ちが残っていることを知って安心する。

    相手を知りたい、と思う気持ち。
    嫉妬。
    友人に言いたいけど、言...続きを読む
  • 危険な食卓
    短編集って、ぜったいハズレの話があるって思い込んでたわたしですが、小池さん作品を読んで反省しました。ほんとにどの話も、短い中にもちゃんと起承転結があり、ぞくっとこわいオチがある。。
    小池さん短編集の中では、『会いたかった人』が1番すきだったけど、この『危険な食卓』はそれを上回りました。何と言っても短...続きを読む