小池真理子のレビュー一覧

  • 恋

    再読です。
    著者が配偶者を亡くし、それを綴ったエッセイが話題になっていたころから著者のことがなんとなく心配で、でも、そんな辛いエッセイを読む気にはなれず、本棚に合った直木賞作品を再読することで折り合いをつけました。意味ないけどね。

    著者のことを初めて知ったのはまさにこの小説で、当時はかなりインパク...続きを読む
  • 恋

    一言で言うならは、すさまじい本です。
    これほど力のある作品と出会えることは、一生のうちにそうたくさんはないだろうと思うほどです。
    作品に描かれることになるテーマもさることながら、最初から最後まで、ことごとく予想を裏切る展開が続き、特に後半は息をするのを忘れそうになります。
    情景・心理描写の生々しさも...続きを読む
  • 怪しい隣人
    面白い。イヤミス。本当に嫌な気持ち!本当に読後感最悪!救いない。でもそれがいい。読んだあと数日、色んなこと考える……
  • 夏の吐息
    《死を背景としつつ、それに抗う生を、いっそう鮮やかに浮かびあがらせている。》

    男と女の話ではあるが、(男と女と言っても、死んだ友達の不倫相手だったり、偶然知り合ったかなり若い男だったり‥)それぞれの人生が、短編ながら読みやすくまとまっている。どの話の終わりも決して悲観的でなく、ポジティブな読後感...続きを読む
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション
    角川ホラー文庫ベストセレクション第二弾。全部読んだことがあるので再読かな。しかし何度読もうと、どれもこれも文句なしの名作です。
    何度読んでも恐ろしいのは坂東眞砂子「正月女」です。どこからどこまで全部怖い。柱時計の音が怖い。登場する人たちもみんな怖い。可哀想に思えるヒロインのキャラも、実はなかなかの恐...続きを読む
  • 会いたかった人
    面白かったけど怖かった!
    嫌だった!!やめてー!!って思いながら読んだ。文章がいい。ストーリー展開もいい。読み返したい。
  • 怪しい隣人
    最近小池真理子さんの本にハマってて、これも一気読みした。
    「寺田家の花嫁」が一番面白かったかも。
    え?そう来る???ってなって衝撃的な展開だった。
  • 感傷的な午後の珈琲
    「大小の嵐をくぐり抜けつつも、人生を誠実に生きてきた人だけに神が特別に与えてくれる本物の力、本物の感受性、本物のやさしさ」という言葉が印象的だった。それは無理でも、少しでも近くにいきたいな、と思う。
  • 危険な食卓
    父が昔に買った本で随分色褪せていたけど、暇だったので読んでみた。
    ゾクゾクする内容ばかりでページをめくる手が止まらなかった。「囚われて」は特に面白かった。まさか全部幻想だったとは、、、( °_° ) 最後の最後まで目が離せない展開が素晴らしい!
  • 泣かない女 短篇セレクション ミステリー篇
    短編だけれどどれも読後はオチがあり、うなるような感じが味わえる。『鍵老人』はタイトルからどんな内容かと思ったらドキドキちながら最後はなんだかホッとするというか不思議な感覚になった。あまり長いミステリーよりもこのくらいの短編が今しっくりくる。再読しても楽しめそう。
  • 無伴奏
    本作は、作者の小池真理子氏が、1960年代に仙台のある女子校に転入し、自身とその時代を下敷きにして書いた物語である(あとがきより)。
    実は私の母が、その当時、モデルとなった女子校の生徒で、在学中の小池さんのこともよく覚えていた。ちなみに母は小池さんより2学年下で、学生運動が最も高揚していた時期に入学...続きを読む
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション
    角川ホラー文庫ベストセレクション。というだけのことがあって、本当にもうどれをとっても大傑作のホラーアンソロジーです。お気に入りがどれかだなんて選べません。もう全部大好きすぎる作品でした。
    ほぼ既読だったので、雰囲気に浸りながらじっくりと再読。福澤徹三「五月の陥穽」だけ未読だったかな。これ、凄まじく怖...続きを読む
  • 沈黙のひと
    最初から最後まで何度も泣かされます。

    自分の父はこの小説に登場するパーキンソン病とは異なる病でしたが幾度となく自分の父を想い出し辛く、悲しく、そして泣けました。

    いつもながらの丁寧な文章で一字一句読み漏らす事がない様にじっくり読みました。

    最後の著者の短いあとがきを読んでそこで絶句しまし...続きを読む
  • 沈黙のひと
    新聞の土曜版に連載されているエッセイに好感をもって初めて小池真理子さんの小説を読んでみた。もちろんフィクションだし、主人公の衿子は小説家ではなく文芸誌の編集者なんだけど、ご自身のことが色濃く反映された小説であることがわかる。
    パーキンソン病をわずらい発話も満足にできなくなり介護施設に入っている父親を...続きを読む
  • 青い夜の底 小池真理子怪奇幻想傑作選2

    満足!品の良い余韻

    ぞわりとする余韻ある作品ばかりでした。あっという間に読み終えてしまい残念。まだまだ作品の扉を開けて楽しみたかったです。購入して正解でした!
  • ふたりの季節
    由香が高三の頃から数年間付き合っていた拓と30年後に偶然出会うという話。由香の回想や拓との思い出話で学生時代のふたりの物語が綴られる。時代背景は10年のズレはあるが、まるで自分の話じゃないかと思った。新たな社会人生活を前にして、お互い好きすぎて、どうしていいかわからず、別れてしまう。
  • 柩の中の猫
    嵐の夜、主人公がララと桃子と初めて心を通わすシーンが印象に残りました。千夏があのような狂気に駆られたのは単なる猫嫌いという理由だけではなく、前妻である百合子さんへの嫉妬心もあったのかな。
  • 妖し
    あまり「妖し」じゃなかったんですが
    一番良かったのは
    窪美澄先生の 「真珠星 スピカ」
    死んだ母親が娘を こっくりさんを使って
    守る話で 愛情に不意打ちされて
    かなり泣けました さすが
  • 新装版 あなたに捧げる犯罪
    短編だが、短編といえど濃厚な時間を過ごすことができる。どの話も絶妙な毒加減がいい。小池真理子さんは裏切らない。
  • 恋

    没頭と陶酔

    10才頃から、基本的に絶えず手放せない読者中毒です。成人してからは、立て続けに読む日々の流れが突然醒めるクセがついてしまいました。
    年に2,3か月の冷却。それを繰り返して30年になります。
    醒めてる間の手持ちぶさたな日々が退屈で、中毒状態にもどりたくであがきます。でもそれには、かなり強めに引き込まれ...続きを読む