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1955年、20歳の雅代は、美大で油絵を教える川久保悟郎の家に、娘の桃子の家庭教師を条件に住み込むことになる。モダンな明るさに満ちたその家に母親の存在はなく、孤独な少女の心には飼い猫のララだけが入れるのだった。緊張をはらみつつも表面は平穏な日々。均衡を破ったのは悟郎の恋人の登場だった――。30年の時を経て語られる悲劇的な事件の真相。心理の綾を精緻に紡ぐサスペンス長編。
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Posted by ブクログ
何とも切ない気持ちになった。自分が同じ立場になったらどうするのか?同じ気持ちになったのではないかと思った。
同世代でもネコ好きでもないのにどうしてこんなに懐かしくて苦しいようなキモチになるのか、不思議です。胸の内にひっそりと、彼らの生活が息づきます。
8割方読んだところで、このままでは終わらない、どのような結末に落ち着くのだろうとは感じたが、予想外すぎる結末だった…。 心理描写がうっとりするほど繊細。
20歳の雅代は、美大で油絵を教える川久保悟郎の家に、娘の桃子の家庭教師を条件に住み込むことになる。 モダンな明るさに満ちたその家に母親の存在はなく、孤独な少女の心には飼い猫のララだけが入れるのだった。 緊張をはらみつつも表面は平穏な日々。 悟郎に惹かれる雅代は、ララと少女の心を捉えようとしていた。 ...続きを読む その均衡を破ったのは悟郎の美しき恋人だった― 30年の時を経た今語られる悲劇的な事件の真相とは。 女性の心情が表現豊かにつづられる本作は、一度読み出すとページをめくる手が止まらない。 涙せずには読めない一冊。
小池真理子ワールド大好き。苦しくて切なくて官能的そして美しい。筆者の脱ミステリー作品第一作らしいけど素晴らしい。
読み始めると止まらない。怖いもの見たさだね。 そして、やっぱりこうなったか、と満足してるから、怖い。
いろいろな愛情の形が交錯して、 結果取り返しがつかないくらいよじれてしまった家族。 読後は暫く呆然としたくらい私にとってインパクトが強かった。 時間があればまた読み返したい。
何年も途中放棄したままだった本。 ふと読んでみたら、意外に次が気になる内容だった。 桃子。ララ。千夏。色々な思いが交差して。 人間の怖さもあり、切なく悲しい作品だった。 終盤は一気に読んでしまった。 (5日間)
全体の流れは直木賞を受賞した『恋』と同じ。 プロローグのせいで、どんな幸せそうな シーンでも不安が付きまとう。 最期は息がつまってすごい勢いで読んだ。 気付いたらのどがカラカラになってて 自分でびっくり。
タイトルの「猫」に惹かれて読みました。動かない話が、途中から急展開するところからドキドキしっぱなしでした。
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