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互いが互いに溺れる日々を送っていた男と女。だが突然、女との連絡が途絶えた。シナリオライターとしての仕事にも行き詰まり、苦悩する男が路上で出会ったのは…(「青い夜の底」)。死んだ水原が、今夜もまた訪ねてきた。恐れる妻を説得し旧友をもてなすが…(「親友」)。本書のために書き下ろされた表題作を含む全8編。異界のもの、異形のものとの、どこか懐かしく甘やかな交流を綴る怪奇幻想傑作選、第2弾。
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満足!品の良い余韻
ぞわりとする余韻ある作品ばかりでした。あっという間に読み終えてしまい残念。まだまだ作品の扉を開けて楽しみたかったです。購入して正解でした!
Posted by ブクログ
1よりすごい怖い話が多かったのですが!!ひい!!朝読書の間、一人でひぃひぃ怖がっておりましたよ。 生きがい 人を世話することが生きがいの女性。彼女は、飛行機事故で夫と子供を同時に失って以来、生きる気力を失っていた。そんな時、彼女の管理するアパートに住む、息子と良く似た大学生が、風邪をひいて寝込んで...続きを読むしまう。 彼女は献身的に彼を看病し、久しぶりに生きがいを見つけるのだが、その結果、思わぬ事実に気がついてしまう。 青い夜の底 売れないシナリオライター。今回の原稿も没を食らい、愛する女とはしばらく連絡が取れていない。無気力になった主人公の目の前に、数週間ぶりに彼女が現れる。しかし、彼女が連れていく先は…。 ディオリッシモ うまくいかぬ人生。昔の事を思い出しながら電車に揺られていると、自分が子供時代に住んでいた町に着いてしまう。そこには、もう亡き両親と幸せそうな自分の姿があった。 どれも読み終わってしばらくは茫然自失とします。ていうか怖い。自分は今、本当に生きているのでしょうか。それを証明するすべはあるのでしょうか。
久しぶりに読んだ、小池真理子さんの作品。 怪奇幻想傑作選というだけあって、なかなか雰囲気のある作品たちがズラリと並ぶ。 ふんわりと(?)スーっと掻き消えるような、 異様な雰囲気を余韻に残していくさまは、やはり不気味である。 だが、なぜか不思議な美しさを伴う描写に、いつも惹き込まれていくのを改めて思い...続きを読む起こされた…そんな印象を強く待った。 長編の『墓地を見おろす家』も私的にとてもゾワゾワしたが、こういった短編集もまた良いなと痛感。 素敵な楽しい読書時間、持てました。
小池真理子さんのホラー短編小説集。初出のデータが不備のため個々の作品の年代は不明。主に80年代から20世紀末にかけての作品と思われる。KADOKAWAの編集者はちゃんと仕事してほしい。 やはり小池さんのホラー小説はとても良い。どうやら作者自身、「美しさ」を心がけて書いているらしいが、全くその通り...続きを読む、美しいのである。淡々とした大人しい筆致で、どの短編も途中までは普通小説として書き上げられている。それから怪異が起こっても、その淡々としたたたずまいは変わらず、絶叫などはない。むしろごく当たり前の日常であるかのようにさえスーパーナチュラルな事象が馴染んでおり、その静かなタッチにはいささかのケレン味もなく、夢野久作などとは真逆である。 小池真理子さんはホラーよりもメインは恋愛小説の方なのかも知れず、私はそちらはまだ読んだことが無いのだが、ホラーにおいてこそ、この文体は生えるのではないかと思う。 以前にも書いたが、これでもうちょっと文章に工夫を凝らせば、立派な第1級の芸術小説である。ただしその際でもメインストリームの文学史は、こういう幻想文学は無視するであろう。坪内逍遙が上田秋成を無視したように。正しく評価されるには、少なくとも100年はかかるだろう。
角川ホラー文庫での一作目の短編集より、こちらの方が断然面白かった。叙情的なホラーで、恐怖よりも人生の悲哀を強く感じさせる作品が多く、読んでいてとても感傷的な気分にさせられてしまった。 死んだ友人が夜ごと訪ねてくる「親友」、優しくしてくれた父の愛人との思い出を綴った「鬼灯」など、味わいのある作品が詰...続きを読むまっている。 夏は過ぎたというのに、ホラーが面白い秋だ。
怖いというだけでなく、時にユーモラスだったり。だからこそ、怖さの余韻が残るのかもしれない。 「足」や「ディオリッシモ」など、途中で話の行方の見当はつくけれども、完結度は高いと思う。
解説 新保博久。編集を担当している。 小池真理子の幻想恐怖小説は、恐いだけでなく,美的な感覚がある。 終わり方も苦しいだけでなく、悲しい,わびしい,寂しいなどいろいろ。 ありきたりでないところがよい。
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