城山三郎のレビュー一覧

  • そうか、もう君はいないのか(新潮文庫)
    大切な人と結婚するということは、大切な人を失う覚悟もいるということ。

    大切な人を亡くしたらこんな想いになるのかな、と考えさせられたと同時にほっこりと心温まるような作品。
  • 雄気堂々(上)
    渋沢栄一の30歳くらいまでの出来事を、いろんな登場人物を交えて描かれたわかりやすくて面白い小説。

    小説の読み始めは、読みにくい。
    栄一の家族や栄一が暮らす村の人々など、登場人物が多くて脳内渋滞を起こしてしまった。。

    ただ、それらの登場人物が織りなすエピソードが読み進めていくうちに、どんどん面白く...続きを読む
  • 落日燃ゆ
    外務省同期の広田弘毅と吉田茂。平和主義者の広田弘毅が戦犯で絞首刑となり、武断派の吉田茂が戦時中拘留された事実を免罪符に戦後に宰相となるとは何という皮肉。
    広田弘毅が一切の自己弁護をしなかった理由のひとつとして、「文官の自分が極刑となることで天皇陛下を無罪とすること」とあったのが事実かどうかは何せ本人...続きを読む
  • 雄気堂々(上)
    「日本資本主義の父」とも称される渋沢栄一の伝記的小説。しかし、ただの伝記的小説ではなく、良質の幕末・明治維新を巡る青春群像劇であり、著者が「あとがき」で述べているように「ひとつの人格形成の物語であると同時に、国家形成、時代形成の物語である。あるいは、組織形成の物語ともいえる。」
    そもそも一農夫であっ...続きを読む
  • 雄気堂々(下)
    「日本資本主義の父」とも称される渋沢栄一の伝記的小説。しかし、ただの伝記的小説ではなく、良質の幕末・明治維新を巡る青春群像劇であり、著者が「あとがき」で述べているように「ひとつの人格形成の物語であると同時に、国家形成、時代形成の物語である。あるいは、組織形成の物語ともいえる。」
    そもそも一農夫であっ...続きを読む
  • そうか、もう君はいないのか(新潮文庫)
    もっと泣ける本かと思ってましたが、良い意味でほっこりしたあたたかい夫婦のエッセイでした。城山さんが容子さんを見つめる視点がやさしくとろけるようで、最期の別離よりも何気ない日常のシーンで胸を突かれました。
  • 男子の本懐
    濱口雄幸、井上準之助の二人の絆を描いた本。どうしても易きに流れる中、本気で日本の未来を考え理想に向かった二人。結果二人は命を落として、日本は戦争へ向かうことになる…
  • 落日燃ゆ
  • 男子の本懐
    非常に重厚かつ濃密な物語で、じっくりと楽しむことが出来ました。金解禁という一大事に取り組んだ井上と濱口の絆や信頼関係が読んでいて気持ちよく、それだけに2人の迎えた結末が無念でなりません。また状況が止めようもなく悪い方向へ悪い方向へ転がってゆくのが丹念な筆致で描かれており、当時の日本が如何にしてあの凄...続きを読む
  • 「粗にして野だが卑ではない」 石田禮助の生涯
    久々の経済人の本を新幹線の中で読みました。
    仕事を生きがいにしつつも家族を愛する姿は理想の姿である。
  • この命、何をあくせく
    城山三郎の作品は、好きだった。
    久しぶりに城山三郎の読んでみた。
    晩年という雰囲気が漂うなかで、どう生きるのか?
    を 淡々と 書いているのが実にいい。
    私の年齢に近いので、「何をあくせく」という言葉が沁みる。
    「なるようにしかならない」
    妻を亡くして、そのなんとも言えない悲しみが漂う。
    残されたもの...続きを読む
  • 「粗にして野だが卑ではない」 石田禮助の生涯
    こういう上司ほしい!組織の上に立つ人、人を使う立場の人には是非読んでいただきたい。
    自分はそういう立場にあるわけではないが、真似したい参考にしたいと思えることがいくつもあり、付箋を付けながら読んだ。敵対する立場の人々からも慕われるなんて素晴らしい。(もっとも家族には面倒がられる部分もあったようだが)
  • 秀吉と武吉 目を上げれば海
    村上水軍の村上武吉は瀬戸内海の海賊の総元締めであり、秀吉が天下を取るまでの時期に毛利のために働く者であった。
    しかし、毛利だけでなく瀬戸内海の村上一族のために一生懸命毛利の兄弟たちのように村上の一族も協力し合わなくてはいけないと諭し続けた男でもある。

    秀吉が中国攻めをした頃には毛利について毛利のた...続きを読む
  • 男子の本懐
    金解禁に奔走した浜口雄幸と井上準之助の命を懸けた仕事への情熱が伝わってくる良い小説であった。二人とも銃弾に打たれて亡くなるのだがそれまでに政治、金解禁に懸ける気合は凄まじいものがあった。我々も見習わないといけない。一回一回が勝負、ウォール街暴落、生に対する執着、インフレ、浜口の実直な人柄、満州事変、...続きを読む
  • 男子の本懐
    ・「人は常に態度に気をつけ、堂々たる容姿を以て人に接しなければいかぬ。自分の気持ちを人から悟られるようでは何事もできぬ」井上準之助
    ・「自分は天命を受けた以上、決死の覚悟で事に当たるつもりでいる――途中、何事か起こって中道で斃れるようなことがあっても、もとより男子として本懐である」浜口雄幸
    ☆命を賭...続きを読む
  • 静かに 健やかに 遠くまで
    "城山三郎さんの著書からの文書をテーマ別に再編集。エッセイ集のような体裁となっている。
    ランダムにページを開いて、1日一節を読むのも良いかと思った。

    今開いたページの一節を抜粋する

    <不激 不騒 不競 不従>
    けげんな顔をする津秋に、ナオミは言った。
    「激さず、騒がず、競わず、従わず。おじいさん...続きを読む
  • 毎日が日曜日
    昭和51年の作品だが、働き方改革や雇用延長が問われている今、この作品が書かれていたらどんな内容・.展開になっているのだろうか?
    釣り好きの住井が定年バンザイの笹上に言った「平凡な話だが、いちばんいいのは、生計の道は別にあって、気が向いた時だけ、釣りに行くというくらしじゃないのかね」という言葉が響いた...続きを読む
  • 役員室午後三時
    大企業の社長の苦悩、孤独、焦慮、葛藤。
    そして、王者の風格、余裕。
    派閥抗争。
    若手の追い上げ。
    目まぐるしくかわる形勢。
    スリリングかつ、アグレッシブ。
    本格的経済小説。
  • 臨3311に乗れ
    日本ツーリスト (現・近畿日本ツーリスト) の創業メンバーである馬場勇の伝記を中心とした、当時の社員たちの活躍を描いた小説。城山三郎著、近畿日本ツーリスト刊行と書いてある。

    終戦間もないころの話であり、旅行業界のベンチャーとして、貸切列車の設定、新たな観光ルート開拓、オンラインシステムの導入など画...続きを読む
  • 男子の本懐
    たらればなので、もし暗殺されていなかったらは、わからないですが、男の生き方としてかっこいいと思いました。
    ・すでに決死だから、中道で倒れても、もとより男子の本懐。
    ・早く帰って、日常業務から解放されて、個人の時間で大所高所に立つ勉強をせよ。一人一人の質を高めることが、銀行のため、国のためになる。
    ...続きを読む