城山三郎のレビュー一覧

  • 男子の本懐
    2人の男が人生を賭して実現しようとした経済政策「金解禁」。
    単なる友情物語でも、綺麗事を並べた精神論でもない。泥臭く、あの手この手を尽くして、ただただ信念を貫く2人に、心を揺さぶられる。
    政治家のあるべき姿が、ここにある。
  • 価格破壊
    流通革命、小売産業などに興味ある人はかなり楽しめて読めると思う。胸が熱くなるシーンが多かった。全てのものは出した瞬間に腐り出している。
  • 男子の本懐
    自分を犠牲にしても、日本国の将来をおもんばる政治家がいた。そんな政治家が今の日本にいるだろうか?みんな政治屋に成り下がっていないだろうか?
  • 男子の本懐
    「艱難汝を玉にす」

    浜口・井上の行なった金本位制の政策内容は難しく、なかなか理解できなかったが、この小説の醍醐味はその政策内容ではなく、その政策を実施するという強い意思を貫徹し、実施までこぎつけた二人の生き様を知れることにあると思う。
    自分の中では都度読み返したい一冊となった。
  • どうせ、あちらへは手ぶらで行く
    「そうか、もう君はいないのか」の後日禄。

    夫人のなくなった後、城山氏が没するまでの9年間の日記。

    夫人を亡くした後の氏の悲しみが痛々しい。

    とても羨ましく思う夫婦関係だと思った。
  • 毎日が日曜日
    これはすごい小説だった。車を運転している時でさえ続きが気になって、信号赤になったら1ページでも読みたい。こんな感覚は久しぶり。私が生まれた頃に書かれた本であり、商社が舞台。壮絶に、命を賭して仕事をしてくれた世代であり、同時に滑稽であり哀れであり。「権利収入で不労生活者」「億単位のダイナミックな仕事人...続きを読む
  • 価格破壊
    城山三郎は明言していないが、主人公のモデルはダイエーの創業者中内功であることが、本書から読み取れる。フィクションではあるが、スーパー「アロー」とメーカーとのせめぎ合いが妙に生々しい。できる限り商品を安く提供することで消費者からの支持を得、事業を大きくしたいスーパーと、取引のルールと価格を守り、ひいて...続きを読む
  • 男子の本懐
    浜口雄幸と井上準之助
    2人の英雄は凶弾に倒れ日本は戦争に突入していきます。
    性格の違う2人が命を賭して成し遂げた金解禁。
    それにつながる緊縮財政と行政整理。
    行政改革は今につながることと思います。
    自分ももっと命懸けで仕事しなあかんなと思いますσ^_^;
  • 雄気堂々(下)
    「八百万の神々の集い」
    これは幕末や維新の時代だけでなく
    また国政や実業会だけにあるものではありません。
    今置かれた時代や与えられた仕事の中でもたぎる熱い思いを持つものが集まればそこには「八百万の神々の集い」が生まれるものと思います。
    まだまだ柱の1つになるには実力不足ですが精進していこうと思います...続きを読む
  • 雄気堂々(上)
    僕の大好きな渋沢栄一の小説です。
    農民から立身出世して大成していく姿は秀吉に通じます。
    最近歴史小説は戦国時代から幕末明治に興味が移ってます。
    やっぱり人の生き死によりもいかに政治的に勝ち抜くかという方が現代に通じます。
    自分で仕事を作って上に認めてもらっていく姿は見習わないといけません。
  • 毎日が日曜日
    退職した商社マンの話かと思ったら主役はまだ転勤に翻弄される現役商社マン。あまり気負わず書かれた作品のようだが大満足。登場人物の多いヒューマンドラマなのに商社のことがよくわかる。企業大河ではなく家族中心なのも良い。日本の商社のように世界津々浦々に支店を置き、独自に気象予測までして、さらに自国に大市場を...続きを読む
  • 官僚たちの夏
    通産官僚たちの、法案をめぐる政財界とのバトルと、人事をめぐる官僚同士の戦いを、タイトル通りに熱く描く。
    天下国家のためという意志のもと、無定量・無際限の仕事っぷりで突き進み、民族派的で統制的ともとれる政策を推し進めようとする風越派官僚と、様々な利害からそれに抵抗、妨害する政財界との戦い、それに政策の...続きを読む
  • 硫黄島に死す
    1932年に開催されたロサンゼルスオリンピック、馬術の部で優勝したことで、華やかな欧米社交界で注目された男爵、西竹一の死への美学を描いた短編小説。

    貴族としての見栄と家族、部下を思う気持ちを隠そうとしなかった西は当時の日本軍人の中では異色の存在だった。そんな西が硫黄島守備隊という玉砕確実の戦線に赴...続きを読む
  • 雄気堂々(上)
    明治維新前後の薩長土肥や会津、新選組等メジャーどころ以外の視点、且つ経済的視点から描いた視点が面白く、又、渋沢栄一という日本の経済界の偉人を描いており、もう少し早く読めば良かったとも思う。
  • 指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく―
    城山氏の綿密な調査と自身の経験など、あらゆることをふるいにかけた渾身の記録。読むだけで哀しさが痛切に身にしみる。歴史の教科書にもこういった人々の事実を載せるべきではないだろうか。
  • もう、きみには頼まない 石坂泰三の世界
    万博公園には何度も行っているのに、石坂泰三の像には気づかなかった。日比谷の第一生命ビルも、今度、見に行こう。まなぶところの多い、昭和の気骨人の生涯です。
  • 逆境を生きる
    高校生(福岡修猷館)に向けての講演だから、読みやすい。
    小説の代表作の主人公のエピソードが思い出される。

    こういう講演を聞けた高校生が、羨ましいなあ。
  • 「粗にして野だが卑ではない」 石田禮助の生涯

    定年後の指針にします

    最期の瞬間まで自身の哲学を曲げない生き方に感動!
  • 男子の本懐
    目先の政治にとらわれずこの国の将来を見据え、勤勉に真剣に政策を考え、政党政治にとらわれる周囲の雑音に惑わされずに生き抜いた、浜口雄幸。

    その浜口とは通ってきた道も、問題への解決の仕方も違う井上準之助。
    ただひとつ、ふたりが見るこの国の将来が重なったとき、命を賭けた彼らの勝負が始まった。

    ...続きを読む
  • 雄気堂々(上)
    日本経済の礎を築いた渋沢栄一を、経済小説の分野を確立した城山三郎が描いた作品。

    農夫から攘夷の志士となり、幕臣、新政府の官僚を経て日銀の総裁となる。日本の資本主義の父とも言える人。

    一筋縄ではいかない時代をその才覚で生き抜き、自身の富を築くよりも国の繁栄を願うその姿は奇跡のように思える。
    ...続きを読む