城山三郎のレビュー一覧

  • 打たれ強く生きる
    一つ、一つが、心にずんと響いてくる。

    どんどん読みたいけど、
    一つ一つ噛みしめて進んで行くのが
    心地よい。

    いいエッセー読ませてもらいました。

    城山先生はほんとすげー。

    「静かに行くものは健やかに行く、
    健やかに行く者は遠くまで行く」

    噛みしめて行きたい言葉があります。
  • 価格破壊
    フィリピン、ルソン島で地獄を経験した矢口は日本に帰り、「どうせ一度は死んだ体」と割り切って会社を辞め、「価格破壊」を標榜しスーパーマーケットを立ち上げる。

    従来のメーカー⇒卸⇒小売という商流の中にあった慣れ合いや癒着を一切排除し、次々と常識を打ち破っていく矢口の言葉・行動は力強くて圧巻。
    常識を打...続きを読む
  • 役員室午後三時
    初めて読んだ企業小説でした。面白かった。カネボウをモデルに書いたようですが、最近、よく思うのです。うちの会社に似てる…
  • 毎日が日曜日
    昭和51年に刊行された経済小説。
    もう35年くらい前に書かれたものなのに色あせない面白さ。

    日本の総合商社を舞台に、海外赴任、家族、教育、定年、出世競争といった様々な問題が盛り込まれている。
    人間がしっかりと描写されているから今読んでも面白い。

    ウーさんがとてもよかった。
    「輸出」の続編的な作品...続きを読む
  • 打たれ強く生きる
    この人のどストレートなメッセージは墜ちかけたときに効きます。

    1分で読めるエッセイがずらり。

    こりゃねーだろとか思うのも確かにあるけど、

    ずっとこの先大切にしたい価値観も多々ある。


    これからずっと読んでいきたい本です。
  • 総会屋錦城
    企業の話が7作入った短編集。

    短く切るリズミカルな文章に、めまぐるしく変わる展開。そして主語をくるくる変えながらキャラクターの内面に迫っていく手法。
    どれを取っても一級品だった。

    ある種の切なさや悲しさが全体的に漂っている『総会屋錦城』よりも、バリバリ働く商社マンの光と陰を描く『輸出』やアメリカ...続きを読む
  • 毎日が日曜日
    昭和50年ごろの商社マンの話。
    京都支店に転勤になって相談役の相手をする主人公・沖と、定年退職になった笹上は「毎日が日曜日」の生活を送れると周囲から言われるのだが、現実は・・・。

    この2人の対照、その周囲の人間の醜さ、前向きさ、当時の商社の様子がよくわかる。

    今読んでも面白いと思えるのは、...続きを読む
  • 燃えるだけ燃えよ 本田宗一郎との100時間
    世界のホンダを作った本田宗一郎の伝記小説。基本的には、城山が100時間つきっきりでインタビューしたものや仲間などの話を取り入れた一冊。本田が引退した後から話が始まるという切り口が特に良かった。というのは、本田の若いころを美化するようなものを最初は期待していたが、むしろその時代を客観的に捉えると同時に...続きを読む
  • もう、きみには頼まない 石坂泰三の世界
    題名に惹かれて手に取った作品。
    長期的な視点とブレない基盤。豪快かつ痛快。
    人の上に立つ人物として必要なものばかり。

    石坂泰三本人をよく知らなかった自分に
    尊敬する人物を一人加えてくれた。
  • 花失せては面白からず 山田教授の生き方・考え方
    イデオロギーに囚われてはいけない、という、現場から遠いと言われる学者が限りなく現場に近づこうとする。こんな素敵な議論ができるようた師弟関係がうらやましい。この時代の一橋で学びたかったと思ったが、はて、どの時代だろうが中身のない自分にはついていけないではないかと、すべてを時代のせいにすることを自省。
  • もう、きみには頼まない 石坂泰三の世界
    第一生命社長、東芝社長、経団連会長、大阪万博会長 等 を務め、
    財界総理と言われた石坂泰三の生涯。

    教養が深すぎる。
    英語、フランス語、ドイツ語、ラテン語ができ、
    俳句や短歌にも詳しく(万葉集が愛読書)、
    書や焼き物も趣味で、哲学にも精通。

    バラエティ番組を見て日本の将来を嘆いていたりもしており...続きを読む
  • 価格破壊
    久しぶりに驚くほど引き込まれ、一気に読んでしまった一作であった。
    価格破壊というタイトルからは想像できないような奥深さ。主人公のモノ売りにかける執念は、並々ならぬものがあったと思う。
    少しずつ店が大きくなっていく様子も見ていて爽快であった。
    社会に反抗する主人公の姿が今でも心に焼き付いている。
  • 黄金峡
    ダム建設をめぐる問題を描いた小説です。
    ダム建設の裏側や人間性がリアルに書かれています。
    重たい話題ですが小説なので読みやすい。
    かなり考えさせられてお腹いたくなりました。
    (芳崎)
  • 打たれ強く生きる
    【読書】著者は、「官僚たちの夏」や「落日燃ゆ」などで有名な城山三郎。(ちなみに大学の大先輩である。)本の名前でわかるように、著者の前向きな姿勢、仕事への真摯な姿勢が表れている本。著者の前向きで、人間的な優しい文章が好きだ。本当に素晴らしい本であり、コメントすべきポイントが多いが、気に入ったのは次の文...続きを読む
  • 鼠 鈴木商店焼打ち事件
    金融マンであれば読んでおくべき本。

    決して簡単な内容ではないし,歴史背景が古いので若い人には少し掴むのには時間がかるかもしれない。

    城山作品の最高傑作だと思う。
  • 学・経・年・不問
    何となく買ってみたんだけど、読みやすくて楽しめた。
    2人の男の中間ぐらいが丁度いいだろうけど、それはそれでただの普通の人になってしまって「学・経・年齢不問」の枠ではやっていけないだろう。
    極端っていうのも良いかもしれない。
  • 価格破壊
    これは、ダイエーの創始者の中内功氏の伝記的小説となっていると思う

    確かに、現代の歴史の中では価格破壊的商法は一時代を築いたのだと思うし
    現在もそのモデルに則って行われているビジネスがあるのだろうが

    その場合、果たしてみんなが幸せになるモデルなのだろうか?
    フェアトレードを最近聴くようなったが、多...続きを読む
  • わしの眼は十年先が見える―大原孫三郎の生涯―
    たまたま実家に帰省中に手にとった。
    ちょっと悩んでいたときに勇気をもらいました。
    今では当たり前と思うことを当時から実践していたとはすごい。
    今でもわかっていてもなかなかできない。
    正しいと思うことをやり遂げた人は素晴らしいです。
  • 逆境を生きる
    これは、城山さんの高校での講演をまとめたもの。
    「落日燃ゆ」の広田弘毅、浜口雄幸・・・、そんな人たちの生き方を平明で丁寧な言葉で語っていく。

    「人は、その性格に合った事件にしか出会わない」というのは至言である。

    人は自分がなりたい人生を歩む。
    ボーッとしていて他人や社会のせいにして自分の不幸を嘆...続きを読む
  • 黄金峡
    田子倉ダム補償事件が元ネタの小説。人物像が色濃く描かれており、非常に味わいのある内容。ダム建設が地元にどのような影響を与えるのかがよく分かる。