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東北の静かな山村に、日本最大のダム建設計画が持ち上がった。交渉のため村に乗り込む開発側と、先祖伝来の土地に愛着を抱く住人たち。多額の立ち退き補償を巡り、村は賛成派・反対派に分かれ騒然となる。ダム建設は、人々に何をもたらすのか。補償交渉に翻弄される人々の苦悩ーーダムが人を壊していく……。ダム問題をえぐる衝撃作。高度経済成長黎明期の1959年に、経済小説の先駆者が執筆した傑作社会派小説。
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Posted by ブクログ
ダム建設をめぐる問題を描いた小説です。 ダム建設の裏側や人間性がリアルに書かれています。 重たい話題ですが小説なので読みやすい。 かなり考えさせられてお腹いたくなりました。 (芳崎)
田子倉ダム補償事件が元ネタの小説。人物像が色濃く描かれており、非常に味わいのある内容。ダム建設が地元にどのような影響を与えるのかがよく分かる。
ダム事業にあたっての用地買収の様子、賛否や補償をめぐる住民とのやり取り等、それがもたらす地域へのインパクトが。生々しく描かれている。その姿は、ひとつのモノサシとして参考になるし勉強にもなる。とくに、現場所長の言動には、住民を軟化させる手法・語り口として上手い(手慣れた)ところが大いに感じられる。 ...続きを読む一方、ダム事業において用地・補償という限られた側面のみにスポットをあてられており、そういうことだけではないんだけどなぁとも、感じずにはいられない。そのあたりの、ややオーバーな(単焦点的な)様子は、この作者らしいとも思う(官僚たちの夏でひたすら人事に光を当てたような)。
【本の内容】 東北の静かな山村に、日本最大のダム建設計画が持ち上がった。 交渉のため村に乗り込む開発側と、先祖伝来の土地に愛着を抱く住人たち。 多額の立ち退き補償を巡り、村は賛成派・反対派に分かれ騒然となる。 ダム建設は、人々に何をもたらすのか。 高度経済成長黎明期の1959年に執筆された傑...続きを読む作社会派小説。 [ 目次 ] [ POP ] 群馬県・吾妻川流域の八ッ場ダムの建設中止問題で揺れる中、半世紀前に発表された作品がよみがえり、現代を撃つ。 ダム建設で賛否が二分した村が舞台の、城山三郎初期の社会派小説だ。 三つの黄金がすさまじくぶつかり合う。 幾百年守り続けた集落の知恵が、自然の美しさと和みあっている貴重な黄金郷。 そこにダム計画が持ち上がり、立ち木一本、庭石一個、先祖の墓までもが補償金に換算される黄金(ゴールド)ラッシュが到来、村民はカネの魔力に右往左往する。 先祖伝来の土地を守るべく、一部の抵抗派は、「来るでねえ!」と叫び、黄金色に輝く肥桶の糞尿を開発側にぶちまける……。 物語は、村民たちの絆、堆肥で培われた土壌も破壊され、バブルに狂奔した村人が自滅するところで終わる。 ダム建設による産業振興、治水という当時の大義は揺らぎ、「ダムはムダ」に象徴される新しい大義「コンクリートから人へ」が声高に叫ばれる時代になった。 大義とカネに翻弄される住民の苦悩は放置されたままだ。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
ダム建設をめぐる開発側と住民側の対立のお話。 ただ、住民側にも反対派と賛成派に分かれ一枚岩になれないのがリアル。
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