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戦後の荒廃と混乱の中で、資力もバックも、信用もないが、先見性と野武士的勇断を武器に、新しい世界に切り込んでいった男の集団。幾多の試練を持前の精神力と不可能を可能にする不撓不屈のバイタリティで克服し、ついに日本有数の旅行業社にまで発展させた男の野望と情熱を活写する実録企業小説。
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Posted by ブクログ
近ツリの社史を、前身の日本ツーリスト社長 馬場勇をメインにして描いた、いわゆる経済小説。著者の入念な資料調査と、機微な人間関係のタッチは良かったと思う。ただ個人的には、宮本常一と近ツリの結び付きについて、もう少し話が聞きたかったところではある。 観光研究の教科書では、往々にして、「マスツーリズム...続きを読む」から「サスティナブル・ツーリズム」へなどと、短絡的な言葉遊びが展開されているが、かかる「マスツーリズム」の内実を細かに描出した本に出会ったことがなかった。本書は、戦後から70年代までの国内における旅行業事情、言い換えれば、当時のマスツーリズムの諸相をまざまざと見せつけてくれる一冊であった。 日本ツーリストは、兎にも角にも、事業拡大の道を歩んでおり、まさに青天井の如く事業所設立に力を入れている。企業理念も、企業戦略も何もない、只々、大量生産・大量消費の方式で、力をつけていった企業としても過言ではないだろう。他方で、このマス的な企業方針に傾倒していったのは、交通公社(JTB)に対するやっかみに依るところが大きかったものと思う。国営企業のJTBは、お上のお陰で潰れることはないし、営業の際に信用を勝ち取れる。また、国鉄との結び付きで、旅行商品を生産しやすかったという環境もある。国営企業であるJTBに打ち克つには、なるたけの馬力で、顧客を獲得せねばならない。「国営企業 vs 私企業」という構図のもとで、(負の遺産ともいえる)マス的な観光形態が形成されたのではないかと感じた。その意味で、JTBの功罪は大きいだろう。また、旅行業界の「ブラック化」が進んだのも、この「官民」の闘争の成れの果てとも言えそうである。まあ、近ツリが、社員の家族を巻き込んでまで事業を遂行していたという話は、ちょっと引いたものである。なお、大量生産・大量消費とは雖も、1970年代頃にはSITの兆しが見えていたようで(p. 207)、近ツリが、コンピュータを導入した管理運営を世界に先駆けて実施しているのは興味深い。 「観光」という言葉の使用が、近畿交通社に端を発している話(p. 127)、渡鹿野の置屋のはしりが、これまた近畿交通社であったという話(p. 120)、馬場が学閥を忌避していたにも拘らず、学生バイトは東大生ばかりを雇っていた話、日本ツーリストが「添乗員」経験を重視していた話など、知らない話が多く出てきた。 それにしても、近ツリのバイブルとなっているこの本を、現代の新入社員が読んだらどんな反応を示すのだろうか。過度な精神主義に傾注し、ブラック・パワハラを黙認・礼賛するようなこの本を読めば、現代人は委縮してしまうのではなかろうか。こんな武勇伝を延々と聞かされて、「お前らは甘えてる、俺の時はもっと大変だった!」などと叫ばれたら、もう一溜りもないし、さっさと辞めたくなるに違いない!
日本ツーリスト (現・近畿日本ツーリスト) の創業メンバーである馬場勇の伝記を中心とした、当時の社員たちの活躍を描いた小説。城山三郎著、近畿日本ツーリスト刊行と書いてある。 終戦間もないころの話であり、旅行業界のベンチャーとして、貸切列車の設定、新たな観光ルート開拓、オンラインシステムの導入など画...続きを読む期的なアイデアを次々と導入していくところには感動を覚える。 その反面、ときには社員を無給で働かせ、社員の妻まで駆り出すそのブラック企業ぶりはハチャメチャだが、役員含め全員がそんな感じなので、綺麗事はともかく時代を変えるのはこういう人たちなのかなとも思う。 それにしても当時の修学旅行の強行軍には驚きで、定期運行の列車に押し込まれ、時にはホームで何時間も乗り継ぎを待ちながらまでして東京から関西に出掛ける、そのバイタリティはどこから来ていたのだろうか。
近畿日本ツーリストの誕生から現在に至るまでの社史を綴った本。馬場を中心とする社員の仕事への情熱が、本書を通して伝わってくるような気がした。何も持っていなくても、信念と根性で仕事の多くの障害は突破できるのではないかと勇気づけられた。
文字通り死に物狂いで這い上がる、 現・近畿日本ツーリストの物語。 労働環境的には問題だと思うけれど、 「なんかいいなあ」とちょっとでも思ってしまうのはなぜだろう。
こういうガツガツした感じはいいなあと思う。 近ツーの社史として書かれた割に、吸収した側の近畿交通社よりも吸収された側の日本ツーリストに焦点が当たっているのは、単純に依頼者が馬場副社長本人だから? 合併会社が軌道に乗り時が経つと、日本ツーリスト出身の役員はいなくなり、ベンチャーの名残がなくなっていくの...続きを読むは残念なようではあるけれど、多かれ少なかれどこの会社も同じようなもので、結局のところ会社は公器なんだなあと思う。
近畿日本ツーリストの創業者、馬場勇。 社史を基にした戦後企業の物語。 戦前戦後のこの辺りの起業した男たちの物語は熱いね。現代の日本企業の礎を築いてきたその変遷は、熱っぽくて良い。 戦後の荒廃と混乱の中で、資力もバックも、信用もないが、先見性と野武士的勇断を武器に、新しい世界"旅行代理...続きを読む店業"に切り込んでいった男の集団。 たった数人で立ち上げた小さな会社から、ここまでの企業にするには、その情熱は凄まじい。 経済小説は、今だと池井戸潤氏あたりが流行っているが、その先駆けである昭和一桁代生まれの城山三郎氏のそれは、どれもいつ読んでも古さを感じさせず、滾るものがあるな。
サクセスストーリーに登場する人物は押しなべてこのような人たちである。唯一無二と己を信じ、遮二無二突き進み常識外の馬力でやり遂げ、そして周囲からは煙たがれる。 だから、失敗したものは変人扱いとなる。常識の枠を超えられない者には大願成就は夢の又夢。
近畿日本ツーリストの創業から発展を描いた小説。 足元固めるのが下手だが、誰よりも夢を持ち馬力を持つ主人公、馬場さんの生きざまはまさにベンチャーの社長という感じである。 日本ツーリストは近鉄の子会社である近畿交通社との合併で発展する。今まで弱かった経理が強くなったのが一因であろう。 やはり、守...続きを読む備と攻撃のバランスがいかに組織として重要かということであろう。 こうした典型的な発展ストーリーはひたすら無茶苦茶な小話に富むが、そこまでと言えばそこまで。 城山さんも若いからそんなに文章がうまくなかったのかな!
主人公も面白い人だなぁと感じたが、近鉄本社の佐伯勇社長の先を見る目もさすがにすごい。そのときに儲からなくても、将来大きな仕事のニーズが出てきそうな部門をどう辛抱強く持ち続けるかという点がすごい。評価、評価のこのごろとはちょっと違う...かな。
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