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【第19回新田次郎文学賞受賞作】雪深い東北の山奥で、主婦が野犬とおぼしき野獣に喰い殺されるという凄惨な事件が起きた。現場付近では、絶滅したはずのオオカミを目撃したという噂が流れる。果たして「犯人」は生きのびたニホンオオカミなのか? やがて、次々と血に飢えた謎の獣による犠牲者が…。愛妻を殺された動物学者・城島の必死の追跡が始まる。獣と人間の壮絶な闘いを描き、第19回新田次郎文学賞を受賞した傑作冒険小説。
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Posted by ブクログ
雪深い山中のログハウスで愛する妻を野獣に食い殺された動物学者の城島。足首を噛み砕かれ、喉元を鋭い牙で刺され、腹を食い破られるという凄惨な現場写真をみて、その顎力の強さから大型犬の仕業ではないことを悟る。妻はオオカミに殺されたのか… しかしニホンオオカミははるか昔に絶滅しているはず。悲しみを胸の奥深...続きを読むくにしまい、城島は妻を殺した獣の正体を雪上に追う! ニホンオオカミの詳しい生態と、農業や林業を生業としていた人間との共生関係、そして山を生活の場としていた漂泊民・サンカ。昭和の初期には失われてしまっていたそれらの古き山村の民俗文化を織り交ぜながらも、城島が一本気な行動で謎の獣を追い詰めて行く闘いの描写が非情に骨太で緊迫感があります。 次第に明らかになる獣の正体。その影に見え隠れする自然の摂理を無視した邪な人間の意思。冒険小説としても一級品ですが、ミステリーとしての展開もよく出来ていて一気に物語の世界へ引き込まれていきます。 「新田次郎文学賞」という冠に恥じない名作です。
雪山にて追う人間と、その対象である動物との緊迫感はすごかった! MAN WITH A MISSIONが好きで狼が出てくるから購入。
内容(「BOOK」データベースより) 雪深い東北の山奥で、主婦が野犬とおぼしき野獣に喰い殺されるという凄惨な事件が起きた。現場付近では、絶滅したはずのオオカミを目撃したという噂が流れる。果たして「犯人」は生きのびたニホンオオカミなのか?やがて、次次と血に飢えた謎の獣による犠牲者が…。愛妻を殺された動...続きを読む物学者・城島の必死の追跡が始まる。獣と人間の壮絶な闘いを描き、第19回新田次郎文学賞を受賞した傑作冒険小説。
東北の雪深い地方で、愛妻を殺された動物学者の城島。 狼なのか野犬なのか、事件を追い始める城島、テレビのプロデューサー恭子、鳴子警察署の刑事堀越。 狼の生態についてや、サンカといった民俗学についてなど、あまりよく知らなかった分野だが、興味深く読めた。 東北の厳しい自然の描写や、その中で狼を山の神と崇め...続きを読むて生きていた人たちの思いが伝わってきて、非常に良かったと思う。
東北の山奥で、謎の獣により人が喰い殺され、「オオカミだ」という噂が流れる。妻を殺された動物学者の城島が追う先にいるのは、はたして…。 完全な動物ものではなく、半分はミステリ。それでも、日本では絶滅したはずの狼というロマンとスリリングさ、装備や動きの描写が真に迫って面白かった。
幻のニホンオオカミに関する話かと思ったら、出だしはミステリ、中盤で凶獣の正体は明らかになるが、ここから一転、謎の山間漂泊民・山窩を巡る戦後史となる。信じ難いが、一応そういう説もある様だ。話としては面白い。最後に姿を見せる7匹の…。ところで狼と言えば、和歌山と奈良の県境沿いに、古より「谷幽かにして嶺遠...続きを読むし因りて無果という」と説かれた果無山脈が広がっている。山低くアルピニズムとは無縁の地であるが、その山懐は果てし無く深い。山の斜面をツチノコ転がり大蛇が道を塞ぐ、夜には狼の遠吠えが聞こえると言う。未知動物の聖域。 “ガオー”の次は“ウォー”! 2012年09月07日
狼好きは読めというレビューを読んで、本書を手に取ってみました。深い雪山での追跡、日本狼の存在、謎の漂白の民。どれも興味深い内容でした。
いや~、面白すぎ。 一気に読み入ってしまいました。 東北を舞台に、ニホンオオカミを題材として物語が進んでいきます。 サスペンス、推理小説の要素もふんだんですが、山の中をマタギ並に駆け抜ける、アニマルトラッカーは凄いです。 雪の山々が目に浮かんできます。 本書は、第19回新田次郎文学賞...続きを読むを受賞した作品だそうですが、納得です。 熊谷達也、ますますはまりそうです。
雪山の描写の迫ってくる現実感が凄く好き。 山って開けているように見えて実のところ閉塞感が凄い場所だと思う。 舞台が結構ご近所なのでちょっとニヤニヤさせられました。
冒頭で衝撃を受け、そのままテンポ良く引き込まれて一気にラストへ。 文章が、ほんと良くて、背景描写もスラスラっと頭に入ってきて、まさに雪山に狼を追う主人公になりきりでした。
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