朱川湊人のレビュー一覧

  • 幸せのプチ ――町の名は琥珀
    琥珀と言う街を軸にして、時間を前後させながら、様々な人間模様を織りなしていくストーリー構成には驚きを隠せない。素晴らしい作品でした。
  • なごり歌
    人間ってのも まぁ なかなか
    いいもんだね
    と 思わせてもらえる
    朱川湊人さん

    少し前に マリ共和国の友達と話していて
    彼が 初めて日本に来た10数年ほど前に
    初めて新幹線に乗ることがあったそうな
    その時に 新幹線の駅のホームで待っていた時
    目の前を ものすごい速さで何かが通過していった
    横にいた...続きを読む
  • 都市伝説セピア
    普通の生活のとなりにありそうな、怖い出来事が、描かれている短編集。ストーリーに引き込まれて、最後にぞっとする。好きな作品です。
  • かたみ歌(新潮文庫)
    今回、読書にハマるきっかけとなった本です。
    不思議な町へ自分も入り込んでその場にいるような気がするくらい昭和のノスタルジックな情景が浮かんできて、短編集で読みやすいというのもありますが、あっと言う間に読み終わりました。
    しばらくしたらまた読みたくなると思います!!
  • かたみ歌(新潮文庫)
    朱川湊人作品の中で大好きな一冊です。

    どこか懐かしい昭和のあの頃に連れて行ってくれます。

    一つひとつの物語に切なくも温かい美しさを感じます。
  • 幸せのプチ
    朱川湊人さんの本は3冊目。
    その中で一番好きです。

    都電の走る「琥珀」と言う下町が舞台。
    5話の連作だが、その繋がり方が絶妙。
    物語が進むごとに町の人々が繋がってゆき、いつしか自分もこの町の住人のような感覚がしてくる。

    全ての物語に白い犬がちょこっと登場するのだけど、これがまた不思議な存在で。
    ...続きを読む
  • かたみ歌(新潮文庫)
    なんとも言えない寂しさと温かさが味わえました。
    移り変わる時代が流行歌に反映されているのもいいなと思います。
    じんわりと全貌が明らかになっていく感じが素敵でした。
  • 揚羽の夢~知らぬ火文庫~
    大河ドラマでやっている「鎌倉殿の13人」は見たことないが、時代背景は似ているんじゃないかな?

    この作品は「方丈記」と「平家物語」のアレンジ。時は平安、平氏が栄華を極めている頃から始まり源氏が取って代わる頃まで、当時の都の生活を鴨長明こと無明の視点から描いている。疫病、戦、地震など。猫丸と雨里の話が...続きを読む
  • 都市伝説セピア

    世にも奇妙な…

    実際に世にも奇妙な物語で使われた「昨日公園」以外のお話も全て世にも奇妙な物語でした。
    朱川さんの作品を初めて読みましたが他の本も読んでみたくなるようなワクワクする作品ばかりなのでオススメです。
  • 今日からは、愛のひと
    最初読み終えたときは、子供の頃、数回味わったあの感覚が蘇ってきた。

    相手に殴りかかって行って・・・。

    衝撃で目をあけると、目の前、数センチに地面がある。

    ああ・・・

    グイッと、現実に戻される、今、目覚めたような孤独の感触。

    怒りの恍惚から冷めて、ケンカが滅法弱く、そのくせ気が短い自分、に思...続きを読む
  • 花まんま
    心温まるホラーだったり救いようがないホラーもある6連の短編集
    「妖精生物」がおすすめ
    甘美な感覚の虜になった主人公、この生物がいると幸せになると信じ育てていくが...。
  • 幸せのプチ
    特に好きな一冊。

    5篇とも大好きだが、①は「普通の良作」の5年前の初読後の印象から、「朱川湊人といえばコレ」と、自分の頭の中での焼き付き度合いが強くなっている。

    他の4作は、登場人物の中に自分も入ってみたいと感じる。密接で穏やかな空気感。

    本の題名になっている白い犬「プチ」が、各編で助演的に登...続きを読む
  • 花まんま
     パルナスのCMソング。ゴム跳びという遊び。「じゃりン子チエ」が住んでいるような大阪のゴタゴタした町にいる、仕事もせずブラブラと陽気に昼間から遊んだり飲んだりしている“おっちゃん”。しかもそんなおっちゃんが結構な割合でいる、大阪のある下町。貧乏で開けっ広げで人情深い人たちがひしめき合って暮らしている...続きを読む
  • 狐と韃(むち)~知らぬ火文庫~
    楽しかった。
    不思議な昔話というのはわくわくする。
    8篇とも「日本霊異記」(西暦822年成立?)をヒントにしているらしい。
    ④はこの著者、景戒が書きながら頭を悩ませているという設定で、40年近く前の受験勉強中、「南総里見八犬伝」執筆中の滝沢馬琴を描いた問題文が出てきて、「続きが読みたい!」と思ったこ...続きを読む
  • 太陽の村
    父親の退職記念のハワイ旅行の帰り、167センチ、124kgの坂木龍馬(さかきりょうま)は飛行機事故に遭った。

    意識を取り戻したのは砂浜。家族の姿はなく、金太郎を含む子ども達に囲まれ、「海坊主!」と罵られ、棒切れで叩かれ、突かれているところだった。

    なんとか村長に救われて時代を聞くと、そこは「宝命...続きを読む
  • わたしの宝石
    『わたしの宝石』は、一度離れてしまったヒトの、かけがえの無いものを、そのヒトがいなくなってしまったあとで見つめていくという切なさで感じ入ってしまう。
  • 花まんま
    同級生に薦められて読みました。自分自身が過ごした昭和の古き良きアナログな時代を思い浮かべて身近におこりそうな不思議な話に引き込まれました。6篇とも淡く優しくそして哀しみもあるストーリーです。中でも表題となっている花まんまは秀逸です。朱川さんの他の作品も読んでみたくなりました。
  • かたみ歌(新潮文庫)
    東京の下町、アカシア商店街の7話。
    僕は朱川さんの紡ぐ、別の物語がちょっとだけつながっている、その構成が好み。③、⑤、⑥、⑦が特にお気に入り。
    ①紫陽花のころ
    初読はそれなりに楽しめたんだがなぁ、なんだかなぁ、そんな結末だったとは。
    ②夏の落とし文
    電柱の貼り紙に自分の未来が予見されていたら。いいお...続きを読む
  • 都市伝説セピア
    『昨日公園』『月の石』は傑作。これだけでも読む価値があるが、せっかくの短編集なので全作を、いや、ホラー作を間に挟んでいるおかけで余計に感動するので、やはり全作を『アイスマン』から順に読むのがいい。
    しかしあれだ、感動や恐怖など、“死”をこんなにも自在に表現として操る巧みさはちょっと凄すぎる。
  • 花まんま

    胸の奥をツンと刺激してくれる話

    少しコワイ話も含まれた短篇集。
    昔知っていた大事な気持ちをふと思い出させてくれるような作品です。
    少し毒があって、少し救いがある。
    きっと時々読み返してしまう1冊になると思います。
    表題作の「花まんま」もいいですが、「凍蝶」も好きです、さりげない最後の数行に感慨があります。