朱川湊人のレビュー一覧

  • 花まんま
    どこまで思い出として記憶として脳に残るんだろうなと思った章。時代は変わっても差別はつきものだと思った章。
  • かたみ歌(新潮文庫)
    読者は不思議が起きる町へ招待される。
    死者の世界に通じる場所がある覚智寺、町で起きる摩訶不思議な出来事の目撃者であり証言者である古書店主をキーに7篇の死にまつわる話が語られる。
    そしてそれぞれの話の底流にあるストーリーは最後の一篇によって鮮やかに語られる。
    戦禍を免れて古くからの町並が残ったこの町に...続きを読む
  • かたみ歌(新潮文庫)
     東京の下町、アカシア商店街というアーケードのついた300mぐらいの通り。古本屋、ラーメン屋、酒屋、スナック、お寺、アパート・・・。その商店街を舞台にした昭和30~40年代の物語。連作短編7話。霊や魂をテーマにした朱川ワールドが拡がっています。「かたみ歌」、2008.2発行。 
  • なごり歌
    かたみ歌を読んだ後にこちらのなごり歌を読む、という流れを踏まえてみたが、こちらの作品単体で読んでも充分楽しめる作品です。
     アカシア商店街でテーマソングの様に流れていたというあの曲や、木綿のハンカチーフ、心の旅、作中出てくる実在の楽曲を聴きながら作品の世界観に浸れるというのが嬉しい演出でした。
  • かたみ歌(新潮文庫)
    なごり歌を先に購入してしまい、こちらのかたみ歌が先の作品と知り慌ててこちらも購入し、読破しました。
     非常に良くできた短編集……かつ、それぞれ少しずつ人物が被るように絡んだストーリーの構成………あ、ここでこの人物が関係してくるのか!と意表を突かれたりで、じっくりゆっくり楽しめる読み物って素晴らしいな...続きを読む
  • 花まんま
    絶対にありえない話だけど、あってもおかしくないような話。短編集ながら昭和の色濃い時代の子供が主人公で1つの世界を描いている、そして「花まんま」では涙も誘う。
  • 満月ケチャップライス
    「幸せな家というのは、いつもきれいなタオルと新しい卵がある家のことを言うんですよ」

    救われない結末になりそうだと思いながら読み進めたけど、覚悟したほどではなかった。
    会話のやりとりに矛盾がなくて気持ちがよかった。
  • 主夫のトモロー
    素敵な夫婦の話。
    お互いに思うことをきちんと伝えて一緒に悩んでいく姿勢が大事なんだろうなと思った。
    人の生き方に口を出すこと自体が変だって思われるような世の中になったらいいのにと思う。
  • 狐と韃(むち)~知らぬ火文庫~
    日本霊異記を基にした短編小説集。バラエティに富んでいる印象。理不尽だと思う話もいくつかあるけれど、そこが仏教?を基にした教訓譚らしさを感じた。女が蛇と結ばれる話は、正直古典で読むからライトな感覚で読めたものが小説になるとウッ…となる感覚を味わえたのは面白かった。
  • わくらば日記
    昭和30年代の前半はこんなだったのかな

    映画、「三丁目の夕日」(西岸良平さん原作マンガの映画)を見たときは、隣の知らないおばちゃんに負けないほど懐かしさや感動に号泣してしまったけれど•••

    こちらはもう少ししんみりしている。

    30年ほど前に亡くなった姉を慕う私(妹)の懐古連作、5作。

    「姉さ...続きを読む
  • 揚羽の夢~知らぬ火文庫~
    朱川湊人 さんの「知らぬ火文庫」シリーズ
    最新刊というだけで 手に取ってしまう

    相変わらず 
    あっという間に
    幽玄の世界に連れて行ってもらえます

    何年も前に
    夢中になって 読み進めていた
    吉川英治さんの「新 平家物語」の
    部分部分が 浮かんでは消えていきました

    ずいぶん前に 読んでいるうちに...続きを読む
  • 都市伝説セピア
    はじめて、朱川湊人先生の作品を読んだ。

    読みやすくて面白くて、短編集だが全体的に描写がしっかりと描かれていてどれも納得のいく作品。

    最初のアイスマンを読んで、想像できるラストだったが鳥肌が立つほど怖くまた切なくて、感情を揺さぶられた。

    他の作品も脳内でしっかりと映像化されて、とても面白いと感じ...続きを読む
  • 揚羽の夢~知らぬ火文庫~
    うたかた。

    読み終わった読後感としてはそこまで儚さばかり残っているわけでないが、

    平安末期の町の様子、世の中の大きな出来事・時代の変化を描く。

    8編あり、大火事、竜巻、飢饉、福原遷都が鴨長明の視点で、

    平家が衰え、滅んでいく様を、平清盛の子、重盛と知盛の視点から触れられている。

    編の後半は...続きを読む
  • 本からはじまる物語
    本が好きな人には是非読んでほしい!
    本と人との関わり方、大切な本の思い出、ファンタジーな物語もあり、、、

    色々な方のストーリーをいっぺんに楽しめる欲張りな本です!!
  • かたみ歌(新潮文庫)
    東京の下町にあるアカシア商店街。その近くにある覚智寺はあの世とこの世をつなぐ寺だと噂されている。その商店街をとりまく人々、特に幸子書房の店主が、7つの短編全てに関わりながら、そして、最後の物語では その店主の過去が明らかになっていく。殺されても家族を守ろうとする中華屋の主人、弟の代わりに突然行方不明...続きを読む
  • 白い部屋で月の歌を
    短編2作品
    ホラーと謳ってはいるけど生々しい表現はないので読みやすい。朱川さんの作品は何作か読んでいるけれど、読み終わった後に何かしら心に残る作品が多い。わくらば日記もしかり

    1作目〜
    オチがー!まさかのジュンは人形だったのか!!となる。いままで恨み言をいう霊魂しか相手をしていなかったから恵梨香が...続きを読む
  • 揚羽の夢~知らぬ火文庫~
    「方丈記」と「平家物語」をアレンジした幻想譚。平安鎌倉時代、都を次々と襲う災禍。戦、疫病、天災の数々にあえなく命を奪われる多くの人々と、その中でも必死に生き抜こうとする人々。栄華を誇った平家の隆盛と滅亡。移り変わる時代を見つめ続ける鴨長明を主人公にして描かれた、虚無的だけれど穏やかさも感じさせられる...続きを読む
  • 花まんま
    朱川さんの作品を読むのは、「かたみ歌」に続き2冊目。

    昭和30〜40年代の大阪の下町が舞台となっている。
    私は関西人ではないのだけど、懐かしい雰囲気が全編通して漂っており、大阪弁が心地良く、するっと、その時代と場所に入り込めるのが不思議。

    6編からなる短編集で、どれも死や霊、前世などを扱った、不...続きを読む
  • 揚羽の夢~知らぬ火文庫~
    鴨長明の視点で捉えた平安鎌倉時代の日常。飢餓、疫病、源平合戦…常にとばっちりを受けるのは平民である。時代を超えて人間の悲哀、無常が心に響いた。
  • かたみ歌(新潮文庫)
    不思議な出来事が起こる「アカシア商店街」を舞台にした短編集。「かたみ歌」というタイトルは一体どう言う意味なのかと思ったが、なるほど「死人の想い=かたみ」の話なのかと納得。全ての話が死に関わる話で、少し物悲しく、少し恐ろしく、どこか懐かしい感覚がする。後半になるほど様々な事情が一気に明らかになるストー...続きを読む