朱川湊人のレビュー一覧

  • 妖し
    印象的だった作品

    ANNIVERSARY/村山由佳
    真珠星スピカ/窪美澄
    李果を食む/阿部智里
    かぐわしきひと/乾ルカ
    喪中の客/小池真理子

  • なごり歌
    『かたみ歌』同様、死を、単なる終わりとしてとらえるのではなく、世界の広がりとして描く。小説という物語形式だからこそ、それが充分に伝わる。小説以外ではなかなかこれは表現できないだろう。
  • 妖し
    以前読んだ妖のアンソロジーと同じかと思いきや少しテイストが違った。
    でもどれも一通り面白かった。

    その中でも武川佑さんの短編が素晴らしかった。
    日本史に明るくない私が読んでも目が離せない凄まじい熱量。読めない字も吹き飛ばすほどの強風がふく文章。本を持つ手が肘まで熱くなるような引き込まれ方をする物語...続きを読む
  • 白い部屋で月の歌を
    表題作もよかったが、もう一編の『鉄柱』が素晴らしかった。恐怖はさしてないが、生きるとは?という問いに対する、明確な解がもてないことが不安を煽る。そういった意味ではホラーであったし、一種の哲学作のようにも感じた。また、ひきこまれる文章と展開は一級。
  • 私の幽霊 ニーチェ女史の異界手帖
    この手のオカルト物?好きです。
    UMAを次々登場させて物語が進んでいきます。
    東野圭吾のガリレオのオカルト版的構成で楽しめました。
    ガリレオでは内海刑事が謎の事件に遭遇し、湯川准教授を頼りに解決していきますが、この小説では雑誌編集者の日枝女史がオカルト現象に遭遇して、それを博物学者の栖氏が解決してく...続きを読む
  • かたみ歌(新潮文庫)
    連作短編集。いずれも死にまつわる話で、確かに背筋がひやりとするところもあるのだが、不思議と優しい気持ちにさせられる。死を、一方通行に終息していく、やるせない結果として扱わない。むしろ、未知の可能性として、世界の広さとして描かれている。
  • 妖し
    特に「マイ、マイマイ」と「李果を食む」が印象に残った。

    マイ、マイマイ
    過去の体験は今の自分を作っている。その事実を物理的なものに例えて、体からぽろっと抜け落ちる表現がおもしろかった。
    自分が持っている価値観に案外無自覚だったりするよなと思った。

    李果を食む
    兄弟それぞれの事実に基づいた認識が、...続きを読む
  • 狐と韃(むち)~知らぬ火文庫~
    初めの話がクソ男の話なので、読むのが嫌になるが、そこでやめないでほしい。その先に、重厚な物語の広がりがあるから。
  • 花まんま
    都市伝説セピアを呼んでずっと気になっていた朱川さん。安定した懐かしい匂いと、少し不思議な世界とのつながり。
    短編ながらもどこかに相通じる仄暗さと落ち着きが底辺を流れていて、ファンタジーとホラーと人間臭さが相重なる。
    妖精生物、凍蝶が個人的には良かった。
  • 主夫のトモロー
    主夫でなく主婦のじぶんも、何度となく「わかる、わかるよーー」と言いたくなる、等身大エピソード満載のおはなしでした。朱川さんの作品は、時にドキッとぞくっとさせてくれるものが多い印象だったのですが、こういう身近なお話もまたいいなぁ、と感じました。続編期待したいです!

    こどもから広がる人間関係には面倒な...続きを読む
  • 主夫のトモロー
    会社の倒産から、彼女と結婚して主夫となったトモロー。
    妻の美智子をはじめ、その両親や、トモローの兄さんなどとの関係が温かい。
    周囲には、理解されないこともあるけれど、基本は温かく見てくれる。
    特に、妻美智子のキャラがすごく好き。かっこいい!おっとこまえ♪
    家事に育児に習熟していくトモロー。
    生まれた...続きを読む
  • 幸せのプチ
    涙腺崩壊…はしなかったけど、じんわり温かい話だった。
    琥珀という架空の町。昭和40年代、50年代という時代と下町と人情が嫌味なくマッチ。
    きれいなお姉さんや、感じ悪いおじさんや、優しい大人、貧しさも心の豊かさでカバーみたいな、100%良い人ばかりじゃなく、弱い人もずるい人もいて、それでも皆で補いあい...続きを読む
  • 妖し
    ゾクっときたのは「曇天の店」・「フクライ駅から」・「喪中の客」くらいだな。

    ちょっとイマイチ、って思いながら読んでいた最後に、めちゃゾクっとくる「喪中の客」。
    小池真理子さん、さすがです。

    恩田陸さんの「曇天の店」は良かったけど、余韻がありすぎて笑

    「フクライ駅から」は読み終わってから思わず作...続きを読む
  • 妖し
    10人の執筆者が怪異をテーマに描く短編アンソロジー。
    ぞくぞくっとするお話。
    李果を食む、フクライ駅から、かぐわしきひとが好き。
  • 妖し
    ちょっと怖い話のアンソロジー。
    どの作品も、良かったのですが、あえて1つというなら、風鈴が出てくる話かなあ。
    読んだことのない作家さんに出会えるので、アンソロジーはおすすめです。
  • 妖し
    【怪異】をテーマに描く奇譚小説。
    アンソロジーシリーズ。
    この面子だし、と思って読み始めたのが
    間違いだった…

    想像のはるか上の上をゆく怖さだった…
    夜、部屋で一人で読んでいられないページが
    何度もあった。

    大好きな米澤穂信の
    「わたしキャベンディッシュ」も、
    あーー、これが伏線でこうなる感じか...続きを読む
  • 妖し
    10人の作家による十の世界。怖い 恐い 引きずり込まれる 目が離せない 読み続けてしまう。

    戻ってこれて良かった
  • 主夫のトモロー
    星4.5
    とっても爽やか!な読後感です。

    ばりばりのキャリアガールのみっちゃんと結婚したトモロー。プロポーズのきっかけは、トモローが働く出版社が廃業したことで、普通とは違った主夫が誕生するところから、2人の間に生まれたチーコが2歳過ぎるまでの、トモロー主夫業のあれこれ。

    世間の目、子育て中の赤ち...続きを読む
  • 赤々煉恋

    普通、ではない人達の愛情のお話

    怖さもあり、切なさもあり



    「わたしはフランセス」が好き



    なんとなく、文庫じゃなくてハードカバーで読めて良かった

    っておもいました、なんとなく
  • スズメの事ム所 駆け出し探偵と下町の怪人たち
    連作短編6編
    昭和の匂いのする町で江戸川乱歩風の味わいのある事件が起こる.ありそうでありえないような不思議な味わいのある小説で,私はとても好きだったのでできたら続きが読みたい.