朱川湊人のレビュー一覧

  • 赤々煉恋
    ホラーテイストな短編小説。
    ちょうどSimon & GarfunkelのApril Come She Willを聴いていたのもあり、レイニーエレーンが好き。
    「ヤスラカニネムレ、ワスレナイ」からの「君が好きだった」でグッときた。
  • スズメの事ム所 駆け出し探偵と下町の怪人たち
    黒葛原涼(つづらはら すずむ)は、推理作家の父・黒葛原玲に蔵書の管理を任されて、荒川区町良にある三角形のビルに部屋を持つことになる。
    父のファンで大家さんの、翁(おきな)さんは、涼が名探偵になると固く信じている。
    実は、名探偵になりたい、なんて思う子供だったのだ。
    今は…今は?

    少年探偵団!!って...続きを読む
  • スズメの事ム所 駆け出し探偵と下町の怪人たち
    タイトルだけだとピンとこないが、表紙のイラストが昭和の怪人と探偵のイメージで良い!実際は昭和の雰囲気の町の現代の話なので、そのギャップも気に入った。町の噂の謎を解くうちに、自主的に助手が増えていくのも楽しい。助手が増えるきっかけにもなったいわくありげな椅子が気になる。そんな椅子で読書したい!
  • スズメの事ム所 駆け出し探偵と下町の怪人たち
    楽しかった!
    装丁から、あの時代のお話しかと思えば、思いっきり現代が舞台で、それがより面白くしている。
    巻き込まれ型の探偵?涼に、巻き込んじゃう型の翁さん。
    ナイスすぎるでしょ。
    事件も、殺伐としたものはなくて、いかにも下町な感じ。
    そこから生まれる出会いも温かい。
    作家である涼父の蔵書が、すごく気...続きを読む
  • かたみ歌(新潮文庫)
    いやゃぁぁ、それはずるい…

    あちらとこちらの世界の境界線が曖昧な下町の商店街。ノスタルジックでミステリアスで少し怖いような気もするけれど、人と人の想いが交錯するどこまでも暖かくて少し切ない短編集。

    で終わると思ってたのに、ラストのあれはひどい。それはずるい。暖かすぎて切なすぎる。彼はあんなにひど...続きを読む
  • かたみ歌(新潮文庫)

    ストーリーテリングがお上手で
    取りようによっては怖くもなり得る内容なのだけど、ノスタルジックで心あたたかくなるのが、朱川作品の特徴。

    短編集なので、合間合間にサクサク読めるのも好き。

    「花まんま」「かたみ歌」など、
    タイトルのつけ方も好みです。


  • かたみ歌(新潮文庫)
    7編の連作短編集。
    心霊現象的なものをからめながら、人間の生き方がちりばめられています。
    特に最後の「枯葉の天使」はこれまでの謎がすべて明らかになります。
    全体の構成がよいので、どんどん引き込まれていきます。
    とても面白い本でした。
  • 都市伝説セピア
    五つの短編が収録された、朱川湊人さんのデビュー作です。

    ホラーあるいはファンタジーの範疇に入る作品ながらも、全編に漂うノスタルジックな雰囲気が、そこはかとない寂しさや哀しさを感じさせます。

    非日常が日常の中に自然に溶け込んだ不思議さは、恒川光太郎さんや乙一さんの作品世界に近いものがありそう。

    ...続きを読む
  • かたみ歌(新潮文庫)
    おおむね前に読んだ『花まんま』と似たテイストの連作短編集。
    死者に会える町で古本屋を営む店主と、そのオヤジにかかわる人々。
    印象に残っているのは、古本屋の商品を利用して、時を超えた文通をする女。片思いの彼にあてて書いていたハズだったのに…という不思議な恋愛ストーリー。
    この人の作品はハデさは一切ない...続きを読む
  • 花まんま
    著者の大阪物は好み。当時の雰囲気が伝わってくる描写で読者を引き込む。実際に住んでいないと書けない雰囲気が生かされている。
  • 箱庭旅団
    不思議な、でも、読後感はちょっと切なくなる物語が多いのが朱川さんの作風。そして、物語の所々に白馬にまたがり、時空を超えて旅する少年の影がちらつく。

    彼のような存在は旅行者(トラベラー)と呼ばれている。
    そんな彼のような存在と『唯一無二の絶体真理』という本のがこの短編集を貫く縦糸と言えるだろう。

    ...続きを読む
  • 無限のビィ下
    発端は10年前の大事故だった。看護婦だった母親の不思議な体験、その時胎内にいた信悟に宿った不思議な力。それに目をつけて執拗に追ってくる水島先生。そして遂に正体を現した「無限のビィ」の真の狙いとは-。

    リーダビリティがあるので勢いに乗って読み進められるけれど、やはり冗長な部分が(上巻でも感じたことが...続きを読む
  • 銀河に口笛
    ずっと過去形で語られているので、どういう終わり方をするのかとハラハラしながら。。。

    結果、素敵な終わり方でしたが。

    正体は謎のままだけれど、大切なのはそこではなく
    彼らと過ごした子供時代なのだろう。。

    同級生の女の子とか、救われない部分もあったけれど
    本当に、人はいつ大人になるのだろう。。
    ...続きを読む
  • 花まんま
    作者と同年代だからだろうか、文章から想像する情景が妙に懐かしい。話の舞台は大阪で、東京育ちの私が知った場所ではないが、その年代に対するノスタルジーということなのかな。
    表題作が一番良かったけれど、短編集のどのお話も現実さを帯びたファンタジーでそれぞれが良かった。
    『かたみ歌』を読んで以来の朱川作品、...続きを読む
  • あした咲く蕾
    異論があること大前提、あくまで俺の好みとしてなんだけど、朱川作品にホラーは求めていない。

    夕暮れ時の赤い空、地面には曼殊沙華、泣きながら空を飛ぶカラス、日暮れまで15分とない時間なのに家に帰る道を忘れ迷子…サーカスの子飼いにさらわれそうな不安感

    この程度の怖さがあれば、朱川ワールドは十分に広がっ...続きを読む
  • 花まんま
    大阪の下町を舞台にした短編集。
    朱川さんのほかの作品と同様、生と死にまつわる不思議な話。

    死についての話だが、怖さではなく、「懐かしさ」「切なさ」「優しさ」に溢れる内容。

    回顧録として語られるスタイルはまさに芸術の域であり、気づいたら自然と物語の時代へと入り込んでいるのがわかる。
  • 幸せのプチ ――町の名は琥珀
    こういう感じが好きで朱川湊人を止めれれない。昭和の40年代ぐらいの、ちょっと不思議で懐かしい感じが、経験した世代にはたまらない。その時代の空気をたっぷり吸わせてくれる小説。琥珀はあるあるの連続です。野良犬のプチも子供達が通う模型屋も、オリオン仮面もありそう。
  • 白い部屋で月の歌を
    「生きる」ことにまつわる2つの作品からなる。
    それぞれの作品のストーリーは独立している。

    ホラーというジャンルだが、決して「おどろおどろしい」いわゆるホラー小説ではない。

    一作目は、霊を剥がすことを生業とする霊能力者の話。そこに登場する憑坐(よりまし)の仕事をする『青年』が本当の主人公。
    体の自...続きを読む
  • 冥の水底(下)
    知り合いから見せられた狼人間の写真。マガチと呼ばれる者達の1人だという。合成を疑った医師の主人公だったが、その後、その知り合いは姿を消す。
    心配になりアパートを訪れたことにより、殺人事件の犯人として追われる身となった彼は、息子と共に写真に纏わる謎を追うが……。

    最後、シズクが山に取られて良かったと...続きを読む
  • 赤々煉恋
    表紙が違う。。。
    女性が片手を伸ばしているイラストだったのだが、該当なし。

    なかなかぶっ飛んだ題材を扱っているのに、 さらりさらりと表現してしまうのが毎回凄い。
    性的な関係も絡むので、中高生にお薦めできるのと出来ないのがあるが。。
    3作目は読んで欲しい。

    『死体写真師』
    →写真師の動機は何なのだ...続きを読む