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Posted by ブクログ 2022年03月21日
心温まるホラーだったり救いようがないホラーもある6連の短編集
「妖精生物」がおすすめ
甘美な感覚の虜になった主人公、この生物がいると幸せになると信じ育てていくが...。
Posted by ブクログ 2021年12月11日
パルナスのCMソング。ゴム跳びという遊び。「じゃりン子チエ」が住んでいるような大阪のゴタゴタした町にいる、仕事もせずブラブラと陽気に昼間から遊んだり飲んだりしている“おっちゃん”。しかもそんなおっちゃんが結構な割合でいる、大阪のある下町。貧乏で開けっ広げで人情深い人たちがひしめき合って暮らしている...続きを読むのだが、そんな中にも生まれた家によっては生まれつき差別される人間もいる厳しい時代。
この本には6編の短編が収められているが、何れも昭和40年代、50年代に大阪の新世界界隈で子供時代を過ごした主人公がいる。
私は大阪ではないのだが、関西でその頃子供時代を送った。その頃のテレビ番組や遊び、それに子供が多く、大人も必死で働いていたあの時代の子供心に感じた“キツさ”。そんなものが今となってはノスタルジーを感じさせる。
この短編集に収められた主人公の子供達は、そんななかなか“キツい”町で、大人の事情を冷静に見つめている子や生まれながらに差別を受けているがそのことを受け入れ、自分なりに居場所を見つけようとしている子。その子たちと“霊”との関わりを描いた短編集である。
“霊”は怖いとは限らない。生前、差別され病弱であまり遊べなかった子供が、亡くなってから自由になった体で夜な夜な近所の屋根屋根を楽しそうに跳び歩く話。親戚の厄介者だったおっちゃんが歩道橋の階段から呆気なく死んでしまい、お葬式には三人の愛人が揃うまで、霊柩車にエンストを起こさせて火葬場に向かわせなかったという話。二十歳そこそこで亡くなった娘が生まれ変わった姿で元の家族に会いにいく話。何れも亡くなった人がこんなふうにメッセージを送ってくれたらいいのにと思える話だった。
ゾクゾクする話もあった。「送りん婆」という話は怖かった。死にそうでなかなか死ねない人を楽に死なせてあげる仕事。あの世に送り届けるために「人を殺す呪文」を耳元で唱える。その呪文は勿論門外不出だ。主人公の女の子は叔母である“送りん婆”に跡継ぎとして見込まれ、その叔母が亡くなるときにその呪文を書いた紙を託されたが、結局跡は継がなかった。その女の子や“送りん婆”が住んでいた大阪の繁華街の横丁が高速道路建設と共に無くなってしまったのと同時に、“送りん婆”という仕事も無くなってしまったという書き方にぞくぞくさせられると同時に哀しさも感じた。
癖になる味わいがあった。
Posted by ブクログ 2021年08月29日
同級生に薦められて読みました。自分自身が過ごした昭和の古き良きアナログな時代を思い浮かべて身近におこりそうな不思議な話に引き込まれました。6篇とも淡く優しくそして哀しみもあるストーリーです。中でも表題となっている花まんまは秀逸です。朱川さんの他の作品も読んでみたくなりました。
少しコワイ話も含まれた短篇集。
昔知っていた大事な気持ちをふと思い出させてくれるような作品です。
少し毒があって、少し救いがある。
きっと時々読み返してしまう1冊になると思います。
表題作の「花まんま」もいいですが、「凍蝶」も好きです、さりげない最後の数行に感慨があります。
Posted by ブクログ 2017年08月20日
昭和40年代の大阪の下町を舞台にした少年少女の短編集。
読んでみると私の子供時代より少し上の世代で、当時のことを知らないはずなのに、何故かとても懐かしい。
じわりじわり胸に染み込み、その頃にタイムスリップした感じ。
懐かしさと切なさと、少し背筋が寒くなる怖さをあわせ持つちょっと不思議な物語。
表題...続きを読むの「花まんま」が一番印象に残った。
妹思いの兄の言動に泣けた。
「摩訶不思議」は人生はタコヤキやで、と甥に向かって二本楊枝の持論を語る往生際の悪いおっちゃんに笑った。
こんなに大阪弁を優しく感じたことないな。
Posted by ブクログ 2017年04月23日
ノスタルジックなホラー6編から成る短編集。いずれも昭和30~40年代の大阪の下町が舞台です。
1つめは「トカピの夜」。コの字型に並んだ長屋式賃貸住宅の一軒に暮らす小学生、ユキオ。袋小路の一番奥に住む朝鮮人兄弟とだけは、誰もがなんとなく距離を置いていたが、兄弟の母親に請われて、ユキオは病弱な弟チェン...続きを読むホと遊ぶようになる。ある日、チェンホが死に、朝鮮の幽霊トカピとなって長屋に現れる。
2つめは「妖精生物」。国電の高架下にいた男から、クラゲに似た奇妙な生き物を買った少女、世津子。時折ガラス壜から出して触れてみると、未知の快感に襲われる。やがて、小さな工務店を経営する父親が雇った若い男性、大介に恋心を抱き、彼にはこの生き物の秘密を明かしてしまう。
3つめは「摩訶不思議」。遊び人の叔父、ツトムおっちゃんがあっけなく亡くなる。おっちゃんには内縁の妻のほかに愛人がいたことを知っている小学生のアキラ。火葬場へ向かった霊柩車が急に停車、うんともすんとも言わなくなり、おっちゃんが愛人にもこの場に来てほしがっているのだとアキラは考える。
4つめは「花まんま」。無邪気な妹フミ子の様子が、ある日を境におかしくなる。亡き父から何があっても妹を守れと言われていた俊樹は、フミ子が自分は誰かの生まれ変わりだと思っていることを知る。俊樹とフミ子は、彼女が前世を生きたと言う彦根へと向かう。
5つめは「送りん婆」。親戚のおばさんは、言霊の力を使って、いまわの際で苦しむ人をあの世に送る。そのおばさんに見込まれて、それを手伝うことになった少女、みさ子。
6つめは「凍蝶」。まだ幼い自分にはわからない理由で差別を受けている少年、ミチオ。せっかく仲良くなった転校生からもいつしか避けられるように。墓地へ足を運んだところ、若い女性と出会う。
イニシャル表記された地名は、大阪人であれば見当がつく場所ばかり。庄内、天満に扇町公園、飛田新地。それだけでもワクワクします。
1つめ、3つめの話が特に好きでした。3つめは人生をタコヤキに例える言葉が可笑しい。冷めたらいっこもうまくない、アツアツすぎたら大やけど。熱すぎてもあかん、冷めてもあかんっちゅうこっちゃ。
Posted by ブクログ 2023年03月27日
絶対にありえない話だけど、あってもおかしくないような話。短編集ながら昭和の色濃い時代の子供が主人公で1つの世界を描いている、そして「花まんま」では涙も誘う。
Posted by ブクログ 2022年08月02日
朱川さんの作品を読むのは、「かたみ歌」に続き2冊目。
昭和30〜40年代の大阪の下町が舞台となっている。
私は関西人ではないのだけど、懐かしい雰囲気が全編通して漂っており、大阪弁が心地良く、するっと、その時代と場所に入り込めるのが不思議。
6編からなる短編集で、どれも死や霊、前世などを扱った、不...続きを読む思議でゾクッとする物語。
差別や偏見が、今よりずっと色濃く社会を支配している時代。
そんな世の中を生きる子供たちが主人公となっている。
“子供に差別心を植え付けるのは、いつも大人たちだ”
と朱川さんは書いている。
令和の現代も同じですね。
私が好きなのは…
4.“花まんま”
前世の記憶を持つ幼い妹が、その前世家族に会いに行くお話。
悲しいけれど、読後は温かい。
6.“凍蝶”
孤独な少年が霊園で若い女性と出会う。そのミワという女性は、いったい何者なのか?
そして、ちょっとコメディっぽくて、他とは印象が違うのは…
3.“摩訶不思議”
死んでも女好きなおっちゃんの話。
ホラー要素もあるけど、最後はほっこり?
と、結局どれも全部、良いのです。
解説は重松清さんで、朱川さんと同い年なんですね。
最後まで楽しめました!
Posted by ブクログ 2022年07月05日
昭和40から50年代辺りの大阪下町が舞台。現世とあちらとの境目を描いたノスタルジア。直木賞作品ですが、ちょっとホラーテイスト。
「トカビの夜」在日朝鮮人への差別を子供心に後悔する少年。その懺悔の気持ちの表現が心に残る。そして、トカビ(幽霊)になった子供の恨みのない純真さに哀惜がある。
「妖精生物」魔...続きを読む法使いが作った生物を手に入れた少女。幸せを運ぶどころか。少女から大人になる危うい心情。
「摩訶不思議」遊び人のおじの葬式での出来事。コミカルで、遊び人は死んでも遊び人。
「花まんま」妹の前世の記憶を辿る兄妹。前世家族との悲しくて優しい“花まんま”
「送り婆」条件を満たす安楽死(今風に言えば)を操る言葉を受け継ぐ女性たち。婆が一度だけ掟を破った送り言葉が悲しい。
「凍蝶」部落差別を受ける少年と、弟の治療費を得るため身を売る女性の、儚い友情と別れ。
短編6作全て読後感が良く、それぞれの登場人物の影の部分に哀愁があり、短編ですが、読み応えがありました。
Posted by ブクログ 2022年01月02日
昭和30年~40年代の大阪の下町が舞台になった1冊。
全然、年代でも大阪に住んだ事もないのに懐かしく感じてしまう。
ちょっと切なくて色んな意味で怖いのに心が少し温まる短編集。
少し泣ける話も。
☆トカビの夜
☆妖精生物
☆摩訶不思議
☆花まんま
☆送りん婆
☆凍蝶
Posted by ブクログ 2021年08月22日
直木賞受賞の傑作短篇集。
「トカピの夜」「妖精生物」「摩か不思議」
「花まんま」表題作「送りん婆」「凍蝶(いてちょう)」
大阪に住んだことはなくても、感じるのは懐かしさ。
昔、子供の目から見たり感じたりした似たような空気感。
不思議な事も、怖い事も友達や家族に対する気持ちが
自分も通ってきた子供とい...続きを読むう共通視点だからこそ
懐かしく感じるんだなぁ~と思いました。
「トカピの夜」と「花まんま」が好きです。
Posted by ブクログ 2021年07月26日
④のような小説がまた読みたいと思い文庫本を購入したら、②の悪趣味話や③の笑い話がついてきてびっくり。僕の特に好きなのは④と⑤。解説は、朱川さんと一見似ているようで実は全く違った視点から子どもを描く重松清さん。いい感じ。
①トカビの夜
早世した子供の悲しい話だが読み終えるとなぜか微笑んでしまうかわい...続きを読むい短編。
②妖精生物
悪趣味、淫猥。よく子供を主にこれが書けるな。嫌悪感がないのはホラーのためか。
③摩訶不思議
子供板挟みの修羅場コメディ。僕は好きだし笑えるが、何やねん!思う人も多い筈。
④花まんま
朱川湊人と出会った作品。初めは読む度泣いたが、今は抑制の効いた良作と感じる。
⑤送りん婆(おくりんばぁ)
祈禱師や「ツナグ」を連想させる。実際にありそうな感じ。
⑥凍蝶(いてちょう)
ギリギリ、怖い話にならなかった感じ。友情の復活は僕にも経験あるような。
Posted by ブクログ 2020年12月13日
都市伝説セピアを呼んでずっと気になっていた朱川さん。安定した懐かしい匂いと、少し不思議な世界とのつながり。
短編ながらもどこかに相通じる仄暗さと落ち着きが底辺を流れていて、ファンタジーとホラーと人間臭さが相重なる。
妖精生物、凍蝶が個人的には良かった。
Posted by ブクログ 2018年10月30日
作者と同年代だからだろうか、文章から想像する情景が妙に懐かしい。話の舞台は大阪で、東京育ちの私が知った場所ではないが、その年代に対するノスタルジーということなのかな。
表題作が一番良かったけれど、短編集のどのお話も現実さを帯びたファンタジーでそれぞれが良かった。
『かたみ歌』を読んで以来の朱川作品、...続きを読む他のも読みたくなった。
Posted by ブクログ 2018年07月23日
大阪の下町を舞台にした短編集。
朱川さんのほかの作品と同様、生と死にまつわる不思議な話。
死についての話だが、怖さではなく、「懐かしさ」「切なさ」「優しさ」に溢れる内容。
回顧録として語られるスタイルはまさに芸術の域であり、気づいたら自然と物語の時代へと入り込んでいるのがわかる。
Posted by ブクログ 2017年12月06日
6つの短編から。
解説重松清氏。 パルナスのCMとはどんなものなのだろう。。??
作者は大阪生まれなのか。
大人なのに子供の気持ちを表現しきっている箇所が凄い、と思うと同時に
大人になって子供時代を振り返る時の感情も共感する箇所があって
凄いと思う。
『トカビの夜』
→『昨日公園』のように、子供...続きを読む時代の気持ちを忘れず、否定しない大人になりたい。。
『妖精生物』
→性に関する後ろめたさや、母親が女である事に気づいたり
朱川氏の描くタッチがソフトだけれど
その後が悲惨だったりと、ラスト、彼女が何故穏やかなのか…と思ったところ、ページをめくって
まさかの一行。。辛い。。
『摩訶不思議』
→コントで見たい。
『花まんま』
→姉妹だったら、22歳を迎えて、色々聞いたりすると思うけれど
兄というのは、さほど会話をしないのだろうか。
『送りん婆』
→おばさんのように殊勝な心がけを忘れないようにしたい。。自分がその立場だったら。。と思うと尊敬する。
『凍蝶』
→「彼女」のお仕事、そうかもしれないと思ってはいたが、判明するのが物語の悲しさ。
仮にお金が要らなくなっても、故郷には戻れない。
若しそういう人がいたら、理由等きくことなく
自分も偏見の目をもって接してしまうかもしれない。
朱川氏の物語の周辺の人について読むとき、自分だったらどの人だろうか、と
考えされられる。
Posted by ブクログ 2017年04月10日
関西人にぜひ読んで欲しい!という、
書店の方のおすすめにしたがい、
松尾たい子さんの装丁だったせいもあり購入。
作者と同年代のため、
随所になつかしさを感じるアイテムが散りばめられていた。
パルナスの歌詞が全部わかって感激。
子ども時代って、わからないところは
適当に歌ってたんだなぁ。
お話...続きを読むの方は、
なんとも不思議な感じで、
心地よい、というよりは
ちょっと怖いというか、ざわざわする感じ。
短編だけど、しっかり重みのあるお話を
読んだ気分。
Posted by ブクログ 2017年03月19日
短編集。
昭和…近いようで遠い過去。
その時代を懐かしんでか、それとも古き良き時代を忘れないためか、昭和を背景にした物語は多い。
残念ながらこの物語に登場する、たとえばメンコというものを手にしたことが一度もない。
見知らぬ日本、といった感じがしてしまうのはそのせいかもしれない。
外国人に対する差別と...続きを読む偏見は、程度の差こそあれ今でもあるだろう。
あからさまに排除するか、陰にまわって疎んじるかの違いはあるだろうけれど。
「トカビの夜」に登場する朝鮮人の二人の兄弟は、そんな時代の影響をまともに受けた年代なのかもしれない。
高校生のときにずいぶんと年上の朝鮮人の女性と知り合ったことがあった。
たぶん国籍は日本だったのではないだろうか。
最初はもちろん相手がどんな素性かも知らずに話すようになったのだが、日本語のアクセントが微妙に違っていたので「あれ?」とは思っていた。
彼女の父親はとても大きな声で笑う人で、彼女の微妙なアクセントを倍にしたような話し方をする人だった。
「子どもの頃にしみついた話し方ってなかなか抜けないんだよね」と、責任は父親にあると言いたげにしていたことを覚えている。
話してみれば当たり前のことだけれど普通の人たちで、両親はともかく(独自の文化をまだ守っている部分があったようだ)彼女自身はまったく日本人と変わらないように感じた。
時代とともに人の感覚も変わっていくのだろう。
彼女と付き合いのあった間、一度も朝鮮人であることを意識したことはない。
単純に「日本人じゃないんだ」と思っただけだ。
別に彼女が何人であっても、犬が好きで、アイドルが好きで、よく笑う優しい人だったことに変わりはない。
もしかしたら私の知らないところでは辛いこともあったのかもしれないけれど、一切そんなことは言わなかったし見せなかった。
辛い時代を背景にした物語を読むたびに、彼女を思い出す。
どの物語も子どもの視点で描かれている。
子どもにだっていろいろな感情がある。
抱えきれないほどの喜怒哀楽が小さな体には詰まっているのだ。
人の「死」を通して浮き彫りになっていく「生きる」ということ。
幼いながらもそれぞれのエピソードを経験することで、何かを学んでいく子どもたち。
あたたかな余韻の残る物語ばかりだった。
中でも「花まんま」が一番よかった。
頭では理解しても感情がついていかない。ただ、妹を守りたいという気持ちだけが「僕」を支えている。
兄である「僕」の複雑な思い、生まれ変わりである妹の過去の家族への思い、そして亡くなってしまった娘への後悔だけを胸に生きてきた老いた父。
「花まんま」というアイテムが伝えてくれる想い。
切なさの中にも優しさがあふれている物語だった。
Posted by ブクログ 2017年03月14日
昭和の大阪の空気を感じます。綺麗ごとだけですますのではなく、差別や偏見も溢れています。そんな中で子供達が主役のファンタジーが6編。気持ち悪いのもあれば、ちょっとうるっとくるのまでバラエティに富んでます。個人的には表題作と送りん婆とトカピの夜が好きです。妖精生物はなんとなくクリオネをイメージしてました...続きを読むが、結末を読むとそんな可愛いものでも無さそうです。
Posted by ブクログ 2017年02月18日
直木賞受賞作の6編から成る短編集。
表題作よりも印象に残ったのは「摩訶不思議」。
ヒモのようにして生きてたしょーもないおっちゃんが突然死んだ。だが、その葬儀で妙なことが起こる。霊柩車が動かない。アキラは参列していた愛人・カツ子さんだけでなく、別の愛人・カオルさんがいないからだと主張。カオルさんが来る...続きを読むとエンジンはかかるも、まだ動かない。するとアキラの妹が、ヤヨイさんもいないからだと言い出す。愛人が3人揃うと、霊柩車は動き出すのだった。
っていうしょーもない男やのに慕われて…しかしアホな男だ…。
Posted by ブクログ 2023年12月15日
昭和30年あたりの大阪の下町を舞台に、
少し不思議な設定で人の生死を描いた作品。
数年大阪に住んでたので場所が割とわかるのが楽しかった
反面、先日母の余命宣告があったので、
生死に関する話を読むのは少しきつくもあった。
トカビの夜
凍蝶
の2作品が好き。
死が絡むので憂いのある作品が多かった...続きを読む。
いざ、近しい人の死を目の前にすると、そんなこと感じる余裕もないのだが……………
Posted by ブクログ 2023年05月19日
6話の短編集
どのお話の時代や場所について、自分は生きていないのだけど、「トカビの夜」の話ではない、この感情何か知ってるような感覚に陥る
差別が顕著だった頃の話は、間接的に体験するしかないが、あからさますぎてゾッとした
Posted by ブクログ 2022年06月20日
昭和の大阪を舞台にしたちょっと不思議でちょっと寂しい物語でした。
この時代を生きてきたわけではないけれど、懐かしい気持ちになりました。
みんな必死に生きていたんだなと思います。
人間関係が希薄になった、ネットのせいで差別が助長されていると言われていますが
人との繋がりが濃かった分、この時代の孤独...続きを読む感は今より大きかったんじゃないかなと思いました。
Posted by ブクログ 2021年01月23日
全部で6つの話が入った短編集
タイトルにもなってる「花まんま」と「送りん婆」が面白かった。
印象に残ってるのは「トカビの夜」と「凍蝶」
どちらも差別について書かれてる部分がある。
読んでて差別はすごく理不尽!って思った。怒!
相手を低く見ることによって、自分が優位に立ちたいんだと思う。
昭和とい...続きを読むう時代設定だが、今でももちろん差別はあるし、きっと自分の中にもあからさまではないにしろ、差別してしまう心の弱さがどこかに潜んでそう。
こーゆー話をとおして、自分を律せれたら◎。
Posted by ブクログ 2020年05月13日
何年か前の直木賞受賞作品です。
夫が購入しましたが、私自身は読んでいなくて積読モノとしてストックしていました。。
昭和の時代の、大阪の下町が舞台の少しホラーでいかがわしい雰囲気を纏った不思議な話の短編集です。
当時を回想するという設定が多く、子供目線で描かれているせいで昭和を過ごした自分の子供時...続きを読む代と重なり、ノスタルジックな気分に包まれながら一気読みしてしまいました。
私の子供の頃って、怪しげな露天商が怪しげなものを売っていたり、自宅での葬儀がまだ多かったため死が身近だったり、不可思議なホラーを信じていたり(口裂け女とか)、差別が露骨だったり、そんな時代の雰囲気がよく表れていて、郷愁感満載です。
基本的に短編は好みではないのですが、短いながらもよく練られた作品だと感じました。
著者の長編読んでみたいなあ。
Posted by ブクログ 2018年08月07日
子どもの頃、不思議なものに心を奪われ、好奇心でいっぱいだった時の気持ちが蘇るようだった。
誰しもこういう思い出があるかもと、懐かしい感じがした。同時にトラウマを抉られるような話も中にはあり、多感な時期の様々な感情が良くも悪くも掘り起こされる。
Posted by ブクログ 2018年04月10日
ほのぼの~した話なのかと思ったら、
2話目くらいまでは、ドス黒い部分が展開して
なんじゃこらーと意表をつかれた。
だんだんほのぼの~路線に展開していくような気がするが
最初のインパクトが強くて、ホラー?という印象が残った。
ほのぼのホラー(でもないけど)って感じ。
面白いっす。
Posted by ブクログ 2017年08月22日
「どこかであった不思議なお話」という感じ。ちょっと身内に不幸があってから、死というワードやそれにまつわる諸々がとても苦手になってしまっていたので、ちょっと読むのしんどかったです。作品としてはどれも素晴らしかった。表題作の「花まんま」と最初に入ってる「トカビの夜」がわたしは好きだったかな。「摩訶不思議...続きを読む」も軽く読めてよかったと思います。わたしは大阪の土地名からきしなので一部しかわからなかったんですけど、解説にもあった通り、その時代そこで生きていた人には「あったあった」何だろうな。大阪のことは全くわかりませんが、わたしですら不思議な懐かしさを覚えました。とてもよかったのですが、どうしても重い気持ちになってしまったので星は3。