【感想・ネタバレ】花まんまのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

昭和40年代の大阪の下町を舞台にした少年少女の短編集。
読んでみると私の子供時代より少し上の世代で、当時のことを知らないはずなのに、何故かとても懐かしい。
じわりじわり胸に染み込み、その頃にタイムスリップした感じ。
懐かしさと切なさと、少し背筋が寒くなる怖さをあわせ持つちょっと不思議な物語。

表題の「花まんま」が一番印象に残った。
妹思いの兄の言動に泣けた。
「摩訶不思議」は人生はタコヤキやで、と甥に向かって二本楊枝の持論を語る往生際の悪いおっちゃんに笑った。
こんなに大阪弁を優しく感じたことないな。

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2017年08月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

④のような小説がまた読みたいと思い文庫本を購入したら、②の悪趣味話や③の笑い話がついてきてびっくり。僕の特に好きなのは④と⑤。解説は、朱川さんと一見似ているようで実は全く違った視点から子どもを描く重松清さん。いい感じ。

①トカビの夜
早世した子供の悲しい話だが読み終えるとなぜか微笑んでしまうかわいい短編。
②妖精生物
悪趣味、淫猥。よく子供を主にこれが書けるな。嫌悪感がないのはホラーのためか。
③摩訶不思議
子供板挟みの修羅場コメディ。僕は好きだし笑えるが、何やねん!思う人も多い筈。
④花まんま
朱川湊人と出会った作品。初めは読む度泣いたが、今は抑制の効いた良作と感じる。
⑤送りん婆(おくりんばぁ)
祈禱師や「ツナグ」を連想させる。実際にありそうな感じ。
⑥凍蝶(いてちょう)
ギリギリ、怖い話にならなかった感じ。友情の復活は僕にも経験あるような。

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2021年07月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

6つの短編から。
解説重松清氏。 パルナスのCMとはどんなものなのだろう。。??

作者は大阪生まれなのか。
大人なのに子供の気持ちを表現しきっている箇所が凄い、と思うと同時に
大人になって子供時代を振り返る時の感情も共感する箇所があって
凄いと思う。

『トカビの夜』
→『昨日公園』のように、子供時代の気持ちを忘れず、否定しない大人になりたい。。

『妖精生物』
→性に関する後ろめたさや、母親が女である事に気づいたり
朱川氏の描くタッチがソフトだけれど
その後が悲惨だったりと、ラスト、彼女が何故穏やかなのか…と思ったところ、ページをめくって
まさかの一行。。辛い。。

『摩訶不思議』
→コントで見たい。

『花まんま』
→姉妹だったら、22歳を迎えて、色々聞いたりすると思うけれど
兄というのは、さほど会話をしないのだろうか。

『送りん婆』
→おばさんのように殊勝な心がけを忘れないようにしたい。。自分がその立場だったら。。と思うと尊敬する。

『凍蝶』
→「彼女」のお仕事、そうかもしれないと思ってはいたが、判明するのが物語の悲しさ。
仮にお金が要らなくなっても、故郷には戻れない。
若しそういう人がいたら、理由等きくことなく
自分も偏見の目をもって接してしまうかもしれない。

朱川氏の物語の周辺の人について読むとき、自分だったらどの人だろうか、と
考えされられる。

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2017年12月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

直木賞受賞作の6編から成る短編集。
表題作よりも印象に残ったのは「摩訶不思議」。
ヒモのようにして生きてたしょーもないおっちゃんが突然死んだ。だが、その葬儀で妙なことが起こる。霊柩車が動かない。アキラは参列していた愛人・カツ子さんだけでなく、別の愛人・カオルさんがいないからだと主張。カオルさんが来るとエンジンはかかるも、まだ動かない。するとアキラの妹が、ヤヨイさんもいないからだと言い出す。愛人が3人揃うと、霊柩車は動き出すのだった。
っていうしょーもない男やのに慕われて…しかしアホな男だ…。

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2017年02月18日

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ネタバレ

子どもの頃、不思議なものに心を奪われ、好奇心でいっぱいだった時の気持ちが蘇るようだった。
誰しもこういう思い出があるかもと、懐かしい感じがした。同時にトラウマを抉られるような話も中にはあり、多感な時期の様々な感情が良くも悪くも掘り起こされる。

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2018年08月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全6編の短編集。すべての時代背景が高度成長期の日本。どの話にも共通して、ファンタジックな要素が盛り込まれている。「花まんま」はそのうちの一作品で、ある一人の少女が前世の記憶をたよりに、その家族に会いに行くという話。いい意味で抑揚もなく、すんなり頭に入ってくる文章はとても清々しさを感じた。

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2017年08月05日

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