風景 - 木村光一作品一覧

  • 月刊 東京タワーvol.11 三田・田町 2007-2017
    -
    変わりゆく時代の中でひたすら東京タワーを見つめ続けた記憶。 札の辻交差点に架かる歩道橋から眺める東京タワーは格別だ。真っ直ぐ伸びる桜田通り。何一つ視界を遮るものはない。そして、ビルの立ち並ぶ大通りを一本裏手に入れば、今度はさまざまな暮らしに寄り添う東京タワーに出会える。付かず離れず。三田の街と東京タワーの距離感はいつでも絶妙なのである。
  • 月刊 東京タワーvol.8 花景色 2007-2017
    -
    変わりゆく時代の中でひたすら東京タワーを見つめ続けた記憶。 幕末に日本を訪れた外国人たちは、人口100万を超える世界有数の大都市でありながら、清らかな水と豊かな植栽に彩られた江戸の美しさに感嘆の声を上げたという。花と緑を愛でる美意識が武士から町人に至るまであまねく浸透していたこの時代、江戸はそれ自体がひとつの壮大な庭園都市だったのだ。そして時は流れ、旧江戸市街の中心に聳える東京タワー界隈では、今も変わらず季節の花々が咲き誇っている。
  • 月刊 東京タワーvol.13 モノクロームの夢 2007-2017
    -
    変わりゆく時代の中でひたすら東京タワーを見つめ続けた記憶。 物音一つしないモノクロームの世界。そこに在る東京タワーは精巧を極めた夢である。現実を超えたリアリティ。忘れていた何かが呼び覚まされる。
  • 月刊 東京タワーvol.3 東麻布の窓 2006-2010
    -
    2006年12月。窓の向こうに忽然と東京タワーが現れた。それは隣接する老朽マンションの解体工事が終盤に差し掛かり、現場を覆っていた防音壁が取り外された瞬間の出来事だった。以来、その窓辺は私が4年後に部屋を退去する日まで、いついかなる時にも非日常的風景を享受できる特別な場所となった。が、そこで目撃したのは、意外にも寡黙なタワーの佇まいと絶えず変化をやめない饒舌な空との共演。24時間、365日、同じ景色の繰り返しはなかったのである。
  • 月刊 東京タワーvol.7 夜光散歩 2007-2017
    -
    変わりゆく時代の中でひたすら東京タワーを見つめ続けた記憶。 夜の散歩が好きだ。自分だけの東京タワーを探して歩きまわっていると時間を忘れ、気がつけば迷子になっていることもある。でも心配ない。そんなときもまた、路地の曲がり角、ビルとビルの隙間、歩道橋の上、大通りの向こう──夜空を照らすランドマークライトを見つけて歩き出せば、必ず元の場所へ帰れる。今宵も繰り返される、私と東京タワーの真夜中の追いかけっこ。
  • 月刊 東京タワーvol.2 青空ひとりきり 2007-2010
    -
    東京タワーが聳える小高い丘のちかく、東麻布の街角で高層マンション建設が始まったのは2007年の初めだった。以来、工事が進んで建物の高さが増すにつれ、タワー周辺の空は次第に狭められていった。ここに収録された「青空」と「雲」と「タワー」で構成されたアングルの幾つかはもう再現できない。人の営みのあるところ、つねに景色は変化する。東京タワーの孤高も永遠ではなかった。
  • 月刊 東京タワーvol.10 六本木・麻布台 2006-2017
    -
    変わりゆく時代の中でひたすら東京タワーを見つめ続けた記憶。 夜明けの六本木。繁華街の路上には、夜毎繰り返される狂騒の痕跡が染みついている。およそ清々しさとは無縁の散歩道。それでも顔を上げて歩いていれば、ときには朝焼けの光の中、神々しい東京タワーのシルエットに出会える。
  • 月刊 東京タワーvol.12 夜明けの景色 2006-2016
    -
    変わりゆく時代の中でひたすら東京タワーを見つめ続けた記憶。 東麻布、芝公園、麻布十番、六本木。真夜中の彷徨の果てに迎える夜明け。暁の光の中心には、いつも東京タワーが在る。
  • 月刊 東京タワーvol.9 新橋・神谷町・浜松町 2006-2017
    -
    変わりゆく時代の中でひたすら東京タワーを見つめ続けた記憶。 見慣れた街が消失し、忽然と未来都市が出現する。再開発という名の壮大なスクラップ・アンド・ビルド。「新橋」「神谷町」「浜松町」──古い記憶が染み付いた街の景色は、遠くない明日、夢のように消え去る。そこに東京タワーだけを残して。
  • 月刊 東京タワーvol.6 近景・芝公園4丁目
    -
    遠目に望む東京タワーの形は綾取りのようにシンプルだ。しかし、近づけば近づくほど、その高さ333メートルに及ぶ長大なトライアングルは大小さまざまな三角“トラス”の連なりであることがわかってくる。じつに使われた鋼材の総重量4000トン。かつて“世界一の自立式鉄塔”と呼ばれた東京タワーの建設は、延べ22万人の職人が命綱なし、ほぼ人力で挑み、成し遂げた大偉業だった。あれからおよそ60年──タワーに込められた昭和の息吹は、いまもなお、そこを訪れる人々の胸を熱くしている。
  • 月刊 東京タワーvol.5 増上寺散歩 2007-2015
    -
    江戸の裏鬼門を護る増上寺。徳川歴代将軍6人が眠るこの場所は都内有数のパワースポット。朱塗りの三解脱門を見上げながら厳粛な心持ちで足を踏み入れると、広大な境内の正面、極楽浄土を象った荘厳な本殿と東京タワーのパノラマに圧倒される。ここで眺めるタワーは、さながら天をつく仏塔。「江戸」と「東京」。時空を超えたその光景は見る者に「過去世」と「今世」の繋がりを意識させる。時間ごと季節ごとに変化する美しい景観もまた輪廻の教えなのかもしれない。
  • 月刊 東京タワーvol.4 僕は此処にいる 2007-2015
    -
    昭和の佇まいが残る東麻布。東京タワーはすでに半世紀以上、この街をご神木の如く見守りつづけている。しかし、近年、周辺建物の高層化が進み、いまでは門前町“東麻布商店街”から空を見上げても、わずかにその赤い突端を確認できるだけだ。それでも辺りを散策すれば、曲がり角や駐車場や建築現場の向こう、思いがけない場所でタワーに出くわす。そして夕刻になれば街はライトアップのオレンジに染まる。出会える場所は限られてゆく。それでも、東麻布の暮らしはタワーと共にある。
  • 月刊 東京タワーvol.1 ヒルズの広場から 2006-2015
    -
    六本木は坂の上。その頂に聳える六本木ヒルズ森タワーの麓(玄関口66プラザ)に立てば、いつでも見晴るかす都市のパノラマに出会える。絶景の中心は東京タワー。高度成長期の日本人を励ましつづけた、かつて世界一を誇った自立式鉄塔は時代が変わってもいまだに見る者の心を揺さぶる。なぜなのだろう、東京タワーがそこに在るだけで、我々は無条件に“劇的”な何かを感じてしまう。この写真集は、そんな“なぜ?”と日々向き合いつづけた10年に及ぶフォトドキュメント。365日、24時間、刻々と変化する“東京タワーの在る風景”は、それ自体がひとつの舞台のようでもある。

最近チェックした本